開院時間
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住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
学生競技ダンスでは4年生の12月にある全日本学生競技ダンス選手権大会が、最大級かつ引退する大会となります。全日本の名前の通り南は九州から北は北海道まで全国の大学が集まり競技会を行うビッグイベントです。各大学の事情によってこの大会が最後にならない場合、その後の大会に出場する例もありますが、集大成の舞台であることがほとんどです。
私はこの全日本を直前にした4年生の冬、練習をしようとストレッチをしたら太ももの裏に激痛が走り、通常歩行ができなくなりました。
当時は「ハムストリングス」とか、この部分が「肉離れの好発部位」だとか、「RICE処置」などといった治療の基本知識などまったくない大学生。練習ができる状況ではなく、足を引きずりながら大学から帰宅の途につきました。途中、普段ならお金が惜しくて絶対に入らないモスバーガーで一人休みました。
全日本直前でこれはどうしたらいいのか・・・。大会までに足は治るのだろうか?
モスバーガーのポテトを食べながら途方にくれました。それまでスポーツで怪我をしたこともなく、そもそも怪我をした経験がほとんどなく、身体の痛みで病院に行ったことなど一度しかありませんでした。こんなときにどうしたらいいのか分からず、相談する人もおらず、調べる術もありません(この当時インターネットは身近ではありませんでした。もちろんスマートフォンなど存在していません)。
ただただ
最後の大会どうしよう、組んだ相手に悪いな
という気持ちが先行していました。
結局何も処置をせず自然に痛みが引くのを待ちました。大会前に最後のスタジオ、レッスンを受けて帰り際、パートナーが我々の師匠である坊迫先生に「これまでお世話になりました」と言いました。そのときに、本当にあと数日で終わることを実感して何とも言えない気持ちに。最後の全日本当日、足に若干の違和感を持ちながらも踊り切りました。
敗退すればそれがラストダンス。スタンダード弱小校であった母校。2年生の頃から冬全に出場していました。2年生のときはもちろん、3年生のときも1次予選で落ちています。何より前年度も同じようにクイックステップに出て1次予選落ち。実績でから考えれば1次予選敗退が妥当なところ。これが最後かもしれないと追い詰められながら踊り切りました。
その1次予選で、学生選手現役時代を振り返っても過去最高、それどころか生涯最高と思える踊りができました。4年生の夏に東部Ⅱ部戦という大会で最初で最後の決勝入りをして踊ったタンゴ以来の力を発揮できたダンスでした。
足の故障を完全に忘れて最後はパートナーがついてこられないほどでした。
結果はフルチェック(満点)で1次予選突破。ラストダンスにはなりませんでした。
3度目の挑戦で初めて冬全の1次予選を突破しました。
そして次の最終予選で敗退。
1次予選で全てを出し切った感がありました。あれ以上のダンスはできませんでした。1次予選を突破したことで気が緩んだこともあるでしょう。実質ラストダンスは1次予選のダンスだったと振り返ります。実力的にも妥当な結果であり、充実感も納得もしました。しかしながら、ベストコンディションで最後を迎えられなかったという悔いは残りました。大学競技生活の中で怪我をしたのは4年生の冬、あのとき一度だけ。何故あのタイミングで足を傷めてしまったのか。またそのとき、何か対処はできなかったのか。たら・ればは愚問ですが後悔はありました。
大学当時の自分に、そばにいて欲しかった存在になろうとこの世界に入る前に決意しました。
甲野 功
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