開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
私は「あん摩マッサージ指圧師免許」を厚生労働省から頂いています。
これは按摩(あん摩)とマッサージと指圧を行ってもよいという免許になります。
元々、按摩もマッサージも指圧も別々の治療方法ですが、3つとも人間の手で行うということでひと括りの国家資格に統一されています。
この3種類の中で私が一番大事で得意としている、按摩の話です。
按摩とは「薄い衣服の上から手指を用いて主に筋肉を対象に揉む、押すという徒手療法」と説明できるでしょうか。つまり世間で認識しているマッサージは私のような「あん摩マッサージ指圧師」からすると、それはマッサージではありませんよ、按摩ですよ、という気持ちになります。
当院のコースも敢えて”按摩指圧”としています。マッサージと表記した方が分かりやすいのですがマッサージは”オイルマッサージ”という表記にしています。
しかし一般の方々には「按摩」という言葉を耳にする機会は少ないと思います。
私の世代ですと「電気アンマ」が男の子の遊びに必須でしたが、今の子どもはするのでしょうか?
以前に(当時)SMAPの草彅さんが按摩師の役を演じた映画「山のあなた ~徳市の恋~(2008年公開)」がありました。これらくらいしか世間一般で按摩という言葉が出回ったことがないかと思います。
歴史的に視覚障害者の生業であり、通常視力の者が資格を取ることを制限しているため、資格取得者が鍼灸師や柔道整復師、理学療法士などに比べると少ないのです。
また過去に視覚障害者ができる仕事は按摩師くらいしかなかったため、按摩師=視覚障害者=全盲=〇くらといったイメージで、「あんま」という用語自体が視覚障害者を侮蔑する言葉だとされ、放送禁止用語になっているという話も。
もちろんきちんとした意図があれば地上波放送でも按摩師という言葉は使われます。
按摩をカタカナで表すとマッサージとなり(蹴球とサッカー、野球とベースボールみたいなもの?)、按摩と表記せず「マッサージ」としてしまうことが多々あります。
しかし歴史的に見た場合、日本初の法律である大宝律令(西暦701年制定)の医疾令に記載されている、古くから国に認められたものなのです。少なくとも1300年に渡りこの国に息づいてきた職業なのです。
按摩の技術的な特徴を述べると、主となる技術が揉捏(じゅうねつ)というものになります。揉捏とは簡単に言うと「筋肉を揉む技術」です。按摩において最も使う技術が揉捏であり、たくさんの揉捏技術があります。
また手技を行う方向が原則として遠心性になります。遠心性とは心臓から末端に向かう方向という意味です。なおマッサージは求心性といって遠心性とは反対に進みます。
求心性に行うのは自律神経の副交感神経が有意になる(つまり筋肉が緩み、体がリラックスする)ためと言われています。指圧も同じ遠心性に行います。
按摩が大宝律令の頃から認められていると書きましたが、発祥は中国と言われています。中国から日本に伝わり日本でまた独自の発展をしていきました。古法按摩と言われるものがあり、今でも吉田流按摩は東京医療福祉専門学校で継承されているといいます。
私は患者さんに自らの手で触れる、手当てを大事にしていますから按摩というのは自分の治療に欠かせません。
指先によって体の状態を感知し、そのままダイレクトに刺激を与えることができるため、治療以前に触診も兼ねた素晴らしい技術だと考えています。
あなたの治療方法で何が一番お勧めですか?と聞かれたら、一般的にはこの按摩を勧めます。
甲野 功
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