～産褥期～

産褥期という言葉を御存じでしょうか。産褥期とは、出産後約６～８週くらいの妊娠前の体に戻る時期。お産を経験した方はよくわかると思います。男性側からすると出産の大変さは傍から見ても理解しやすいのですが、出産して退院してからの産褥期のことはあまり知られてないように思います。初産を経て身体はこんなに衰えるのだ、と私の妻は実感したそうです。もともと腰痛の既往がありましたが沐浴の練習で動けなくなったとのこと。出産をした当人がこれなのです。想像を超えていたということ。夫側はなおさら産褥期を実感できません。また、一般的に時代背景が現在と異なるため、実母をはじめとした周囲の声に苦労することがあるようです。身体を休めているときに、「私の頃はすぐに家事をしたわよ」と言われたり。基礎体力が落ち、出産の高齢化が進んだ今とでは状況が違うと思いますが、実際の体験談なので反論しづらいでしょう。

ママさんは出産という大仕事を終えたあとに、授乳、沐浴、抱っこ、寝かしつけといった育児をこなしていかなければなりません。体も気持ちも大きな負担です。産褥期の身体のケアが大切なのだと、自らの子どもが産まれてから知りました。それまで出産後の骨盤矯正や母乳が良くでるようになるお灸といった知識・手法は知っていましたが、実際の状況を目の当たりすると、予想していたよりも大変でした。赤ちゃんが側にいる状況で何ができるか。思い通りにいくことは少なかったです。

出産、育児に携わることは大きな経験となっています。身近に妊婦さんや出産した方をみると、以前とは気持ちが違います。産褥期に無理をするとあとあと身体に響いてくるとのこと。産褥期のママさん達の治療およびケアに取り組んでいければな、と思います。

甲野　功

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