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7月31日付読売新聞に“無資格マッサージ被害相談増”の見出しで記事が掲載されました。
この問題は業界に存在する大きな問題の一つです。なかなかいわゆるマッサージを利用する一般の方には理解しづらいことなので複数回にわけて説明してみたいと思います。1回目は資格についてです。
日本において、法律で制定する、マッサージを行える資格は『あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律(昭和22年12月20日法律第217号)』で規定する「あん摩マッサージ指圧師」となります。日本というと語弊があるかもしれませんので、正確に表現すれば、厚生労働省が管轄している資格がこれにあたります。もう少しいうと厚生労働省が、医師以外でマッサージを行うには免許を与えて免許を持たない場合はその行為を禁止している、ということになります。この場合の免許とは、“一般に禁止・制限されている行為を特定の人間に対して許すこと”という意味です。先に挙げた法律には免許を持たずマッサージを行った場合は50万円以下の罰金刑にするとしています。
記事でいう無資格マッサージとは、この厚生労働省が認可するあん摩マッサージ指圧師の資格を持たない人間によるマッサージ、ということを言っています。さらに民間資格と呼ばれるものの存在があります。あん摩マッサージ指圧師は厚生労働省管轄の国家資格でありますが、それ以外に国が管理をしない民間団体が制定した資格が存在します。例えば○○協会認定△△セラピストのようなものです。この業界のことをきちんと知らないで民間団体の専門学校に入り、技術を習得し、「資格」を得たと思い、マッサージをしている例も実際にあります。そうなると行っている本人は資格があると思って行っているため、利用者さんに資格はありますよ、と話すことでしょう。もちろん法律を分かった上で、民間資格を持っているが国家資格は持っていないことを認識して行っている場合もあります。
当の私は元々民間の整体学校から始めていて、当初はここら辺の内容をさっぱり知りませんでした。利用される方もあまり意識せずに巷の治療院、マッサージ院、整体院、整骨院を利用しているのではないでしょうか。
国家資格を持った人間は、通常民間資格を持った方を無資格者と認識しています。もちろん民間の専門学校にも行かずマッサージを行っているような例もあるでしょう。なので「無資格」という言葉にも色々段階があるということを知っておいてもらいたいです。
甲野 功
※参考までに法律の文面を抜粋して記載しておきます。一部省略しております。
あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律
(昭和二十二年十二月二十日法律第二百十七号)
最終改正:平成二三年六月二四日法律第七四号
第一条 医師以外の者で、あん摩、マツサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マツサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない。
(略)
第二条 免許は、学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)第九十条第一項
の規定により大学に入学することのできる者(~略~)で、三年以上、~略~、文部科学大臣の認定した学校又は厚生労働大臣の認定した養成施設において解剖学、生理学、病理学、衛生学その他あん摩マツサージ指圧師、はり師又はきゆう師となるのに必要な知識及び技能を修得したものであつて、厚生労働大臣の行うあん摩マツサージ指圧師国家試験、はり師国家試験又はきゆう師国家試験(以下「試験」という。)に合格した者に対して、厚生労働大臣が、これを与える。
(略)
第十二条 何人も、第一条に掲げるものを除く外、医業類似行為を業としてはならない。ただし、柔道整復を業とする場合については、柔道整復師法 (昭和四十五年法律第十九号)の定めるところによる。
(略)
第十三条の七 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第一条の規定に違反して、あん摩、マツサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業とした者
(略)
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