開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
※このブログでは手技療法全般という意味でマッサージという言葉を使います
弱い刺激で行うマッサージはとても難しく、それがマッサージの真髄なのではないでしょうか。
私が民間資格資格のリラクゼーション学校で揉み方を習ったときのこと。最初はとにかく強く押せるようになることが優先されました。体重移動、押す方向、押す場所など技術が必要ですが、何より強い圧に耐えられる指を作らなければなりません。受ける相手に「効かないな」と思われないように。
もともと腕力が無い私は、当時握力が左右それぞれ17kgしかありませんでした。それが鍛えたこともありますが、利き手50kgまで増えました。とにかく強く押せなければ話にならないと必死に鍛えたものです。
代償は当然ありまして、毎朝親指が痛くて氷水で冷やしていたものです。それから耐えられる指ができてきて、押し方や押す場所が分かってくると、痛くなることは無くなりました。
ある程度経験を積むと、あるとき言われた言葉が現実味を帯びてきます。
「弱いマッサージが難しい。そして大切。」
強く押すのはある意味簡単かつ単純なこと。指がダメなら肘を使えばいいし、棒や消しゴムを仕込んで背中腰を押すという裏技も教わりました。しかし、弱い刺激で効果を出し満足させる方がはるかに難しく大切なことだというのです。
ここ数年でベビーマッサージや美容に関する顔への手技、そしてリンパ浮腫療法(LT)らの講習を受けた際に力を入れすぎてしまうことに気付いたのです。もう無意識に圧を掛けてしまっていました。本人は全く強くしている気は無いのに、力が入りすぎと注意される。技術の未熟さを知りました。臨床に出て10年も経っているのに。
圧が強くなってしまう理由は指に余計な力が入っているからです。指を繊細に使いきれていない。また体重移動や重心移動が甘いためでもあります。静脈は動脈に比べて体表面にあるので強く押さなくてもアプローチできます。むしろ強く圧を入れることで別の組織に強く影響してしまいます。リンパもそうですが血圧が動脈に比べるととても低く、能動的に中枢に戻る機能がありません。弱い圧でマッサージをするには手の感覚をとても研ぎ澄ませておkないといけません。その自覚がありませんでした。
弱い力(正確には繊細な圧)でマッサージを心掛けるようになったのは本当にここ最近です。つい先日も妊婦さんの下腿浮腫に対して行った際に、方法を変えたら今までの手の使い方をするより効果が高い結果になりました。
弱い刺激でも効果があるマッサージをしっかりできるようになりたいものです。
甲野 功
コメントをお書きください