開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
「さらし」を御存知でしょうか。晒と書きます。平たく言えば白くて長い布のこと。任侠映画で登場人物がお腹に巻いていたり、お神輿を担ぐ担ぎ手がお腹に巻いていたりするあれです。出産経験がある女性ですと、妊婦が戌の日にお腹に巻いて安産祈願をするということで、さらしを認識しているかもしれません。 このさらしを治療に使う場合があります。長さ一反(9m)のさらしを縦に半分に裂いて巻くと、2裂さらし包帯ができます。
※包帯の幅は○裂とよんで区別します。幅約30cmのさらしを2つに裂くから2裂(幅15cm)。3等分に裂けば3裂(幅10cm)。以下4裂(7.5cm)、5裂(6cm)と幅が細くなります。母校の柔道整復科では、授業でさらしを裂いて包帯を作ることからやらされます。
これを臨床では、急性腰痛(いわゆるギックリ腰)の際にコルセット代わりに巻いて固定する場合があります。コルセットと違って巻く位置や締め具合を体格・症状(痛みが出る部位、体位)に合わせて微調節できることが利点です。反面、扱いが面倒であります。通常の包帯巻き器では3裂までなので、2裂さらし包帯は手で巻かないといけません。綿包帯を使ったことがある方なら分かると思いますが、きつくしっかり巻かれていない包帯は上手く患部を巻くことができません。手できつく巻きあげることは練習が必要です。また洗濯した後は、皺を取るために一度湿った状態で巻いて干さなければなりません。かつて鍼灸整骨院で修業しているときに、2裂さらし包帯が上手く巻けず何度もやり直しをさせられた経験があります。
今このさらし包帯が役立っています。妊婦の妻が骨盤を安定させるベルトをしているのですが、汗で皮膚がかぶれてしまい、痒くなってしまいました。そこでさらしを巻いてあげると痒くなく微調節できるので助かるというのです。私としては最近あまり使うことのない螺旋帯、折転帯、亀甲帯といった包帯技術を復習できる機会にもなっています。
様々な便利なグッズがありますが昔ながらのローテクな器具も使いようだと思います。
甲野 功
コメントをお書きください