開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
人間が二本足で歩行すること。実はとても精密な身体の作りが成し遂げています。
専門学校時代の講師の言葉です。
『二足歩行を人工的に作ることは原爆を作ることよりも人類が月に行くことよりも難しかった』
二足歩行はとても繊細で素晴らしい能力です。
私の長女は一歩を出すのに1年と4ヵ月くらいかかりました。人間はたった一歩を出すのに長い期間を要します。
リハビリの中にとても重要なことが歩行訓練です。立位訓練は自力歩行をするためにあるとも言えます。以前書いた大腿骨頚部骨折の患者さんはもちろん、脳梗塞後の後遺症のある方やパーキンソン病の方などに、歩行訓練のお手伝いをする機会がありました。
立位訓練の場合と同様に歩行訓練においても、競技ダンスの経験が私にっととても大きな影響を与えました。もちろん良い意味で。
ダンスの師匠である坊迫先生は
「ジャッジは歩く姿からその選手のレベルを推測する。入場から勝負は始まっている。」
と教わったものでした。
ダンスの基礎としてウォークという、歩く基礎練習があります。モダンウォーク、ラテンウォークとあり、種目ごとにタンゴウォークやルンバウォーク、チャチャウォーク、サンバウォークなど分かれていきます。
ダンスの基本はまず歩くこと。歩くことができれば踊ることができると言われます。
そのため、立ち方の次は歩き方をひたすら研究することになります。
私は現役時代、ステップのことばかり意識していて、腰を据えてウォークを考える暇はありませんでしたが、専門学校に入り運動学を学び、歩幅、歩隔、歩容、踵接地、つま先離地など細かい学術的なことを習うことで、それまでの実践と理論がひとつに噛み合ってきました。
いまだに歩行、ウォークというものは私にとって分からないことが多いです。
二足歩行という能力を再度獲得するためにも、より高いダンスパフォーマンスを実現するためにも、重要なものです。
たかかが歩く、されど歩く。奥が深いです。
甲野 功
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