開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
整体の専門学校で基本を学ぶと、付属施設で研修が始まりました。実際に料金を支払うお客さんに「マッサージもどき」(ここは敢えて“もどき”という表現を使います)をします。低い割合ながら歩合もつき、初めて自分の技術でお金を手にした瞬間でした。整体の学校は卒業が決まっていないため、当時は整体プロ科を修了しても追加でタイ古式マッサージ科や他の特別講習を受けていました。付属施設で実地研修と小銭を稼ぎながら、追加で勉強する日々が短い期間続きました。そこから、学校の生徒から募集をしているお店があるから来ないかとお誘いがあり、バイトとして働くことになりました。
最初に働いた場所は東京神田駅近くのリラクゼーション店でした。午後2時から夜10時くらいまでだったと思います。研修ではなくスタッフとして現場に立った瞬間でした。整体専門学校に通っている時点で、国家資格の専門学校の受験を想定していたので週2日くらいから始めました。このお店が経営難になり、別のリラクゼーション店グループの傘下に入ることになり、中野区野方にある支店に移りました。更に人数が足りないときは新橋の本店にもシフトが入るようになりました。
結局、鍼灸専門学校の3年生まで、足掛け4年ほど3店舗のリラクゼーション店で実践を積んだことになります。リラクゼーション店では問診なんてものはほとんどありません。会話もほぼありません。基本疲れを癒しに来たお客さんを気分よく休ませて、あわよくば寝てもらうことが重要です。現在の私では考えられませんが、ほぼ60分無言のままということが多々あります。
そこで磨かれるのが手技技術そのものです。
人柄や話術、ためになる話題などの要素が全くなく、ただただ技術のみで勝負します。手技のみで、また来てもらう、指名をもらう、という目標を達成しなければいけません。途中、別の人に替われと言われたり、もっと力を入れろと注意されたり、余計な場所はいいから言われたところだけやれと命令されたりと大変だったこともありました。
また、会話があまりないため、指の感触や相手の呼吸、力の脱力感などから、状況を類推する力がつきました。「筋肉と会話する」という表現になるでしょうか。身体がほぐれていく過程がわかります。全くリラックスしていないなと察したり、体つきや筋肉の質から運動経験者かどうか予想したりする力がつきました。ただ身体が「かたい」にも色々タイプがあると身を持って知りました。
そして、連続で長時間マッサージもどきをする、体力がつきました。そして手の抜きかたも。60分のお客を連続4人なんてことがありました。単純に4時間ずっと揉んでいるわけです。それだけの体力もつきましたし、どのように手を抜いてこなすかも実践で学びました。疲れてくると居眠り運転のように居眠りマッサージができてしまいます。この頃は治療する手技を知りませんでした。とにかく、お客を寝かせることが第一。寝かせる技術はそうとう磨かれたと思います。時間は流れて、いま子どもを寝かしつけるのに役立っています。
リラクゼーション店から始まった経歴は、最初から治療の現場に入るより視野を大きくすることができました。
※~経歴 専門学校受験編~ へ続く
甲野 功
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