開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
2012年春に東京医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成科入学と同時に出張治療専門で独立開業しました。開業には、雇われ院長として開業する例もあります。独立には、雇われる立場ではなく金銭面で誰からもフリーになる独立もあります。私は独立してかつ開業しました。独立してフリーで行うということは、資金援助を受けずやっていくこと。開業するということは方針から治療実務まで全て自ら行うことを意味します。
子供が1月に生まれたばかりで、学生をしつつ開業するには厳しい環境。それでもせざるしかなかった理由がありました。子供を保育園に入れるためです。保育園は当たり前ですが両親が働いていないと入ることができません。保育要件を満たさないというものです。巷で知られている通り、希望保育園に入ることは簡単なことではなく、0歳から入れないと入園が困難なのです。妊娠中から保育園の見学、調査をして区役所に仮申請、出産したらすぐに出生届と同時に本申請を行って、奇跡的に第一希望の園に受かることができました。父親が学生の場合、就労しているとは言えないので、保育要件を満たさないため保育園から退園することになります。そのため、学校に通っている時間を除いて働いて、かつ1日の就労時間をカバーする方法は自営業としてやっていくしかありません。そのため、準備もろくにしないまま独立開業することになったのです。
一番の問題は自営業として経営をしていくことでした。専門学校では開設届といって保健所(出張所)への申請方法は教えてくれますが、税務署に申請する開業届のことは教えてくれませんでした。自営業として何が必要なのか調べることから始めました。税務署のホームページで資料をダウンロードし読み込み、治療院経営の書籍を買って独学で勉強し、書類の作り方を聞いたりして、何とか始めました。当時の記録を見ると、開業した月(実質半月)で売り上げゼロ。翌月は売り上げ3000円。30代妻子持ちとは思えない数字です。初めての子育てに、新しい学生生活に、意識が行き過ぎてほとんど何もしない開店休業状態でした。一切宣伝広告など行っていませんでしたし、できません。夏の頃になって少しずつチラシ、ホームページを整備し、自転車、プリンター、往診バックなどを用意しました。当初の宣伝広告はほとんど妻が行ってくれて、チラシもホームページもひな形を作ってくれました。現在のあじさい鍼灸マッサージ治療院のリーフレット、ホームページの原型はこの頃妻が作成したものです。
売り上げが芳しくないことは、始める前から承知していたこと、半ば割り切っていました。子供の入院もありましたし、育休期間だと考えるようにしていました。正直、私が仕事をするより、育児家事をしてくれた方が家庭としては良かったとも言えました。
売り上げ以上に悩みの種が確定申告です。確定申告に必要な書類を作る準備として、日々のお金の流れを全部記録していきましたし、どんな書類が必要なのかも事前にある程度把握していました。が、本当にこの経営の数字を見るのが苦手です。確定申告前の1月、2月は資料をまとめるために頭を悩ませ、体調不良に陥りました。そんなときに手を差し伸べてくれたのが教員養成科の先生であり、知り合いの税理士さんを紹介してくれました。今でもお世話になっておりますが、この税理士さんのおかげで確定申告作業を乗り越えることができました。
元々開業志向は全くありませんでした。その大きな理由が経営業務をしたくなかったからです。特にお金に関して。独立開業するということは資金の流れを把握し、何に投資し、結果を分析し、次の試作を決断する、ということ。その経営者として当たり前のことをしたくなかった。術者として治療をすることだけがよかったのでした。状況が否応なしに自営業の道を進ませました。教員養成科時代の2年間が準備期間となり、2014年の5月には治療院を開院することができました。正確には開業は2012年で屋号を変更した形です。保健所には廃業届を出して同時に開設届を出したことになります。
この画像は、出張治療のチラシ用に撮影したもの。今のように紫陽花が咲いている時期で、敢えて紫陽花と娘を入れたものです。撮影したのは妻です。4年前に無理に自営業として始めたときから支えとなってくれています。
※~経歴 大学病院編~ へ続く
甲野 功
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