開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
2012年1月に長女が誕生し、その後勤めていたクリニックを退職して、4月から東京医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成科に通い始めました。教員養成科はその名前の通り鍼灸専門学校の先生になるための教員免許を取得できる科であり、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師もしくはその両方の国家資格を持った人間でないと入学できません。2年間学校に通い、決めれら単位を取得し、臨床経験を積み、卒業研究を行った上で論文作成と研究発表を経て、卒業となります。
教員養成科に入る5年前の鍼灸マッサージ科3年生のときにも、教員養成科の説明会が学校でありましたが、当時は自分が行けるような場所ではないと思っていました。実際に私よりも成績がずっと良い2名が進み、1名は試験に落ちて別の学校の教員養成科に進みました。とにかくレベルが高い場所という印象でした。
5年間のあいだに、臨床経験を積み、柔道整復師の学校に通い免許を取得、職場を変えてきました。もう「学校行って勉強するか」という単純な気持ちはなくなっており、≪自分の商品価値を高める≫ことを考えていました。教員免許という資格はもちろん、知識、経験、人脈、肩書、と2年間という時間と高額な学費を投資して、見合った価値を得るつもりでした。30代半ば、子供も産まれて、悠長な気持ちはありません。それまでの学生生活とは意識が違っていました。家庭の方は子供の世話と家事があり、個人としては独立開業。そこに学業が入ってくるわけで生活はかなり厳しかったです。
入る前から希望していた東洋医学については、経絡(伝統鍼灸)と中医(中医学)との違いをここで初めて認識し、それまで漠然と理解していたことが明確になりました。生理学実験という本格的な、生物や器具を使用した実験を行い毎週レポートを作成します。東京理科大時代を思い出すくらい本格的でした。元々得意だった徒手手技(按摩やマッサージなど)も矯正、AKA、オイルマッサージ、按摩、操体法とその道の第一人者の講師が来てくれました。外部でセミナーを受けたらとても高額になることでしょうし、まず受けることもままなりません。鍼灸という分野ひとつとっても、婦人科系、美容系、古典系、経絡、中医、現代系、各流派と様々な手法を知ることができて引き出しが一気に増えました。
治療系の授業以外にも、コミュニケーションのためのスピーチ、教育技法、教育史、心理学、開業手法などを学び臨床家として教員として経営者としての準備を教員養成科で済ませることに。
人脈としては業界の先頭に立つ一流の講師陣と接点ができたのはもちろん、同期、先輩、後輩と3代の繋がりができました。現在第一線の人、これから活躍する人。臨床の世界、教育の世界、研究の世界、三分野で知り合いができたことは今後とても大きいことです。
その2年間はとても充実した、長くて大変な時間でした。卒業を目前としたとき、クラスメイトも先生方も「早いねえ」と話していましたが、私は全くそんな気持ちがありません。どうにかしなきゃ、どうにかなるかな、という焦りばかり。子供も小さくて入院もしましたし、深夜に病院に連れ行くことも片手で足りないくらいありました。仕事は初めてのことばかりで試行錯誤の連続。
学生生活を楽しむ余裕はほとんどありませんでしたが、あの2年で本当に自分が変わったし変われたと実感しています。教員養成科を進むことを後押ししてくれた妻には本当に感謝しています。
通過点 passing point やっとここから
卒業を前に一人ひとりが紙にメッセージを書く企画があり、そのとき書いた言葉がこれでした。教員養成科は通過点で卒業からやっと始まったこの道はまだまだ半ばです。
※~経歴 大学病院編~ へ続く
甲野 功
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