開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
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住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
リオデジャネイロオリンピックが閉幕しましたね。
今大会は当時過去最高を記録したロンドンオリンピックを越える41個のメダルを獲得しました。金メダルの数も2桁となり、スポーツ強豪国になっていることがうかがえます。
これからパラリンピックが開催され、そして4年後には東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。これからの4年間は日本にとって、東京都にとって大きな変化があることでしょう。
オリンピックが開催されると必ず鍼灸関連のことが静かに報道され、鍼灸師業界が色めき立つという現象が起こります。
今大会では競泳のフェルプス選手が吸玉(カッピング)をした跡が話題となりました。吸玉とは何かと紹介し、うちでもできますよ!と宣伝している鍼灸院が見受けられました。
前回のソチオリンピックではフィギアスケート金メダリストの羽生選手が置き鍼(円皮鍼)をしていたことが、業界内で話題になりました。
世間一般にはまだまだ認知されていませんが、オリンピック選手のサポートに鍼灸技術が用いられることは確かです。もちろん按摩マッサージ指圧師、アスレチックトレーナー、柔道整復師なども参加していることでしょう。
次期東京オリンピックでは、より鍼灸師の活躍が期待されると予想しています。
世界大会ならば当然ですが、オリンピックになるとより厳しくなるのが、ドーピング問題です。今大会もロシアの国家的ドーピングが問題となり、危うくオリンピック出場停止になりかけました(※パラリンピックは参加停止に)。
ドーピングと一言で済ませられるほど単純ではありません。様々な成分が対象になっています。
ステロイドや男性ホルモンといった分かりやすいものは当然ながら、市販の風邪薬の成分や発毛剤の成分でもドーピング対象になることがあります。そのためオリンピック選手は安易に薬を飲むことは許されず、口に入れるものを厳しくチェックしないといけません。抜き打ちの尿検査で陽性反応が出てメダル剥奪というケースがありますから、神経を尖らせます。
そういった状況で、選手のコンディションを整える手段として鍼灸が用いられるわけです。軽い風邪、不定愁訴、公になることはまずありませんが生理痛をはじめとした月経困難症。こういった問題に対して薬効を用いず対処する鍼灸技術は重宝されることでしょう。
ドーピング問題を気にせずに行うことができますから。
実際にオリンピック選手に鍼灸師が帯同しています。
(※鍼灸師がというよりも、鍼灸師の資格を持つトレーナーがという表現になるかもしれません。鍼灸だけでなく、アスレチックトレーナー、柔道整復師、あん摩マッサージ指圧師などの資格を複数持つスタッフがいるでしょうから。)
これが次期東京オリンピックになると、自国開催のメリットを大いに活かし、今まで以上に鍼灸師が関わる機会が増えそうです。
オリンピック開催国まで人を帯同するとなると、渡航費、滞在費、人件費とかなりの金額になります。当然限られた予算では連れていける人数は限りがあります。
これが東京開催となれば、東京および近郊在住の鍼灸師であれば渡航費も滞在費もかかりません。今まで予算がなかったマイナースポーツでも、経費が少なく済むことで、体のケアを受けることができそうです。
期間中に選手村に入れないとしても、出場選手は極力東京の暑さに慣れるために東京での練習を早めに行うことが予想されるので、鍼灸師にかかる機会は増えるのではないでしょうか。
別の面からみてみましょう。鍼灸師が海外に行くときの問題点です。
まずは飛行機での荷物チェック。鍼通電に使うパルスジェネレーターが爆弾起爆装置と疑われることがあるそうです。そして海外ではお灸の煙がドラッグをしていると勘違いされることもあるそうです。こういった問題が国内開催では起きないでしょう。
先日、地方の鍼灸専門学校で教員をしている方と話す機会がありました。その学校では、今学校に入学すれば東京オリンピックまでに資格が取得できるということで、入学者数が増えているそうです。スポーツ鍼灸という言葉ある通り、スポーツトレーナーの分野に鍼灸を活用したい人は少なくありません。鍼灸界も東京オリンピックに向けて盛り上がることが予想されます。
東京オリンピック開催に関して、否定的な意見があります。
近年多くの開催国がオリンピック終了後に経済危機や情勢不安に陥っています。東京一極集中が進むだとか、その資金を復興支援に回せ、という声もあります。
それでも私は、恐らく生きているうちに二度とないであろう、東京開催のオリンピックに、東京都民として、東京で開業する鍼灸師として、大きな期待を持ちチャンスだと思っています。
これから間違いなく人口減少が進む日本の受診率が数%という鍼灸分野において、大きな変化をもたらすイベントになることでしょう。
2020年前後までに鍼灸がクールジャパンの一つになることを願っています。
甲野 功
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