開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
実用書(ビジネス、接客接遇、経営、経済、自己啓発、など)の本をよく買います。
その際に選ぶ基準は本屋にある本を手に取ってさっと眺め、ためになりそうなものだと直感で感じたものです。本のタイトル、カバーデザイン、本文の色使い、価格、書店のランキングなどを見ていて著者が誰かは意識しません。つまり、この著者の本だから読もうと思わず、その場の雰囲気で購入するのです。もしも買ったのは失敗だったと思ったら、すぐにリサイクル店で売ってしまいます。そのため原則ブックカバーを付けてもらい、綺麗に扱います。なるべく高く売れるように。それでもわずかなケースで、著者の考え方に感銘を受けて、その著者の本だから、と購入することがあります。その一人が森岡毅氏です。森岡氏はP&Gからユニバーサルスタジオジャパン(USJ)に転職し、低迷していたUSJを絵にかいたようなV字回復させたマーケティングの専門家です。本屋で平積みされていて、気になり手を取ったのが「USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門」でした。開業してから、マーケティングの勉強することが必須と感じていた私は何冊も関連本を読んでいました。そのどれもがイマイチしっくりこないというか、状況が違うというか、腑に落ちないものでした。マーケティング本で初めて、これは!と思える一冊で、私としては珍しく森岡氏の著作を更に2冊購入したものでした。
独立開業する前から分かり切っていたことでしたが
どうやって患者さんに足を運んでもらえるか
それが課題でした。
臨床に出て10数年、国家資格を取得してからもう少しで10年が経ちます。患者さんを前にして、何をして、何を与え、何に気をつけていくか、といったものは理解しているつもりです。完璧は無いので今後この仕事を続ける間ずっと臨床について研究、改善しなければいけませんが、ど新人というわけでもないわけです。開業するにあたって問題なのは、資金繰りや確定申告といった経営面と患者さんを呼ぶ集客面です。幸い教員養成科に通いながら出張専門で独立していたので、2年間で経費の計算や確定申告のやり方などは習得する時間がありました。集客面が一番の問題であり、まだまだ解決しない問題です。
この集客面の問題を解決するうえで決めていることがあります。それは外部に委託しないこと。開業してから山のようにHPを作成します、集客のアドバイスをします、コンサルタントします、といった営業電話がかかってきます。どれも断ります。自ら試行錯誤して学ぶものだと考えていますし、一人で経営するから試行錯誤する余裕があるとも言えます。もしも従業員を雇う業態にしていたら違ったかもしれませんが、今は必要ないと考えています。修業した鍼灸整骨院で経営コンサルタントが入り、苦労した過去も関係していますが。
マーケティング関連の本を読んだ際に思ったことは、多くの著者がコンサルタントだな、ということ。世界一と言われるマッキンゼー出身者の本も何冊か読みましたが、自分が置かれた状況と違い過ぎて違和感がありました。それが森岡氏はコンサルタントではなく、一社員としてマーケティング部門責任者として実務に臨み成功しました。そこに近親感がわきました。また製造業ではなく、サービス業であるテーマパークが現場というのも、私の状況に近いと思いました。モノ(製品)ではなくコト(体験)を売るという視点が重要でした。
森岡氏が書いた内容で一番ためになったことが戦略と戦術の違いです。日本人は元々戦術面がずば抜けて高くて、素晴らしい現場力で成功を収めてきた。反対に戦略面に関しては欧米人がずっと強く、日本人は不得意であった。戦争で言えば戦略は戦い方で、どこで、誰と戦かうのかを示し、担当者は指揮官になります。戦術は戦場でどのように戦うかで、担い手は最前線の兵士。簡単に例えるとこんな感じでしょうか。作戦は大して素晴らしくないのに、個々の兵士が異常に強くて頑張って戦局を覆すことが日本人は得意。企業においても、部品1個まで研究して高性能商品を生み出し、かつては世界を席巻した日本企業。欧米が色々研究したものの、蓋を開けてみれば「とにかくやったら何とかなるだろうと思った」というほぼ無策のカミカゼ作戦だったという。マーケティングや経営戦略の本を読んでいても、戦術と戦略を区別して考えていなかったことがよく分かりました。だから何を学ぼうとしているのか不鮮明だったわけです。
これまでの私は臨床現場での能力という戦略重視でやってきて、戦略面を疎かにしていたのです。その事実に気付かされただけでも本を買った価値があるというものです。
処分しない書籍、注目する著者として、これからも森岡氏から学んでいこうと思います。
甲野 功
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