開院時間
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接骨院で一番受けたい施術は何ですか?というアンケートを20~30代の男女にとったという記事が出ていました。
<やわらbizジャーナル 2016/7/14 接骨院で一番受けたい施術は何ですか? 1位は「●●矯正」!?>
この記事によると接骨院で受けた施術は
1位:骨盤矯正(35%)
2位:肩こり矯正(22%)
3位:産後骨盤矯正(11%)
4位:背骨矯正(10%)
5位:眼精疲労マッサージ(9%)
6位:肩甲骨はがし(4%)
7位:フットマッサージ(4%)
8位:自律神経調整(3%)
9位:O脚矯正(2%)
ということでした。
以前、整骨院は何をするところ?というブログを書きましたが、このようなアンケート結果をみるともう愕然とします。
まずアンケート項目が、もう私の知っている接骨院の業務内容ではありません。
かつて「骨接ぎ」と呼ばれた柔道整復師が本分とする(今のところ本分であるはず・・・)外傷治療は一切入っておりません。
柔道整復師を養成する専門学校がこの結果をみたらどう思うのでしょうか。3年間の多くを柔道整復学という外傷治療に費やす専門学校。教科書に骨盤矯正、肩こり矯正など載っていません。国家試験にも出てきません。
そもそも、肩こり矯正に自律神経調節、これらはどのような手技でしょうか?。
眼精疲労マッサージもフットマッサージも按摩マッサージ指圧師の領域です。
矯正がたくさん入っていますがこれらは民間資格の整体師が得意とする分野でしょう。
接骨院で実際に働いている従業員は柔道整復師なのでしょうか。
何かもう、やったもの勝ちのような結果です。
ただし、個人的にアンケートの方法に疑問点がいくつかあります。
20代~30代の男女100人では世代が限定でN数(アンケート回答者数)がそこまで多くありません。そして特定の集団にアンケートを取っているように思えます。どのような方法でしたのでしょうか?。
例えば私はこの業界に10年以上いますが、「肩こり矯正」がそこまで一般的とは思えません。私は初めてこの言葉を知りました。今の今まで誰かに肩こり矯正できますか、と聞かれたことはありません。誰にアンケートを取ったのか知りたいところです。
そういった疑問を差し引いても、業界のウェブサイトで出した記事である以上、ある程度現実を見せているとは思います。
3年間、柔道整復師専門学校で基礎学問(解剖学、生理学、病理学、運動学など)を学んだうえで、脱臼の整複操作、包帯固定といった応急処置の実技を習得し、外部講師の監督のもと実技認定試験および厚生労働省管轄下の国家試験をパスした身としては、正直なところ悲しいです。
アンケートに出てきた項目は全て患者さんのためになるだろうし、ニーズがあることでしょう。しかしながら、それを売りにしなければ接骨院はやっていけないかな、と思ってしまうのです。きちんと外傷の対応ができた上でのことならいいのですが。20代~30代ならば外傷が少ないとは思えませんし。
そして、世間は接骨院にはそのような外傷治療を求めていないということなのか、と。かつて柔道整復師資格を取得したルーキーの年に、整形のあるクリニックで働いたときのことです。職場で同じ医療従事者である看護師に、柔道整復師は何の仕事をするか分かりますか、と聞いたところ、マッサージをする人でしょ、と答えられて悲しくなりました。お年寄りに包帯固定をしていたら、看護部のする仕事をさせられていて可哀そうね、と言われて情けなくなりました。
そのうち接骨院はケガをして行くところではない、と認知されてしまうのでしょうか。柔道整復師は骨盤矯正をするひとになるのでしょうか。学校で習う内容と実務が乖離しているように思います。
甲野 功
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