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~誕生日~

あじさい鍼灸マッサージ治療院院 誕生日に家族からもらったケーキ
誕生日に家族からもらったケーキ

 

 

本日12月2日は私、甲野功の誕生日です。ちなみに、今日は金曜日ですが、生まれた昭和52年(1977年)の12月2日も同じ金曜日でした。朝からお祝いの言葉やメッセージを頂戴し嬉しく思っています。3日前には次女の誕生日でもありました。そして今月中に妻の誕生日があります。この時期は、個人的な誕生日と記念日が集まっています。

 

ここ最近は、誕生日に対する捉え方が変わってきました子供の頃はおもちゃを買ってもらえる、ケーキが食べられる特別な日でした。青年期は希望するプレゼントを貰えたたり、ちょっとした贅沢をする日。それが、40歳を目前とした今は違います。誕生日に対する認識を大きく変える出来事が二度ありました 

 

最初は鍼灸整骨院に勤めていたときこと。誕生日に来院された患者さんには必ず、誕生日おめでとうございます、とお祝いの言葉をかけるようにしていました。そうすると、特にある程度の年齢の女性に多いのですが、「また一つ年を取ってしまったわ。悲しいわよ。」と喜ばない方もおられました。こちらはカルテで生年月日を把握しているので当然ながら実年齢を知っています。それなのに年齢を隠すような、年を取りたくないわ、といった態度をするのでした。気持ちは分からなくもありませんが。

ある時、誕生日おめでとうと声を掛けて、あまり嬉しそうにしない患者さんをみて、かなり年配の別の患者さんが言いました。誕生日はあなたが生まれた日であると同時に、お母さんがあなたを生んでくれた日なのよ。お母さんに感謝する日でしょう。そんなニュアンスでした。年老いていくのが嫌だなあと嘆くのではなく、生んでくれた母に感謝をする。自分のことだけでなく、母親のことも顧みる。そのような考え方に、とても納得と感心。目から鱗が落ちる出来事でした。それからは、患者さんに誕生日をお祝いした時に、いい顔をされないときは、お母さんに感謝しましょうよ、と言うようになりました。
私は鍼灸マッサージ師であるので、逆子、つわり、産後の腰痛など、産前産後のママさんに関わることが少なくありません。この職場は専門学校を卒業して最初に就職したところでしたから、男性の立場でしかなかった(実感が無かった)出産に対して、治療という面から取り組むようになったことも大きかったと思います。

 

もう一つの出来事は、二人の娘の出産に立ち会ったことです。一人目のときは破水が先でなかなか陣痛が来ませんでした。陣痛室で鍼をしました。二人目は切迫早産で安静が必要になった上に逆子もありました。出産当日は分娩室で安産のツボ(経穴)を指圧して、仙骨部を軽擦しました。出産する妻が大変なことは当然見ていて分かりますが、生まれてこようとする赤ちゃんも必死なのだと感じたのです一人目は分娩台に乗ったらすぐに生まれてきましたが、必死に泣いていました。二人目は三度の逆子から正常位に戻っての自然分娩だったせいか、生まれたときにへその緒が首にかかっており、即座に看護師が外しているのを見ました。座学により、狭い産道を通るために頭蓋骨が割れていて出産時に小さくなって出てくること、赤ちゃん自身も締め付けられて大変であること、などは知っていましたが、本当に出産は母子ともに命がけである事実を、立ち合いすることで知ることができました。

 

本日の誕生日。当然、自分自身が生まれてくるときのことは覚えていませんが、今一度、命をかけて産んでくれた母親と必死に生まれてきた赤ちゃんの自分のことを想うようになりました

 

甲野 功

 

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