～地縁～

最近、本当に近所の患者さんが増えました。また面白いことに、近隣ではない患者さんでも地域に関わる共通の人間がいることがあります。

配偶者が昔この近くに住んでいて、私と同じ中学校だった。
以前、このそばに住んでいて隣の小学校に通っていた。
そもそも小学校が私と一緒で、姉は私と同級生だった。

他県や東京２３区外の方には”新宿区”と聞くと“新宿”をイメージするようで、歌舞伎町やアルタ前を想像するのでしょうか、凄い繁華街で開業したと勘違いされます。

生まれも育ちも開業した場所も新宿区ですが、細かく言うと牛込地区。それこそ、かつては「新宿区の秘境」、「新宿区のチベット」と言われた特に何もない地域です。フジテレビが移転した今、いわゆる住宅街であり、西暦２０００年以前の大江戸線が開通する前は特色のない寂しい街でした。

我が家が、この牛込地区に移り住んだのは、どうもひい爺さんの頃だそうです。断言しないのは、昔の事すぎて正確なことはよく分からないからです。ひい爺さんは幕末の生まれでしたから、相当前のこと。今住んでいる場所に来たのは祖父の代なのは確かです。戦後から今の場所にいるようです。

私は生まれてから一度も新宿区牛込の土地を離れたことがありません。なのでここが故郷です。
知らない人には新宿は人が住むところなの？と聞かれることもありますが、昔ながらの雰囲気が結構残っているものです。再開発で多くのものが壊され新しく建て直されました。それでも小学校、中学校、公園、公共施設などは私の子供の頃のまま。中学校に至っては父親も卒業しました。私が通った小学校も変わらず存在し、娘も通う予定です。

小さな頃は何も感じませんでしたが、東日本大震災があり、子供が産まれたことで、ここが私の故郷だと強く感じるようになりました。この地域に育ててもらった、そして、この地域で開業する、そういう気持ちになりました。

新宿区といえども近所付き合いはありますし、共働きだった我が家は近所の方にみてもらうことが多々ありました。これからは私自身が地域を守る立場になると考えています。

電車に乗ってわざわざ来てくださる患者さんにはとても感謝しています。それ以上に近隣で地域に住む患者さんが来てくださることが嬉しいです。近所が職場の人も同じです。
生まれ育った土地に縁のある方々に支えられて、そしてこちらが手助けさせてもらう。

大人になってから、妻子と近所のお蕎麦屋に入りました。店主に、「甲野さんのところの息子さんか。お父さんとは同級生なのだよ。」と言われました。
子供の頃、近所の床屋に入ったときも、店主に「甲野さんのお子さんか。もっと大きい子供がいると思っていたよ。おじちゃんはお父さんの同級生だよ。」と言われました。
どちらもやけに嬉しそうに話していました。

今になるとその気持ちがよく分かります。

将来、治療院に来た小さな子供たちが大きくなった姿を見てみたい。昔お母さんに連れられて来たのだよ、と話してみたい。地縁を大切に、長く続く治療院でありたいです。

甲野　功

電話　　：070-6529-3668

メール　：kouno.teate@gmail.com

ご連絡お待ちしております。

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