開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
あじさい鍼灸マッサージ治療院は住宅街の奥まった場所にあり、しかも2階にあります。エレベーターはありません。階段でのぼるしかありません。都営大江戸線牛込柳町駅南東口からは徒歩3分圏内ですから「駅チカ」と言えますが、そもそも牛込柳町駅自体がマイナーです(どこですかそこは、という声が多数)。大通りに面しているわけでも、商店街にあるわけでも、路面店でもありませんから、人目につきません。住宅街ですから近隣に住む人以外、あまり通らない場所です。開業する前からも開業してからも、自他共に認める、あまり立地条件が良くない場所にあります。院を始める前から分かり切っていたことですが、当初は本当に厳しいハンデを背負っているなと思っていました。それでも続けていくうちに何とかやりようがあるなと心境は変わっていきました。
そして、近頃考えるようになりました。良い立地とは何か。今2017年現在、牛込柳町駅の前にある外苑東通りは道路工事の真っ最中です。大久保通りと外苑東通りが交差する交差点付近に牛込柳町駅はあり、駅ができるずっと前から外苑東通りには商店街がありました。更にその前には、大久保通りを都電(路面電車)が走っていたそうです。牛込柳町駅が完成したのが2001年頃だったと記憶していますが、駅ができる前から近隣で商業が栄えていた場所が外苑東通りでした。子供の頃には、外苑東通りには柳町商店街と薬王寺商店街の2つがありました。幼い記憶をたどっても、結構活気があったと思います。八百屋、肉屋、魚屋、飲食店、喫茶店、本屋、床屋、酒屋、ゲームセンター、総菜屋、小料理屋、などなど。多くの商店が並んでいました。まだ昭和時代の個人商店が立ち並ぶ通りでした。それから松屋、ちよだ鮨、セブンイレブン、ブックオフにジョナサンといったチェーン店も増えました。近所で買い物をする、食事をする、といった日常のことができる商店街があったのです。
それが外苑東通り、および大久保通りの道路拡張計画が進むに連れて個人商店はどんどん立ち退きを迫られるようになりました。何年もかけて馴染みのあるお店が立ち退き、建物は建て替えられていきました。建て替わったものの多くはマンションでした。割と前から建て替えたマンションは1階、もしくは2階まで商業施設にしているところがあったのですが、近年できるマンションは全て居住スペース、もしくは駐車場。商店が消えて道となり、道なりに高いマンションがそびえる光景が出来上がっていきました。道路拡張で立ち退きになったのは外苑東通りの西側だけなのですが、関係のない東側も影響を受けていくかのように、商店がどんどん消えていきます。そして同じようにマンションに建て替えられてもいきます。
マンションの1階部分がお店になっている場所もありますが、美容院、クリーニング店、整骨院、眼科、といった音や匂いが出ずに、夜遅くまで営業しない店舗ばかり。食事ができる店は減る一方です。私が幼少期の頃から地域の一大イベントであった、外苑東通りの七夕祭りは、遂に数年前に無くなりました。かつては2つの商店街がしのぎを削ってたくさんの出店が立ち並んだ祭りも、商店街が無くなり道路工事のため、開催不可能となったのです。耳に挟んだ話ですと、たとえ道路拡張工事が完了しても復活させるには若者が少なくて不可能だろうとのこと。
(※後に規模を大きく縮小させて七夕祭りは再開されました。)
生まれ育った土地の目抜き通りとも言える通りは、マンションが横にそびえ立ちずっと工事をしている歩きつらい道になっています。マンション側からすると、1階に商業施設が入ると価値が下がるので敬遠するそう。結果、商店が無くなりマンションだらけになっていきます。
その中で昔から生き残っているお店はかつての商店街から少し道に入ったところが多いのです。道路拡張の影響を受けずに言い方が悪いですが細々と続いているお店。
商売をするにあたって、これでは大通りに面した場所が、良い立地とは言えません。せっかく始めても、数年で立ち退きを受けたり、テナント料が跳ね上がったりしては、継続することができません。この現実を見ると、安定して継続して構えられる場所が、良い立地なのだなと考えてしまいます。近年はスマートフォンの普及でナビ機能が充実してきて、立地の悪さが昔ほど足を引っ張らなくったと言われています。段々と、うちの立地条件はひょっとしていいのでないのかと考えるようになっています。
甲野 功
コメントをお書きください