開院時間
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もう一般用語となっと言えそうな体幹(たいかん)という言葉。諸説ありますが、概ね胴体や、身体の中で手足を除いた部分を指します。近年、スポーツパフォーマンスを向上させるには体幹を鍛えることが必須とされ、様々な競技に取り入れられているといいます。それまでのトレーニング方法には、バーベルやスクワットとといった動的なものと、どの競技においても実際に使用する四肢(手や足)の筋力アップを主体としたもの、これらが基礎的な筋力トレーニングとしてありました。それらに加えて、実践的な練習(例えば練習試合)と動作の一部を切り取った反復練習(野球で言えば素振りや投げ込みなど)がありました。
努力・根性・勘といったものに頼りがちだった時代から、スポーツを科学的に検証する方向に代わり、競技中において”いかに四肢を考えた通りに動かせるか”というアプローチから、体幹トレーニングが見直されるようになったと考えられます。体幹を鍛えることで素早く動作に入れる、身体がぶれないので動作のパフォーマンスが上がる、下半身からのエネルギーを効率よく上半身に伝える、といった効果があると言われています。
サッカーではある日本代表選手が体幹を鍛えることで、体が大きい外国人選手に当たりま負けしない、ボールコントロールが良くなる、といったこと話しています。格闘技の世界では普通に「体幹が強くて相手が攻められない」といった会話が出ます。ひと昔前のパソコンでは「たいかん」と打っても「体幹」と予測変換はされず、体、幹と別々に打ち込みましたが、今では変換に入っています。今日、体幹トレーニングは、多様な方法が提案され検証されています。体を動かさないで静止して状態で行う静的なもの、特定の動作をして行う動的なもの、器具を使ったもの、色々あります。人によっては体幹をわざわざ鍛えなくても他の筋力トレーニングをするだけで十分鍛えられるから、別に行う必要はないという意見もあります。
私は体幹という言葉が世に出ていなかった20年以上前から、体幹トレーニングをしていました。いや、させらていました。大学で始めた競技ダンスの練習で行う、通称、「ソッキン(側筋)」と言われるものです。サイド強化とも言われるこの練習は、片方の手のひらか肘と足で体を支えて床に対して、横向きにまっすぐになり、所定の時間内姿勢を維持するものです。(※今ではサイドプランクなど言われて一般に認知されてきています)
見た目は地味なのですが、やってみるとかなりきつい体勢で、初心者はすぐに崩れてしまいます。最初は壁に足をつけて行い、慣れてくると壁から足を離していきます。15秒、30秒、1分、・・・と時間を長くしていきます。なお、ソッキンをしている間はずっと声を張り上げています。母校の練習会と言えば、このソッキンとボックスというくらいきつくてしかも必ずやらされる練習。多くの部員にとって「ああ、またソッキンしなきゃならいのか」と気が重たくなる練習でした。
大学1年生のときに出会ったソッキン。これは後に有効な体幹トレーニングだと知りました。気付いたのは卒業してこの業界に入ってから。それまでは昔からある、ダンス部特有の練習という認識しかありませんでした。部室に残された先輩方の写真には白黒写真にもこのソッキンをしている風景が映っていましたから、軽く四半世紀前からあるトレーニング法なのでしょう。当時はこれが一体何に役に立つのかいまいち理解しないまま行っていましたが、のちに意味があるものとだと知ることになります。
・自重を使った負荷で無理なく行う(バーベルなどの高負荷をかけない)
・静止することで循環器系に負荷をかけつつ筋力アップを狙える
・いわゆる腹筋群、背筋群をバランスよく刺激する
こういった効果があることが、勉強することで判明したのです。時代が流れ今では、名称は異なれど、多くのジムで取り入れられいるようです。部活で誰が最初に始めたのかは定かではありませんが、先見の明があった先輩が取り入れて、それが今日も続いていることに驚きます。
現在では当たり前となった体幹トレーニング。偶然には、その基本となるメニューを20年以上前から行っていました。この経験は今の仕事にとても役に立っています。実体験とその後の座学が合わさり、理論と実践の両方が伴いました。競技ダンサーに対しても、一般の方のエクササイズとしても、必要に応じて紹介しています。各人の技量に応じて負荷も変えて指導しますので、気になる方は相談してみてください。
甲野 功
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