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~開業後3年間が目安~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 紫陽花の花
枯れずに咲き続けることは簡単ではない

 

今年の2月、母校の東京医療専門学校代々木校舎を訪れた際に、鍼灸マッサージ教員養成科の先生と話したときのことでした。
もうすぐ卒業して3年経ちますね、といった話題になったときに、先生が何の気無しに
開業して3年が目安よね
と言いました。


これは

開業してから3年間が一つの目安であり、3年間続けばその後も安定して継続していけるという意味です。

 

 

鍼灸マッサージ科(本科)の先生と違い、教員養成科の先生ならでは言葉です。

本科卒業生は、国家資格を取ってすぐに自分で鍼灸院を始めるということは少なく、どこかに就職したり、学生の頃から働いていた職場で経験を積んだりするのが一般的です。既に柔道整復師免許を持っていて、鍼灸整骨院として開業することはあるかもしれませんが、卒業後にすぐに開業する例は多くないでしょう。

 

対して、教員養成科の場合ですと、卒業後すぐに鍼灸院を開業するというケースが見受けられます。私自身もそうでしたし、教員養成科同級生でも、卒業した年に開業した人が何人かいます。また、養成科の後輩でも卒業後すぐに開業という話を耳にします。


このように卒業生の開業報告を受ける立場の先生は、経験上3年間続くかがポイントになると知っているようです

 

鍼灸師が卒業して5年後も鍼灸を続けているかの割合を5年生存率という業界用語で言うそうですが、開業した場合は3年生存率というのわけでしょうか。開業して長く続けることは簡単ではない、そのようなメッセージが行間から伝わる話でした。

 

私も来月5月15日で開業して丸3年間が過ぎます。4年目に突入する予定です。幸いなことに院を畳む可能性はほぼない状態。無事に3年間を越せそうです。

 

治療院を始める前に色々なところを見学し、様々な意見を聞きました。その中で、治療院ではありませんが小料理屋を始めた人の話で、

儲かる以前に続けられるようにしないとダメ

というコメントが心に残りました。

 

継続できること。

 

それは金銭面でも体力面でも。売り上げが上がらず家賃や光熱費といったランニングコストを支払えなくなってはいけません。月の売り上げが100万出ても諸経費が150万かかるようでは継続できません。繁盛しても忙しすぎて本人が倒れてしまっても意味がありません。早朝から深夜まで開けて年中無休で営業し、2ヵ月で病院送りになったとしたら本末転倒。
まさにライフワークバランスができている状況でないといけないわけです。

 

ランニングコストも初期投資も抑える形で始めたこのあじさい鍼灸マッサージ治療院。問題なく3年間が経過しようとしています。


3年間とは小学6年生が中学を卒業する、中学3年生が高校を卒業する、期間に相当します。我々鍼灸師の専門学校では、入学して資格取得までが3年間。ステージを大きく上がるために必要な時間とも言えるでしょう。


最初の3年間は克服したので、これからは次のステージに進まないといけないと考えています。もっと仕事もプライベートも充実したものにしていくため、4年目に向けて気持ちを新たに行動しなけばいけない。

 

開業して3年が目安よね


この先生の言葉は、守りの意味で3年間継続できることが必要、というものと、3年間経ったなら次の段階に進むべきという攻めの意味もあると捉えています。

 

甲野 功

 

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