開院時間
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土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
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今回は完全に個人的な趣味の内容です。これといった話ではありません。
中学生から好きになり、四半世紀に渡って、現在は細々とチェックしているプロレス。
地上波でプロレスが取り上げられると取り敢えず録画して確認するの癖になっています。社交ダンスとプロレスはマスメディアに乗るときは必ず見るようにしていますね。
去年の年末、アイドルグループであるAKB48がドラマでプロレスに取り組むという話が出ました。
いつもの習慣で、チェックしておこうと思い、1月から始まったドラマ「豆腐プロレス」を毎週録画して見ていました。特長は、リング上の試合をスタント無しで本人が全て演じるというもの。ドラマ部分にはほぼ興味が無いので試合のシーンだけに注目していましたが、カット割りと編集でそれなりに見えるようにしていなという印象でした。それとプロレスファンなら分かる細かいネタ随所に入っていることと昭和のレトロな動きから現在進行形の技まで網羅していることが好感を持てました。あのキャラの元ネタはあれだよね、とか、久しぶりに見たこの技とか。相当プロレスに敬意を表した試合内容にしているなあ、と。
そして最終回。トーナメント決勝戦。主演の宮脇咲良を勝たせるのかと思いきや、まさかの敗北。予想を裏切る展開でした。
放送前にAKBファンの患者さんと話したときに、秋本康は主人公を最後勝たせないと思う、と言っていてそれが的中しました。秋本康は考え方がアントニオ猪木ぽい。
更に、後楽園ホールにてプロレス興行を開催することが発表されたのです。
本当にするのか?!と思いました。
芸能人がリングに上がりプロレスをするのは珍しいことではありません。これまで結構な数の芸能人がリングに上がりました。
アメリカではバスケットのデニス・ロッドマン選手も上がりましたし、現米国大統領のドナルド・トランプ氏もリングに上がった経験があります。
ただ、それはどれもプロ選手に交じってするものであり、素人同士の試合はありません。プロ選手が試合を作り動かすことで素人が入ってもそれなりに見えるものになるのです。素人であるアイドル同士が本物のリングでお客さんの前で試合を見せるなど無茶そのものだと思いました。
クッションを画面に写さないで投げ技をする。トップロープから飛んだ瞬間を撮影し、落ちたところの映像とくっつけて、あたかも技を成功させたかのようにみせる。このような編集をライブでは一切できません。本当にアイドル同士をリングに上げてしまって大丈夫なのか、試合として成立するのか、と疑問でした。
そしてなにより怪我無く終わるのか?という不安。
私が一番好きだったプロレスラー、故三沢光晴選手はバックドロップを受けて(実質)リング上で亡くなりました。メインイベンターであり、受け身の天才と称された、間違いなく超一流選手でした。あの三沢ですらリング状のアクシデントで命を落としました。(ちなみにドラマの主役、「チェリー宮脇」の使う技はこの三沢のものばかり。)
今現在も、プロレス界の帝王と呼ばれた高山善廣は頸髄損傷で入院中。女子プロレスラーでも試合中、練習中に死亡した例があります。プロですら危険と隣り合わせのプロレスをアイドル同士で行えるのか。
芸能人がリングに上がり大けがをしたケースもあります。
芸人であるレイザーラモンHGは元々学生プロレス出身であるため、セミプロのようなものでしたが、試合中に踵骨を粉砕骨折してしまい、選手生命どころか芸能人生命も危ぶまれました。鼻骨骨折をした女性アイドルもいました。
それだけ危険を伴うのがリング上であり、テレビ番組の収録と違うライブ興行では撮り直しなしの一発勝負です。
プロ選手が入ると、その点うまく試合をリードして、安全にそれでいて技を大きく見せることが可能です。日本で一番知名度があるプロレスラーはアントニオ猪木ですが、彼は「ホウキと戦っても名勝負にできる」と称される試合巧者でした。かつてジャニーズの滝沢秀明とシングルマッチを成立させたときは、さすが猪木、と称賛されたものです。
アイドル同士がリング上で生の試合をしたとして、試合として成立するのか、そして、大けがしないで終われるのか。始まる前は大いに疑問でした。
そして8月29日に後楽園ホールでAKB48グループによる興行、「WIP CLIMAX」が開催。このときの動画をじっくり見てみてみました。
ちゃんとプロレスをしていることに、プロレス興行になっていることに、本当に驚きました。
出場メンバーの3分の1しか名前を知らず、その中でも半分以上がドラマにも出ていたので知っている程度。どのようなバックボーンがあるのか知りませんが、よく素人であるアイドルがここまでできるものだ、と感心しました。プロレス指導責任者のミラノコレクションATの手腕はさすが。
ところどころ、それは当たっていないよねという打撃、全く効いていないであろう関節技もありましたが、実況が場内に流れるシステムでアナウンサーの絶叫で誤魔化していましたが。本業のプロレス実況アナウンサーの力量がものを言います。
それでも最後の3試合はかなりレベルの高いものだと感じました。セミファイナルは本職の女子プロレスラーが入っていたので危険な大技もあまり心配せずに見られました。プロレスファンなら気付く細かい部分が随所に取り入れており、マニア心をくすぐる試合内容。
そしてプロレスの試合も、プロレス興行としても成立させておきながら、会場で歌を披露するアイドルの本業も忘れていないところがみそでした。AKB48グループのファンでも楽しめるように段々と試合内容を高度にしていく。出場選手(?、アイドル?)の半分以上、私は知らなかったのですが、どうも現実の格付けや人気、現状を反映させたキャラ設定とストーリーにしているらしい。
絶対に何度も入念なリハーサルを重ねて結果を知った上でリングに立っていたはずなのに、メインイベントで負けた側は本気で泣いていました。ドラマからの主演を務めた人を負けさせるやり方、最後の最後にチャンピオンを襲撃してベルトを持ちさるヒール(悪役)。虚実入り混じった、最初から最後までプロレス興行でした。
アイドル同士がリングに上がり、観客の前でライブで試合をする。プロレス業界に大きな転換期が訪れたように感じました。
甲野 功
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