開院時間
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住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
先月、社交ダンス情報ラジオ番組「ダンスウェーブ」の収録に参加してきました。
あじさい鍼灸マッサージ治療院が広告を出すという話から、ラジオ出演も付いてくるということ。いつ放送するのか知らなかったのですが、どうも先日放送されたようです。色々忙しくて番組を聴いていなかったのですが、おそらく出たようです。
収録の際、現役の学連(東部日本学生競技ダンス連盟)選手、関勇人君が同席していました。彼は、その番組でDJを務めています。
収録には細かい台本は無かったので、話す内容はぶっつけ本番。パーソナリティの加地卓さんがおもむろに関君に
「何か聞きたいことはありますか?」
と話を振りました。
その振りに対して関君は
「練習をし過ぎると体が痛くなるのですが、どうしたら良いでしょうか」
といった内容の質問が出ました。
質問を受けた私の回答は
「学連の選手は正しくない動きをして体を痛めやすいし、若さで突っ走ってしまうことが良くある。正しい動きをした方が良い。」
というニュアンスの内容だったと記憶しています。
収録時間が短くて言葉が足りず、あたかも、関君の動きが間違っている、というような意味に聞こえたかもしれません。
正確な表現をすれば、
「学連選手は往々にして選手自身にとって正しくない、言い換えると適していない、動きで踊ってしまう。そうすると体を痛めてしまうのだが、若いため回復が早いのと勢いで突っ走ってしまい、そのまま続けがち。それでも体が慣れたり、動きが良くなってきたりして耐久力が付いてくる。結果そのうち痛くなくなる。それでも、適していない動きを続ければ体に負担がかかり続けるため、その選手にとって正しい動きをするよう研究した方が良い。」
ということになります。
自身も学連出身であり、学連ダンサーを長くみてきて、障害になる原因の一つが”正しくない動きをすること”すなわちミスユースによるものです。
スポーツ障害全般における原因は練習のし過ぎによるオーバーユースと不自然なフォームでプレイすることによるミスユースが考えられています。学連ダンサーでも合宿時にオーバーユースによる障害が存在しやすいのですが、日常の練習で陥るのがミスユースによる障害です。
これはダンスの動きが正しくないというよりも、身体がついていっていないことによることが多いと考えています。
筋力、関節可動域(ROM)、バランス能力など、きちんと身体能力が備わっていなければできない動きであるにも関わらず、それが伴わないまま練習をしてしうしまうことが問題になります。
上級生やコーチャーが求める動きを、こなすだけの身体能力が伴わないまま、無理して真似していると体は悲鳴を上げていきます。多くはそのまま体が慣れてきて、こなせるようになるのですが、ときに体は限界を迎えて痛みとして主張しだすのです。
プロのコーチャーはまず無いのですが、学校の上級生が教える際に、無理に体を動かそうとして体を痛める例があります。更に問題なのは、基礎体力をつけるための練習フォームが崩れていて、練習してもおかしな癖がつくだけでダンス上達に繋がらないこともあります。
下級生の体は千差万別ですから、いきなりできる子もいれば、かなり負荷を軽くしてもできない子もいます。それを根性でカバーしようとすると、やはり体が悲鳴をあげるのです。
体育大学生を除けば、大学生ですからそこまで細かく体の構造を知りませんし、研究していません。
仕事がら競技ダンス選手(学連、アマチュア、プロに限らず)を診ることがありますが、痛みを抱えたときに患者さんに必ず聞くことは
●最近、踊り方を変えたか?
●ルーティン(振り付け)が変わったか?
です。
プロの先生方は皆さん自分の事をよく知っているので痛みの原因を把握していることがほとんどですが、アマチュアになると新しい動きに体がついていけなくて痛みとして出ることが多いのです。これも言わばミスユースによるスポーツ障害のです。
私自身、学生時代は無知でしたし、気合と根性で何とかなると思っていました。しかし、卒業後、長年学連選手を観察していくと、ミスユースによりダンスが上達しない選手、あまつさえ故障を抱える選手がいることが分かってきました。大学時代しかできない学連の競技会。限られた期間で結果を出さなければいけない世界です。
自らの体にあった動きをすることで、余計な障害を減らすことができてスムーズな上達に繋がるものと考えています。
甲野 功
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