開院時間

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電話:070-6529-3668

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~資格を取るなら何が良いか?~

あじさい鍼灸マッサージ治療院イメージ画像
イメージ図

 

鍼灸師およびあん摩マッサージ指圧師の資格(あわせて、あはき師、と呼ぶことも)を取得してから10年以上経過しました。その前には民間資格の整体などをしていました。

 

10年くらい前から、この業界に興味があるが何の資格を取ったら良いか?という質問・相談を受けることがあります。直接面と向かって聞かれることも、ネット上でのやり取りもあります。


毎回、応えるのはその人が何を求めていて、今後どんなことをしていきたいのかを確認した上で、そこに合致しそうな種類の資格を提案しています。


安直に、「どれが楽に儲かりますか?どれが有利ですか?どれが将来性ありますか?」といった質問を受けることがありますが、それはあなた次第ですよと回答しています。
昔はどうか知りませんが、今の時代、この資格を取れば一生安泰というものは無いと考えています。その資格(つまりは技術)で何をしていきたいかが重要ですので。

 

またネットの掲示板で「資格を取るなら何がいいですか」と質問をあげる方がいらっしゃいますが、匿名で各々資格の悪口を言いあい、未来の無い業界だから止めておけといった結論つける投稿コメントも多々みてきました。コメントを入れている人がどのような資格を持っているのか不明なのに、

 

柔道整復師師は終わっている、

鍼灸師は意味ない、

看護師にしておけ、

理学療法士は働き口が無い、

 

などの意見を好き勝手書き込んでいて、参考になりそうにない。そうなると、素性をはっきり明かしている私のところにメールを入れるということがあるのです

 

一つの私のベーシックな回答をここで載せてみます。
もしも今後人の体を触って何か役に立ちたいと考えている方は参考にしてみてください。なお理学療法士や看護師の方とも知り合いがいますし、どのような業界状況になっているかある程度分かっていますが、実際に資格を持って働いたことがありませんので、この2つの資格については言及しません。

 

民間資格の範疇である、整体(骨格矯正系)、整体(リラクゼーション系)、リフレクソロジー、タイ古式マッサージ。それと国家資格になる、鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師について書きます。

 

※最初に書いた時期と状況が変化しているので加筆修正をしています。

 

民間資格
厚生労働省の管轄外の資格。特定の団体が発行する資格であり、「無資格者」と国家資格取得者から呼ばれることも。消費者庁や厚生労働省は民間資格を「無資格」としている。たまに厚生労働省認可とする民間資格があるが、これは労働の自由に守られているという意味で厚生労働省の“労働”部分で職業選択の自由に守れているという意味。“厚生”部分は別である。一般的に民間のスクールに通うことで取得可能で、国の管理下におかれていないためレベルには差がある。国家資格に比べると学費も取得に必要な期間も、とても少なく済む。最近国家資格を持たずに施術を行い骨折などの過誤トラブルが増えているため消費者庁が注意喚起を促している。

 

整体(骨格矯正系)
整体という用語が一人歩きして何を持って整体なのかとても曖昧な状況です。それこそ、鍼でも、吸玉でも、整骨院にかかることも、全て整体と言ってしまう人がいますし、理学療法士や鍼灸師など国家資格を持つもあん摩マッサージ指圧師免許がない人は徒手手技を整体と称している現状があります。
ひとまずカイロプラクティックに代表される骨格矯正系の手技を行う技術資格としての整体師として書きます

 

・どのように資格を取るか
民間のスクールに通い、そこが認定している団体の資格を取得する。取得するまでの時間はまちまち。数日から数年ととても幅がある。

なお、本来民間資格であったが約20年前の専門学校規制緩和により整体の学校が鍼灸師や柔道整復師、理学療法士の養成学校を作ったところがあります。そのため国家資格も取得できる整体学校という売り文句を出している学校がありますが、本来別物であることを理解しておくこと。

 

・どのような技術か
主に骨の並び(アライメント)を整えて体の不調を取り除こうとする。「身体が歪んでいる」、「骨盤矯正」、「O脚矯正」などの用語がよく使われる。瞬間的に関節に圧を掛けて、パキと音が鳴る手法が特徴的(頸椎トラストなどが主な技術)。

 

・注意事項
カイロプラクティックはアメリカでは国家資格である。しかし日本では国が管理する統一基準が無く、ある意味無法地帯。施術による事故・トラブルがとても多いとされる。

2017年度には国民健康センター調べによると300件以上の健康被害が報告されて過去最高の数字となっている。今後厳しい規制、取り締まりが行われる可能性がある。

 

 

被害状況を報じた記事
被害状況を報じた記事より

 

業界では「無資格者のマッサージ」と称され非難の対象になることがある。また健康被害に関する報道がしばしあり、現状をしっかり把握しておく必要がある。

参考ブログ

ブログ~新聞記事その1 無資格~

ブログ~新聞記事その2 マッサージとは?~

ブログ~新聞記事その3 医業類似行為~

ブログ~新聞記事その4 なぜトラブルは起きるのか~

ブログ~週刊文春の記事~

ブログ~骨格矯正~

 

整体(リラクゼーション系)
前の項と同様、整体の定義が曖昧であるためリラクゼーション業も整体の名称を使うことが多い。世間一般で一番多い業態と言える。あん摩マッサージ指圧師免許を持たない人間が行うための逃げ道という面もある。治療行為を行わず慰安、体力回復を主目的として行う

あはき法(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師に関わる法律)では違法行為になるが実質見逃されている状況。総務省の職業区分に<その他(リラクゼーション業)>の項目が入り、社会的に認められたとも考えられる。

 

・どのように資格を取るか
民間のスクールに通い、そこが認定している団体の資格を取得する。大手チェーン展開をしているリラクゼーションサロンでは独自の資格制度を持っているところがある。店舗に勤務しながら教えます、という場所もあり、資格取得までの期間はまちまち。長くとも数カ月で習得させる場合が多いと思われる。

 

・どのような技術か
一般的に器具を使わずに手で体を擦る、押す、揉む、動かすなどを行う。

 

・注意事項
セラピスト、施術師、○○式マッサージ、など様々な名称を使ってブランド化を図ることが多い。悪質なスクールビジネスになっており、実務が伴っていないスクールもある。わずか数日から数か月で人の体を治せるようになります、と喧伝しているところは要注意。既に国家資格を持つ人間を対象にしていないならば、そのようなスクールは危険と考えられる。

治療や健康増進、体質改善などの言葉を用いると問題になることがあるため、店舗によっては「うちは慰安を目的としたリラクゼーション業です。治療行為は一切行っていません。」と事前に明言するところも。あくまでリラクゼーションに専念すべき。

治療行為か否かの判断の一つは体重をかけて圧を入れたかどうか、が一つの基準になるという事例があった。

風俗店と勘違いする客層もあるので女性は注意が必要。

 

参考ブログ

ブログ~リラクゼーション~

 

リフレクソロジー
足底反射区療法、足ツボマッサージなどとも言われる。足の裏はまず揉み返しが起こらないと言われており、危険が少ない。また個人的な感想であるが、技術が未熟でもそれなりに受けていられる。足の裏で全身に影響を与えられると言われており、汎用性が高い。台湾式、英国式などブランド戦略が盛んな業態で女性が参入しやすいイメージがある。応用で手のひらや頭の反射区まで広げることもある。

ベッドを使用する場合もあるが、ソファーでも十分可能であるため場所を取らないというメリットがある。術者も足元から移動することが原則ないため、整体よりも狭い空間でも行うことができる。

 

・どのように資格を取るか
民間のスクールに通い、そこが認定している団体の資格を取得する。大手チェーン展開をしているサロンでは独自の資格制度を持っているところがある。店舗に勤務しながら教えます、という場所もあり、資格取得までの期間はまちまち。長くとも数カ月で習得させる場合が多いと思われる。

 

・どのような技術か
基本的に指を使って行う。木の棒を使うこともある。指のPIP関節を使う独特な手法が特徴。台湾式や英国式という言葉があるが一切国とは関係がないらしい。一般的に台湾式が強刺激、英国式が優しい刺激。

なお反射区という概念は中国由来の経穴経絡(東洋医学)とは異なる。

 

・注意事項
あまり立って施術することが少ないので一見体力的に楽。指への負担は大きく、指にタコができることもある。座りっぱなしのため反対に腰を痛めることも。

 

参考ブログ

ブログ~リフレクソロジー~

 

タイ古式マッサージ
元々タイの寺院で行われていたもの。二人で行うヨガとも言われる。単にタイ式マッサージと呼ぶこともある。在日タイ人の生業となっている場合も多く、都内ではタイ人による店舗が多数存在する。

 

・どのように資格を取るか
本国タイで取得することもあるが、日本のスクールで習うことも可能。

 

・どのような技術か
ゆっくりとしたリズム、全身くまなく押す、ストレッチと押圧を組み合わせる、アクロバティックなストレッチ、などが特徴。床で行うことが基本。受ける方もする方もそれなりに体が柔軟でないと厳しい。スポーツ選手に行うには有効と思われる。

 

・注意事項
行う側(術者側)に柔軟性、体力が要求される。

 

参考ブログ

ブログ~タイ古式マッサージ~

 

 

国家資格
厚生労働省の管轄の資格免許。厚生労働省及び文部科学省が認可・管理する専門学校もしくは大学で法律に基づいた項目(座学、実技)を一定年数勉強したのちに、国家試験に合格することで得られる資格。学校の入学時期、卒業時期が決まっている。最低限のレベルを国(厚生労働省)が保証しているため、優遇される制度もある。反面法律で細かく規制があることも。保健士や理学療法士、作業療法士、看護師など開業権が認めらていない資格が多いが、あん摩マッサージ指圧師、鍼師、灸師、柔道整復師は開業権が医師・歯科医師同様認められている。

 

鍼師、灸師
法制上は鍼師(はり師)と灸師(きゅう師)に分かれているが、実質鍼のみ、灸のみを教える専門学校が無いため、二つの資格免許を同時に勉強し、同時に取得することがほとんど。一般的には鍼灸師と統合してしまう。国家試験は鍼と灸で別々の問題が幾つか出題されるため、鍼師のみ、灸師のみ資格取得というケースがある。

 

・どのように資格を取るか
厚生労働省が認可した専門学校もしくは大学で最低3年間の勉強をする。各専門学校が行う学内試験に合格し卒業見込みを取った上で、例年2月末の国家試験を受験し合格することが必要。

 

・どのような技術か
鍼および灸という器具を用いて身体に物理刺激を与える。単独でも組み合わせても行える。東洋医学の概念を勉強するため西洋医学とは別の視点を持つことができる。適応範囲がとても広い。範囲が広すぎて10名鍼灸師がいれば10通りの流派があると言われるほど。近年は美容、スポーツの分野への進出が目覚ましい。 

 

・注意事項
専門学校は規制緩和により大量に新設された。結果、学校間でのレベルの差がある。教える内容も学校に特色があるので当人の考えに合った学校を選ぶことが必要。

2017年度の国家試験では合格率が大きく下がった。受験者数も合格者数も10年前よりも減少している。また2018年度から養成機関のカリキュラムが大幅変更となり学生の負担が増えている。廃業する専門学校も出てきており、以前よりも狭き門になっている。

 

参考ブログ

ブログ~鍼灸国家試験合格率について~

 

あん摩マッサージ指圧師
元々別個の技術である、按摩(あん摩)、指圧、マッサージの3つを法制上一つにまとめた資格免許。どれも徒手で体に触って施術をするが、理論体系や技術はバラバラである。鍼灸師のように資格が独立しているわけではなく、3つの技術で一つの資格となっている。按摩は古くから視覚障害者の生業であったため、晴眼者(視覚以上がない健常者)がこの資格を取ることは、鍼灸師、柔道整復師に比べると難しい。専門学校の枠が決まっており、新設することが許されていない状況であるため。

 

・どのように資格を取るか
厚生労働省が認可した専門学校もしくは大学で最低3年間の勉強をする。各専門学校が行う学内試験に合格し卒業見込みを取った上で、例年2月末の国家試験を受験し合格することが必要。健常者が入れる専門学校は数が少なく、そのほとんどが鍼灸も同時に勉強する「本科」である。一部を除いて、鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師の3資格を同時に取得することになる。頭文字をとって「あはき師」と言うこともある。

 

・どのような技術か
手や指を使って筋肉、関節、リンパ、静脈などに対してアプローチしていく。誰にでも真似できそうであるが、独特の技術もある。按腹、曲手、強擦法、などは民間資格ではあまり習うことが無い。

 

・注意事項
現在、健常者でも広く資格を取ることができるように専門学校新設を解禁させることを求める裁判が争われている。判決次第では環境が大きく変わることがある。誰もが勝手にマッサージを行っている状況であるため、世間一般に国家資格と知られていない。例えば北海道には健常者があん摩マッサージ指圧師になるための養成学校がないため、鍼灸師や柔道整復師でもあん摩マッサージ指圧師免許があることを知らないこともあるそう。

訪問マッサージが安定した高収入が得られる手段であるが、近年不正請求が摘発されている。

 

参考ブログ

ブログ~按摩の話 紹介~

ブログ~指圧の話 導入~

ブログ~マッサージの話 概要~

 

柔道整復師
柔道(古くは柔術)の活法から生まれた外傷治療技術がもと。脱臼、骨折、捻挫、打撲、挫傷といった急性外傷を扱うことが主。応急処置に限り保険治療が認められており(正確には患者の代わりに保険請求業務を行ってもよい)、保険適応の接骨院(整骨院)を開業することができる。骨、関節、疾病、疾患に対する知識が鍼灸、あん摩マッサージ指圧よりも高い。脱臼及び骨折時に行う「整復操作」を医師以外で許されている(医師の指示が無くとも応急処置に限れば行っても罰せられない)

 

・どのように資格を取るか
厚生労働省が認可した専門学校で最低3年間の勉強をする。各専門学校が行う学内試験に合格し卒業見込みを取った上で、例年3月の国家試験を受験し合格することが必要。包帯固定、整復操作、柔道実技が必須。柔道の授業がある。

 

・どのような技術か
外傷、応急処置に関してスペシャリストと言える。鑑別能力はあはき師比べて高いと個人的に考える。整復操作と固定技術が特徴。整復や包帯固定は一人で行うには無理があることが多々あるため、チームで連携する必要がある。

 

・注意事項
規制緩和により専門学校が大量に新設されて柔道整復師がとても増えた。結果、整骨院が溢れて不正請求が社会問題になっている。不正請求によって反社会的勢力の資金源になっていた事例があり、捜査取り締まりが厳しくなった。

学校で習う内容と実務が一致していない現状が増えてきている。本来行う業務とは異なることを強いられるため柔道整復師の存在意義が問われているとも言える。2018年度からは専門学校のカリキュラムが変更になり「医療倫理」の項目が加わった。学校で必修にしなければならない状況である。

2018年に起きた千葉県で整骨院スタッフが逮捕された事件は、支持をした代表(院長)だけでなく無資格の施術者も逮捕されるというかつては考えらなかった。

 

参考ブログ

ブログ~整骨院の不正請求~

ブログ~無資格に施術させた整骨院~

 

 

あくまで甲野功個人の考えであることはご理解ください。少なくとも、全て資格を取った上で対価を頂いて業務をした資格です。やったことも取得したこともない資格免許を評判だけで批評したものはありません。

セカンドキャリアや手に職を持ちたいと考えていて、この業界に興味がある方の相談に乗っています。

 

甲野 功

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