開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
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住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
3月12日。関東鍼灸専門学校にて名古屋から来た新屋翼先生(こもの鍼灸院院長※当時)による美容鍼セミナーに参加してきました。
色々な意味で画期的なイベントでした。
まず去年Twitter上で、
鍼灸専門学の教員が学生にキングコング西野氏著書「革命のファンファーレ」を配布したいと、クラウドファンディングを実行した
という情報が飛び込んできました。
私も教員資格を持つので専門学校教員側のことはそこそこ知っているがゆえに、この行動に大きな衝撃を受けました。
その先生が、本セミナーの主催者である関東鍼灸専門学校の内原先生でした。
調べてみると東京医療専門学校教員養成科の先輩にあたり、私の鍼灸科時代の同級生と同じ学年ということが判明。更には母校の教員養成科にも「革命のファンファーレ」をプレゼントしたいということになり、私も応援することになりました。
本を寄贈するだけのところが話をすることになり、私も内原先生と一緒に学生の前で話をするという展開に。
はっきり言って母校の東京医療専門学校がこのような企画を認めるのは信じらませんでした。私が鍼灸専門学生だった時代には考えられません。それもTwitterのみで話が進むという。
このことは何回かに分けて書いてきました。
このような大胆な行動を起こしてきた内原先生が今度は名古屋から先生を呼び、専門学校内で無料セミナーを行う。ついでに懇親会まで。
何か新時代を感じさせる企画でした。(これは教員側にならないと実感しないことでしょうし、内原先生自身もそうとう緊張されていたようです。)
ここ数か月、TwitterやFacebookで名前をよくみるようになった「シンヤツバサ」。
「世界のシンツバ」などと称されていて三重と名古屋の繁盛鍼灸院の院長らしい、という大雑把な情報が自然と入ってきました。
失礼ながらそれまで全く存じ上げていなかったのですが、美容鍼で凄い実績をあげていることが段々わかってきました。
図らずもテレビ番組(マツコ会議)にて美容鍼の特集が組まれ世間認知度が一気に高まった時期がありました。その流れに乗って私のメインターゲットである(といっても去年の11月から本腰入れたばかりですが)学生競技ダンス連盟選手を対象に美容鍼モニターを募り、色々試している最中でした。
ちょうどそこに、美容鍼で顔面に電流を流すという初めてみるスタイルを知り、これは一度実物を見てみたいと思いました。そしてシンヤツバサなる人物がどのような人なのか知りたいと思いました。
そして3月12日、スケジュールを調整して幕張まで行ったのでした。
全くの偶然で午前中に美容鍼をしたために、開始時間に間に合わないという皮肉な事態から始まったセミナー参加。
会場に着くと既に座学が始まっていました。最初にZOOMにより生配信されていることに驚きます。時代の最先端じゃないかという感嘆と、システムを扱っているのがSNS上でしか面識のない岡野浩人先生だと気づきます。
これも革命的な出来事で、知り合いの先生が視聴していることが会場にいる私からも認識できるし、視聴している先生たちがウェブ上で意見交換や感想をあげていいます。孫正義氏のいう「IT革命」が鍼灸界にも影響しているなと言える光景です。
新屋先生は実技でパルスを使った美容鍼を2パターン見せてくれました。
どこに、どれくらいの深さで、どの鍼を、どのように端子に繋いで、電流はどれくらいの出力・パターンで、何分間で、など生で拝見することができました。その発想自体が知らなかったものでした。
顔面神経麻痺患者さんには顔面への刺鍼およびパルス通電をしてきましたが、美容鍼については細い鍼で弱刺激のものしか知りません。あの太さの鍼を用いて電流を流すとは。細かいことを書くとキリがないですが大いに勉強になり、インスピレーションを受けました。
これまで持っていた美容鍼の概念を覆すものであったのは間違いありません。
実技の後は鍼灸界の未来についてをテーマにした講座でした。新屋先生も話していましたが、実技よりもこちらに重きを置いていることが分かりました。
特化型鍼灸院について。
鍼灸界の現状。
現役鍼灸学生の質問。
新屋先生の他に、訪問鍼灸をしている岡野浩人先生と、開業している関口賢先生を交えて、座談会形式にもなりました。なお二人の先生は本当に何も聞かされていないままぶっつけ本番で壇上に上がったそうです。
経営者としてのマーケティング、ポジショニングの話題、人材育成のこと、学生に向けたメッセージなどが詰まっていました。間違いなく既存の鍼灸専門学校の授業ではできない講義内容だったでしょう。
現場に立っている者だからできるリアルな話。会場にいた人の半分が現役の学生で、なかなか知ることのない生きた話を聞けたのではないでしょうか。
恐らくの予想ですが、専任教員である内原先生が立場上できないことを外部の先生にやってもらいたかったことなのではないでしょうか。
このような取り組みを実現させた関東鍼灸専門学さんが羨ましくちょっと嫉妬しました。保守的な母校ではこれだけのことはできないだろうな、と。
セミナー後が隣の部屋で懇親会。まさか専門学校内に宅配ピザやらアルコールが用意されているとは。ここまでくるとこの学校は大丈夫なのか?と心配すらしました。つくづく時代が変わろうとしていることを感じます。
その場では同じように開業している先生から学生まで、色々な立場のひとと交流することができました。鍼灸科1年生までいて、話を聞いていると、むしろこちらが勉強になりました。
何を考え何に悩むのか。この時代に学生となり将来を考えること。私の時代とは大きく異なります。
鍼灸専門の勉強だけでなく、経済・経営・自己プロデュースのことも知っておかないといけないような時代だと思うのです。一応業界の先輩として偉そうなことを話しましたが、私が参考になることが多かったです。
今回の美容鍼セミナー。治療技術、学校教育、IT技術、交流、色々な面でまさに「画期的」でした。
鍼灸業界の未来について語ろう、などのキャッチコピーがありましたが、目の前に<鍼灸業界の未来>の片鱗がありました。
閉鎖的、排他的と言われるこの業界が大きく変化していることを感じた一日でした。
甲野 功
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