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~アフター「鍼灸の日」・鍼灸受診率を上げるために まちゼミに学ぶ~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 まちゼミの講習会
「まちゼミ」の講習会から学ぶことがたくさんありました。

 

4月9日「鍼灸の日」に行われたイベントが、多数のメディアに報道されました。それにより、鍼灸の存在を世間へ向けて発信できました。
これを点に終わらせず線に繋げ、鍼灸受診率を上げるために何ができるのかを考える、第三弾。最終版です。第一弾第二段はこちら。

 

 

「まちゼミ」に学び、人(すなわち鍼灸師)をアピールする

 

三回目の最後はこのテーマです。

 

 

私は去年複数回にわたり中小企業支援プログラム「商人大学校」を受講しました。治療家の技術面だけでなく経営者としての能力が開業鍼灸師には必要だったからです。


そして今年に入り商人大学校受講者向けの特別セミナーが行われ、
「まちゼミ」でお店の魅力を発信!
というタイトルの講義を受ける機会に恵まれました。


この講義内容が鍼灸受診率を上げるためにとても役立つ内容だったのです。

 

まず「まちゼミ」とは何か簡単に説明しましょう。
「得する街のゼミナール」の略で「まちゼミ」。お店の方が講師となりプロならではの専門的な知識や情報、コツ、また趣味の楽しみなどを受講者(=お客様)に伝えるゼミ、だといいます。
実際に何をするかというと、原則無料で実施し、少人数制にて自店内で行うコミュニケーション事業です。重要なことは、販売行為を禁止しており、「人」のファン創り事業と定義していることなのです。

 

現在日本全国の商店街は縮小傾向にあります。郊外のショッピングモールやネット通販により個人商店がどんどん廃業していき、シャッター通り商店街が増しています。「まちゼミ」はこの現状を何とか打破しようと生まれた取り組みです。地域の個人商店が力を合わせて街全体で集客し、利益を上げて生き残ることを目標にしています。

 

このセミナーで幾つか鍼灸業界に照らし合わせても使えるポイントがありました。

 

お店のブランド化、個人商店の強みは人、指名買いを作る


Amazonや楽天によって多くの品物がネット通販で買うことができるようになりました。買いたいものをスマホで選んで自宅に届けてもらう。このような便利な時代になりました。
そうなるとわざわざお店に足を運ぶ必要がありません。このような時代に個人商店が生き残るには、「人」を前面に出しこの人から買いたいと「指名買い」してもらえるようにし、各店がブランド化する。そう訴えています。

商品に差が無ければ安いところ、配達してくれるところから買うようになるのは自明であります。それを覆すために、売り手の人柄を出していき、この人から買うと楽しい・幸せと思わせることが重要だと言うのです。

 

この「指名買い」、鍼灸師の方がより顕著です。鍼灸は言うなれば対人サービスでありネット通販をすることはできません。そこに鍼灸師と患者さんがいなければ成り立ちません。そのため美容院と同じように、お店よりもスタッフに顧客がつきやすい分野です。個々人の差がより影響する分野ですから鍼灸という製品(敢えてこのように表現しますが)よりも鍼灸師という人を売ることが大事。そう言えるのではないでしょうか。

 

買い物の二極化が進む、生活に必要な買い物と人生を豊かにする買い物

 

これもマーケティングの勉強をしているとよく言われることです。モノが十分に行き渡り、値段も安価で製品が安定している現代において、以前よりも購買意欲が生まれにくくなっているといいます。
欲しいものは生まれたときから既にある。生活に必要な買い物は、いかに安くいかに安定供給できているかしか差がつきません(コモディティ化)。この買い物はネットやコンビニで十分だといいます。ここで勝負しても個人商店は大手に勝つことはできません。
個人商店が狙うのは後者、人生を豊かにする買い物だといいます。人生を豊かにするものは高くても買ってくれます。すなわち「価格以外の価値を貴方から買いたい」と感じさせる買い物にするというのです。

 

この点も鍼灸、いや治療全般に言えることです。
病院がカバーできない部分を得意とする鍼灸。すなわち、比較的人生を豊かにする買い物に入るのではないでしょうか。美容やスポーツ分野の鍼灸は特に人生を豊かにするための鍼灸になると思います。
医療として絶対に必要な場合もありますが、大部分は「人生を豊かにする」という形容詞がしっくりくることのために、鍼灸を受けるのではないでしょうか。この点に注目することで鍼灸受診率を上げるヒントになると思いました。

 

セミナー、講習、イベントをしても売り上げは上がらない


この点が一番衝撃的でした


「まちゼミ」の前は村おこしのように商店街主催のイベントを大々的に開催したそうです。そうするとそのイベントのときはお客が押し寄せて活況を見せるのですが、イベント以外の時期は閑古鳥が鳴いている。一時売り上げは増すが続かないそうです。
この事実は本当に驚きました。
確かに私もお祭りにしか行かない場所があります。普段は行こうと思いません。最近も某四国の有名なお祭りも経営破綻しかけていると報道がありました。

 

では「まちゼミ」では何をするのでしょうか。それは自分のお店でスタッフとコミュニケーションを取ることを重要視するのです


自分のお店でそのスタッフが少人数のお客に対して自分のことを知ってもらう取り組みをする。原則無料ですからお金がかかることはしません。パティシエがお菓子作り教室をしたりするのはもちろんのこと、経費がかかるからカラオケ大会をすることでもいいそうです。
とにかく製品ではなくスタッフ(人)を知ってもらえるようにする。そのためには本業とは関係のない趣味でも構わないそう。パーソナルな部分を見せて人を売ることが結果的に指名買いに繋がるそうです

 

これを聞いて鍼灸院で一般患者向けのセミナーをするよりも個人を出した方がいいかと考えました。
正確に表現すれば、鍼灸師が持っている知識や技術(製品)をひけらかすよりパーソナルな面(人柄や趣味、嗜好など)を見せていく。一般の人には鍼灸技術の違いはほぼ分からないでしょうから、この人なら安心して身を任せられるという信頼関係を作ることが大事でしょう。

 

顔の見える店、他店を紹介する


「まちゼミ」では商店街(地域)単位で行います。集団でおこなうのです。そのため競合店や他のお店のスタッフも顔が見える状態にします。そしてお客さんを他店に紹介することを厭わない。このような取り組みです。
お客を他に回したら売り上げが落ちるかもしれません。しかしそれがお客さんのためになるならばきっとファンになって別のお客を連れてきてくれることでしょう。うちだけが良ければいいではなく、街全体が良くなるように意識を変えないと生き残れない。

 

鍼灸業界も若い世代を中心にこのような動きが出てきています。鍼灸師同士が知り合い、お互いのことを知る。そこから必要に応じて患者さんを他の鍼灸師を紹介する流れができる。それが長期的にみて鍼灸業界全体のためになるはずです。


私の場合でも、以前不妊で悩んでいる患者さんに知り合いの不妊治療専門鍼灸院を紹介したことがあります。私も不妊治療ができますが、実績と経験があるところに任せた方が患者さんの年齢を考えても良いと思いましたし、何より共通の知り合いがいる男性の私よりも女性鍼灸師に任せた方が患者さんのためになると考えました。

その後、無事妊娠し安定期に入りましたと感謝のご連絡を受けました。

 

このように鍼灸師の顔が見える状態にどんどんしていき、得意分野や地域によって患者さんが通院することが困難ならば、快く他の鍼灸師を紹介できる環境になることを望みます。

 

 

以前から私が考えていたことの多くを、「まちゼミ」でも同じようなことを考えているのだなと感じました。
鍼灸(製品)よりも鍼灸師(人)
魅力的な鍼灸師を生み出すことが鍼灸受診率を上げる力になるのではないでしょうか。そのためにしっかりと「鍼灸師」の情報を開示してどのような人間が施術するのかをはっきりさせると良いと考えています。

 

甲野 功

 

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