開院時間

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休み:日曜祝日

電話:070-6529-3668

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~後輩現役生を無料にする~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 冬全の様子
冬全の様子

 

 

最近、学生競技ダンス連盟(以下、学連)の選手が治療院に訪れる頻度が高くなってきました。もちろん、そのようにこちらがアピールしているからです。私の母校、ALL東京理科大学舞踏研究部(東京理科大、学習院大学、東京音楽大学、女子栄養大学2部の競技ダンス部で構成される。以下、理科大舞研。)の現役選手が来るのですが、料金はいらないよ、というと驚かれます。公言しているつもりだし、ホームページにもそう掲載しているのですが、何人か料金を払うつもりで来院してくることがありました。

 

私は母校の現役選手に限り、社交ダンス関連のケアは無料で行っています。


母校とはALL東京理科大学舞踏研究部のことを指します。現役選手とはそこを構成する4大学の学生で学連に選手登録している部員と、シャドーとして理科大舞研選手と組んでいる他大学の選手を指します。なお現役という括りは部歴4年生の全日本OBOG戦くらいまでとしています。その範囲の後輩からは基本的に料金を貰いません。そのような方針で行っています。言い換えると現在学生で学連現役選手でも他大学の選手(理科大とシャドーで組んでいる選手を除く)には割引はしますが料金を頂きますし、どれだけ親しい後輩でも卒部したり退部したりして学連現役選手では無くなれば、料金を同じく頂きます。留年や院進学などで学生であっても、卒部したら一緒です。

このシステムは他大学の現役選手からは不公平に思われるかもしれませんし、同業者からはプロの技術を無料で提供するのは好ましくないという意見を受けるかもしれません。そこで私が何故このようなシステムを導入したのかを説明します。理由が幾つかあり、項目ごとに書きます。

 

かつての夢
20代半ばに脱サラを果たしこの業界に入りました。競技ダンス選手、特に学連選手、もっと言えば理科大の後輩をサポートできる環境を作りたいとその頃から漠然と考えていました。将来できれば理科大神楽坂校舎の近く、神楽坂通りに店を持って、授業の合間に後輩を診たい、そんな夢がありました。民間の整体学校→国家資格の鍼灸マッサージ学校→柔道整復師学校とステップアップするに連れて開業することは甘いことではないし、どんどん習得する技術と必要な知識、そして経験がいると考え職場を変えながら過ごしていました。

国家資格のあはき師(あん摩マッサージ指圧師、鍼師、灸師)を取得した後は、競技ダンスが盛んな東京都北区十条を職場に選びプロ・アマ問わずそれなりに競技ダンス選手に携わることができました。その後、柔道整復師を取得し新宿区内のクリニックに職場を移し、独立を本気で考える時期に、自然となりました。柔道整復師の国家試験前後には神楽坂の物件を何となく探し、治療院計画をノートに書くようになっていました。

しかし東日本大震災と娘の誕生で考えは変わりました。家族の事を考え、地域に根付くことを決心し、自宅そばで開業することに決めました。理科大神楽坂キャンパスから地下鉄で2駅隣。歩けなくもない距離に治療院を構えることができました。図らずも私が卒業後に野田キャンパスからも部員を募り、葛飾キャンパスが完成し、舞研の中心は神楽坂から葛飾に移っていきます。反対に東京成徳、女子栄養の部員が入らなくなり、学習院と東京音大が加わりました。結果として神楽坂にこだわる必要は無くなったと言えます。

このようにして、拠点を作ることができました。体育会系の部活ですから、後輩からお金を貰わないという文化が当時は強くありました。先輩方は一人暮らしで生活が苦しいにも関わらず、新歓時期は随分と私たち1年生に奢ってくれたものです。先輩から受けた恩は後輩に返す。これが大切だと考えるので、気前よく無料でやるよ、と言いたいのです。
20代半ばでこの業界に入った頃の夢というか憧れでした。

 

部活動停止処分
まだ、あじさい鍼灸マッサージ治療院として店舗を構えず出張治療専門で独立していた頃は、わずかばかりですが後輩から料金をいただいていました。額面だけでも収入がないと申告上格好つかないこともありましたし、少しでも収入が欲しかったのは事実です。その後あじさい鍼灸マッサージ治療院を開院し、後輩からも少しは貰うスタンスのままでいました。

そして状況を一変させる出来事が起きました。

ある問題がきっかけで、それまでなあなあにしていた複数の不祥事を指摘され、東京理科大学から部活動停止処分を受けたのです。それまでちょこちょこあった短期間の反省を求める停止処分ではなく、廃部も見据えた重たい処分でした。初めてのトラブルに現役生はもちろん、OBOGも対処に追われました。学校側に謝罪し話し合う、書類の不備を全て正す、奉仕活動を行う、など当時の現役生幹部はダンス以外の業務をたくさんこなしました。更に学校側から補助金が一切でないため、OBOGから寄付を募ることになりました。その当時OBOG側として会議に参加してため、内情がとても厳しいと理解できました。このときに、もう現役生からお金を貰うのは止めようと決意しました。反対に治療院で使う写真撮影をお願いする名目でお金を渡すことをするなど、支援する方に舵を切りました。あの部活動停止処分がなかったら、もしかしたら現役生無料はしていなかったかもしれません。

 

あのときいてほしかった人間になる
私は学連現役選手の頃、決して満足した成績は残せませんでした。先輩にも同期にラテン学生チャンピオンがいたので自然の事でしたが、優勝を目指して練習をしていました。それでも結果は振るいませんでした。今でもそうですが、あの当時このような先輩がいてくれたら自分の成績はもっと伸びていいたのに、という存在になりたいと考えています。スタンダード専攻ですから、スタンダードを強くできる人間。そうでありたいと。

また私自身4年生の冬全という集大成となる大会直前に太もも裏に肉離れを起こし歩けなくなりました。それまで大きなけがをしたことが無かった私はどうしたらよいのか途方にくれて、特に処置もせずに自然治癒を待ちました。コンディションに不安を抱えたまま最後の大会に挑み卒部となりました。あのとき身近に体を診てくれる、アドバイスをくれる人がいればどうだっただろう。そう考えることが未だにあります

そのため外傷にも対応できる資格を取り準備してきました。更に無料にすることで金銭的な不安から相談したり来院したりすることを躊躇ってほしくないのです。アマチュア、プロと違い学生の競技会はその年を逃したら次回は意味合いが変わってしまいますから。

 

理科大舞研に入って良かったと思ってほしい
東京理科大という大学はあまり第一志望にならない大学です。多くは上位の国立や別の私立に落ちて入ってくる学生が多いです。薬学部を除くとどうしても理科大に入りたかったという人は多くないでしょう。私も早稲田、上智に落ちての入学です。それでいて入学後は授業がとても厳しく卒業するのが困難です。その結果、言い方は悪いですが卑屈になる学生が多いように感じます。少なくとも早稲田や慶応、東大などの学生とは雰囲気が違います。その理科大生が舞研に入って良かったと思ってもらいたいのです。理科大はバックアップ体制があって羨ましいと他大学から言ってもらえるように。まだまだALL理科大舞研のOBOG会は発足から日が浅く、他大学に比べると現役生への支援が弱い状態。組織のことは動かすのに時間がかかるのは承知しています。個人でできることをやっていきます。

 

情報収集
ここからは私のメリットです。後輩が来ることで多くの情報を得ることができます。選手のコンディション、ダンス界の話題、他大学の情報、噂話、などなど。ただ身体を診ておけば事足りるわけではありません。学連規約から競技会ルール、はたまたゴシップまで知らないと十分な対応ができません。情報収集できることは無料にしても大きなメリットとなるのです。

 

ビジネス面
現役生も数年経てば卒部していきます。そうすればビジネス用語でいう潜在顧客になります。一度受けているので新規患者より遥かに有利です。実際に何人かOBOGが訪れて正規料金を支払ってくれます。予診票を書いてもらい登録することで、後輩も一人前の社会人になったという実感があります。嬉しいものです。また現金な言い方ですが、学生時代に無料にしておくことで周囲に宣伝してもらいやすいです。広告の役割になります。「マネタイズを後ろにずらす」という考え方がありますが、それに近いと言えるでしょう。直近の利益を度外視しても信頼関係を構築する方が後に大きな利益として還ってくると考えています。

 

このようなポリシーを持って現在のシステムになっています。現役の後輩たちには気兼ねなく来てもらいたいです。そして競技会で活躍してもらいたい。そうすれば結果的にうちも大きなメリットになります。

 

甲野 功

 

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