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~鍼灸治療院森空堂~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 鍼灸治療院森空堂院長野村森太郎先生
鍼灸治療院森空堂 院長 野村森太郎先生

 

最近疲れやすくなっています。そこで私にとっては珍しい今月2回目の鍼灸治療に出かけました。


鍼灸専門学校時代や鍼灸マッサージ教員養成科時代は毎日のように鍼灸を(練習ですが)受けていましたが、元々鍼治療を受けるのが嫌いだったので自腹を切って鍼灸を受けるようなことはありませんでした。


先日のはりいんTの卜部先生に続いて、大塚にある鍼灸治療院森空堂の野村森太郎先生のところに行ってきました。

鍼灸治療院 森空堂

鍼灸師である以前に一人の患者として、素性が分からない人の鍼灸治療は躊躇します。どのような人間か分からない、実績や経験が不明、という術者は怖いです。このことは一般の人と変わらないことだと思います。やはり受けに行くのは面識があるかしっかりとした紹介がある所になります。

 

その点、野村先生は何度も会ったことがありますし同じ東京医療専門学校出身ですので安心できます。また以前から色々お世話になっていることもあり、挨拶も含めて森空堂に足を運びました。

 

野村先生と初めて会ったのは数年前のこと、互いの母校が開く「卒業生の集い」の懇親会の場でした。そこで名刺交換をしたことが最初の出会い。当時、野村先生は森空堂を開業したばかりの時期でした。
その後、関東鍼灸専門学校さんで行われたセミナーしんきゅうBBQなど鍼灸師のイベントで一緒になることがありました。
野村先生はライターやカメラマンの技術を持っているのでイベントの広報活動を担うことが多いのです。私には無い能力なので羨ましい。

 

森空堂を訪れるのは今回が二度目でした。5月に行われた「鍼灸学生向け施術見学会」の会場になったので、その時にお邪魔していました。一度入っていることの気安さも来院をする要因の一つです。

 

森空堂室内風景
室内風景

 


大塚という場所もやや関係があります

雨が降っていなければ自転車で行ける距離なので、そう遠くありません。

更に大塚には東京都鍼灸師会の事務局があり、鍼灸師には馴染みのある駅。

加えて大塚会館という有名なダンススタジオがあることと、かつて日本随一と言われた社交ダンスのヘアーセットができる理髪店バンダイがあった、社交ダンスに馴染みのある土地なのです。特にバンダイは私が社交ダンスの競技会デビュー戦からお世話になった理髪店で、一時期普段の散髪までバンダイでしていたため大塚に通っていました。

 

人も土地も縁がある。そういう関係がありました。
今日野村先生と話をしてみて、加えて他にも縁があることを知るのです。

 

 

森空堂で鍼灸治療を受けてきました。

最近本当に疲れやすいのは確かで、昨日は新規患者さんが診療時間外に来たので今日は一段と疲れていました。よって偵察とか勉強とかいう目論見抜きで、純粋に受けに行った感じです。


問診表を記入した後、問診、患者着に着替えて施術開始。脈診(手首の動脈の状態を診る)、腹診(腹部の状態を診る)、切診・触診(体を触って状態を診る)などを行います。
この時点で鍼灸師の個性が色濃く出るもの。どのような視点で患者さんを診ているのか興味深いところです。

 

ベースには経絡治療があるようでオーソドックスなところと、独特なところが見受けられました。私の場合、徒手療法から始めたキャリアなので割と按摩指圧をしながら指で確認しつつ会話で問診をしてしまうことが多いのです。きちんと診立てをするのに感心しました(鍼灸師免許持ちとしては感心してはいけないのでしょうが)。

 

刺鍼(体に鍼を刺すこと)は01番鍼というかなり細い鍼を使っていました。私はもう少し太い鍼(1~3番)を主に使うので、このことは意外でした。
※日本の鍼では番号が大きくなると鍼の直径が太くなります。
ここまで細い鍼を手足に使うのことが意外でした。個人的には鍼刺激に弱い体質なので助かりましたが。

 

仰向けで本治という身体全体の状態を整える鍼灸を行った後、うつ伏せで背中や腰といった固さを取る標治というやり方をしました。
このときにカイロプラクティックの技法をやや取り入れていることが他と違うところ。私も骨格矯正を行うのですが、純粋な鍼灸と組み合わせることはしないので、こういう組み合わせもあるのだと勉強になりました。

 

 

鍼灸施術全体を通して感じたことは、最初の評価をしっかりすること。評価とは患者さんの状態を把握し、どのようなやり方(プラン、方針)で鍼灸をしていくかを決定することのような意味です。
問診はもちろん、脈診、腹診、切診、触診という鍼灸師が行うベースの診方に加えて、頸部の回旋や脊柱の方向といったカイロプラクティックの検査法も活用しています。
実際の施術に入る前段階を大切にしていることが分かりました。私は圧を入れながら触診を兼ねた施術をしていきながら鍼灸の方法を考えていく方なので、このことは勉強になります。

 

もう一つ感じたことは会話の重要性。図らずも野村先生は「まあ話に来ているだけの患者さんも多いんですけど」と言っていましたが、会話というのは臨床で重要だと感じました。患者の立場で行ったからこそなおさら。
同じ開業鍼灸師であり、同じように一人で院を運営しています。母校も同じ。似た環境だから話せることがあるわけです。
家族には話せない、話しても完全に理解してもらえない仕事のことや業界のことを話せるというのは大きなストレス発散効果があります。


仕事柄、他人の相談を聴くことは多いですし、それも得意なのですが、やはり時には誰かに話を聴いてもらいたいという気持ちがあります。気が付けば家族の中で私は相談を受けるばかりでほとんど相談を聞いてもらっていない状況に気づいてしまいました。自分から話そうとしていません。どこかで他人に頼ることを拒否していたというか。

 

そう言えば、うちに来る常連さんも話をすることが目的の割合が高い人もいます。当たり前のようになっていましたが、このことを再認識できたことは大きな収穫でした。

 

話してみると今まで知らなかった野村先生との接点が発覚しました。
野村先生の鍼灸専門学校同級生が、かつて私が勤めていた職場の同僚だったこと。新人として入ったその人を管理職だった私が、業務や勉強を教えたのでした。そもそも東京医療専門学校に入学する際に受験対策をしたのも私だったいう。
あまりの偶然に野村先生も私も驚きを隠せませんでした。

他にも色々重なるところがあって世間が狭いということがよく分かりました。


これも会話が弾む、話しやすい雰囲気を作ってくれる、引き出してくれる、という野村先生の力量なのでしょう

 

 

これまで鍼灸の練習や勉強は散々してきましたが、自腹を切って鍼灸を受けに行くということを極力避けてきました。
自ら開業してみて大変だった体験があるから、知り合いが開業したら行ってみようという理由で、(仕方なしに、義理で)鍼灸を受けるところがありました。それを今月から自らの成長のために受けにいこうと気持ちを切り替えるようになりました。

 

甲野 功

 

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