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~神経経済学というものがあるらしいが~

今回もまた「行動経済学 見るだけノート」の内容について。この本の最後の方に”これからの行動経済学”の話題が載っていました。行動経済学のその先という項目です。そこには、また私にとって初耳の用語が出ていました。


それが
神経経済学(ニューロエコノミクス:Neuroeconomics)
です。

 

大脳生理学で用いられる手法を用いて経済的な意思決定の際に脳がどのように機能しているか解明しようとする学問とのこと。脳の機能を調べるために、機能的磁気共鳴画像装置(fMRI)などの機器が用いられ、人や動物の脳の活動にともなう血流の反応を可視化する。これによってドーパミンなどの分泌がどのように変化して経済に関する意思決定がどう変化するかなどが研究されてきた、とのこと。

 

経済学に心理学が付加されたのが行動経済学ならば、大脳生理学が合わさったものが神経経済学。実態はほとんど大脳生理学の分野になるようです。
一見関連性が無かった学問分野が合わさって新しい分野が生まれる。これも検査機器の発達による時代の流れでしょう。

 

さて経済活動の際に脳はどのような動きをしているか研究が進んだとしたらどうなるのでしょうか。もしくはどうするのでしょうか。


大事な商談において決断をするときに、この脳の状態は失敗する、この脳の状態は冷静に判断できている、全く自らの頭で考えていない、など数値で分かるようになるのでしょうか。また購買決定をするときの脳の状態を解析してメカニズムが判明するのでしょうか。

 

そうなった場合、次の段階は外部からの刺激によって脳に買い物をしたくなるように仕向けるモノを発明することが予想できるわけです

それが倫理的にやってよいのかは別として、必ず研究はされると思うのです。行動経済学は心理学から経済活動を研究し購買させる方法を生み出してきました。ならば神経経済学でも同様に購買意欲を上げる手段を講じるところまで進む事でしょう。


現時点でもBGMによって購買内容が変わることや、コーヒーの匂いがあると購買意欲が上がるというデータはあるわけです。このときの脳の状態を可視化できれば、購買により効果のある音楽、匂いを見つけて導入するお店は出てくるはずです。

薬物を使って行えば、それは間違いなく違法でしょうし洗脳や強要に当てはまるでしょうが、そのうちに「お客様が商品を買いたくなる気持ちにさせるジュース」のようなものが誕生し、それを店内にて無料で振舞われることが起きるかもしれません。違法性や倫理の問題は別として、このようなことが起きるかもと予想しています。

 

さて、ここで鍼灸
鍼灸治療によって脳に及ばす影響があることは研究が進み確認されてきております。数は少ないですが大学での実験・研究により脳内血流量が変化することは認められています。ちょうど最近NHKのゴールデンタイムで東洋医学の特集が組まれましたが、実験研究を行っているのです。
ですから、今後大脳生理学と鍼灸の研究が進めば、購買意欲が上がるような脳の状態にしやすくする鍼灸手法がひょっとして見つかるかもしれません。

 

これはあるお笑い芸人が述べていた理論です。
人は温泉に入っているとネガティブなことを考えない
→それは体温が高いと脳が前向きなことを考えるようになるかららしい
→体を鍛えてマッチョな人は平均体温が一般人よりも高くなっている
→だから筋肉芸人はいつもポジティブなのでギャグが滑ってもひるまない
というもの。
真偽は定かではないですが、確かに筋肉を売りにしている芸人さんは受けなくても気にしないような気が。


この理屈が正しいのならば、灸で(鍼でも良いですが)体を温かくしたら、買い物の際に考え方がポジティブになって躊躇せずに購入を決断するかもしれません。かなり暴論ですが一応このような仮説は立てられるとは思うのです。

 

このように鍼灸と経済学を組み合わせて<鍼灸経済学>ができるかもしれません。
<鍼灸施術を受けて人(刺激群)はそうでない人(コントロール群)に比べて明らかに(統計学的有意水準を満たして)買い物をした>
なる実験研究が行われる?かも。


はっきり言って無茶苦茶な話ですが、今まで関連しなかった物事を組み合わせることでイノベーションが起きます。
鍼灸と経済学という何の接点も無かったものを神経経済学によって関連付けて考えてみる。このような(荒唐無稽な)発想が未来の鍼灸を創るのではないかと思っています。

 

甲野 功

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