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ウオノメ(魚の目)。足の裏にできて、歩くと痛みが出る。ウオノメに悩んだ経験がある方もいることでしょう。このウオノメにお灸が効果があるということを知っていますか?。鍼灸師には常識の知識なのですが、あまり知られていないようなので紹介します。
ウオノメは、正確な用語では「鶏眼」(けいがん)と言います。似たようなものに、いわゆるタコである「胼胝(べんち)」があります。更にいわゆるイボ、「疣贅(ゆうぜい)」もあります。タコは痛みを伴いません。イボはウイルス性であることがあります。
似ているようで、どれも対処方法が異なります。お灸で効果があるのはウオノメです。余談ですが、鍼灸国家試験では各々対応を覚える必要がありました。一般的にウオノメで通じるところを、敢えて練習問題には「鶏眼」と記載され、他の選択肢に「胼胝」、「疣贅」が入っているといったような。柔道整復師の勉強ではここまで細かく習った記憶がありません。ウオノメにはお灸を使うことがあるため鍼灸師の勉強は用語まで覚える必要があったのでしょう(今の授業カリキュラムではどうかは分かりませんが)。
ウオノメは芯ができてそれが痛みの原因となります。皮膚科を受診すると、スピール膏を貼る、ウオノメに体重が掛からないようにパットを付ける、外科的に取り除く、などの処置があります。このようなやり方とは別に、昔からお灸をウオノメに据えることが知られています。お灸のやり方は棒灸や台座灸といった皮膚と艾(もぐさ=ヨモギを乾燥させて精製したもの)に隙間ができるものではない、艾を捻って(指で成形して)皮膚の上に乗せて線香で燃やすやり方をします。更に燃やしきる焼灼灸です。途中で固く捻った艾を取り除くことをしないで、燃やしきるやり方を焼灼灸と言います。
ウオノメにお灸をしても最初は熱く感じません。何壮(お灸の単位は壮で回数や個数と思ってください)か据えていき、熱いと感じるまで同じ個所に繰り返します。このようなお灸を何日かおきに繰り返すと、芯が取れて治ることが知られています。
※効果には個人差があるので絶対効果があるとは言えません。
灸師の立場から言うとウオノメへの灸は比較的簡単なものと言えます。足の裏は人体の中で特に丈夫な場所。少し火傷をしても綺麗に治る箇所です。そして焼灼灸は燃やしきるため技術的にさほど難しくありません。他の艾を捻る灸法では熱が柔らかくなるように艾の捻り方をソフトにしたり、とても細くなるように捻ったり、燃えている途中で指により熱を緩和させる処置をしたり、と気を付けることが多いのです。
鍼灸師ならば知らない人はいないはずのベーシックな技術と知識なのでウオノメに困っている方は、お灸という選択肢を頭に入れておくと良いですよ。
甲野 功
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