開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
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住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
毎年恒例、確定申告の作業に追われています。独立してから、もう何度も経験していますが、面倒な作業ですね。毎日収入と支出をデータ入力しているため、各月毎の売り上げや利益、各項目(消耗品費、光熱費、家賃など)の支出、前年比、諸々結果は既に出ています。それを領収書や通帳などの現物と照らし合わせてチェックしまとめて、税理士さんに提出できるように整理する作業が必要です。
私はアナログなことをしていて、ノートに数字を記載し、領収証を貼り付けることをしています。かつて在籍した職場で、別々に二人の経営者が今の私と同じようにアナログで帳簿をつけていました。パソコンのデータだけより文字にしていることでミスが見つかることと、例え片方が消えたり無くなったりしても助かるからということです。そして今の業務形態ではまず無いのですが、税務署から監査が入ったときにデータと実物(つまり帳簿)の両方があれば信頼されると聞きました。
子供の頃から父親が細かい字で数字管理をしている姿を見てきました。今でも父は紙に書いて経理処理をしています。私も同じようになりました。堀江貴文氏は交通費の清算を自分でする人はバカだと言います。誰かバイトを雇ってやらせて、その時間を有意義に使えと言います。それは企業に勤めていてもそうだと。確かに一理ありますが、経営者の場合は金銭の流れを把握する意味で必要な作業だと私は考えています。毎年確定申告をお願いしている税理士さんの話では、レシートの束をどん!と渡して、おまえが整理してまとめて、という人もいるそうです。そういう方がどのような経営をしているのか不明ですが、確定申告を前に誰も整理していない時点で将来が不安になります。いわゆるどんぶり勘定ということで、第三者の税理士さんがするまで作業をしていないわけですから。
結果は分かっていてもいちいち数字を追いかけてノートに記載するのは本当に面倒で、直接利益にならない作業です。苦行とも言えます。そうなのですが、それを敢えてすることで見えてくることがあります。
まずミスが見つかります。数字の打ち間違え、計算間違いが気を付けていてもあります。何度も見直して手を動かすことで間違いを発見できます。危機管理の研究によれば大人数でチェックをするより一人でチェックをした方がミスが見つかるそうです。「他の人もいるから大丈夫でしょ」という怠慢が出るからです。またチェックの仕方を変えた方がミスが減るそうです。反対順で見ていく、項目を分けてみる、などのように。このような類のチェックを嫌でもすることになります。地道な作業ですが大切な作業なのです。
次にキャッシュフローが理解できます。お金の流れ、すなわちキャッシュフロー。この時期に収入が多くて、このタイミングで大きな支出があった、といったお金の出入りを履歴として追っかけて行くわけです。月ごとにまとめた数字だけでは見落としてしまう、お金の推移。どのタイミングで設備投資をしたのかを振り返ると、忘れていた当時の状況が思い出され今後の参考になります。気持ちがのっているときに大きな買い物をしてしまうので。
また買ってはみたものの全然出番がない備品もあり、忘れていた(忘れたがっていた)ことを喚起させてくれます。
患者さんのことを思い出す。段々訪れる患者さんが増えてくると日々の仕事に追われて記憶が上書きされていきます。ああ、この患者さんはこの時期に初めて来たのか、この患者さんは治療内容をここで変えたのか、ここを境に全く来なくなったな、など思い返すきっかけになります。他の同業者も同じことを述べていましたが、定期的に患者さんを想い返すと、その方が突然再来院するというジンクスがあります。患者さんの履歴を見直す作業にもなります。
数字を細かく追いかけることには、これらのメリットがあります。
とは言っても、できれば面倒な作業なのでしたくありません。確定申告という絶対にやらなければいけない責務があるからこそできるものです。特に私の場合、税理士さんの締め切りが1月末までなのでどんどん進めないと間に合いません。その代わり、周りより早い時期に確定申告の焦りから解放されます。効率よく作業を進めて早めに終えたいものです。
甲野 功
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