開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
先日、横浜青葉台にあるまや治療室にお邪魔してきました。
こちらは上床真耶先生が行っている女性向け鍼灸院です。
上床先生は東京医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成科の後輩にあたります。
教員養成科は最高学年である2年次に卒業論文発表会を年度末に行います。上床先生が発表した年も私が聴きにいったことで面識ができました。
その当時から開業することを考えていたという上床先生は、昨年の5月当院で行われたミャンマーチャリティカフェに来てくださいました(今年も5月12日に行います)。教員養成科の先輩で自宅開業に近い形で行っている実態を知りたかったそうです。
このときに上床先生と突っ込んだ開業や経営の話をしました。初期コスト、広報、立地、運営スタイルなどなど。そのとき、開業したら花を持って伺いますよ、と伝えました。
上床先生は専門学校の非常勤講師をしながら開業準備をして今年に入りプレオープン。4月に正式開業となりました。昨年のチャリティカフェでの口約束を守ることと、とても順調な滑り出しをした上床先生のやり方を学びに、初めて東急田園都市線青葉台駅に降りました。
上床先生の手作りパスタをご馳走になりながら院内を見学させてもらい、話をしました。
住宅地にあるまや治療室はうちと同じような条件。商店街や駅前のような人通りが多い立地ではありません。大きな看板を掲げておらず、あまり外から鍼灸院と分かる感じではありません。
上床先生のやり方で感心するのはInstagramをとても上手に活用していることです。そのノウハウを教えてもらいました。
今回の訪問で大きな理由がInstagram活用について話を聞くことでした。
開業鍼灸師のSNS活用について話す機会がまたあるので実践者の生の声を仕入れておこうと。美容系の鍼灸院を別にして、私が知る限り一番Instagramを活用している先生だと思っています。
戦略も戦術も理にかなっていて細かな工夫をしていることが話を聞いて分かりました。私がそのままやり方を真似することはできませんが(ターゲットや個性が異なるため)、これからの開業鍼灸師に大きなチャンスをもたらすヒントを得ました。今後プレゼン資料にまとめるのが楽しみです。
まや治療室は自宅兼鍼灸院の形態で、施術室は広く白を基調とした内装でした。
開業することは自分の理想を具現化することになります。施術室の様子で院長・術者のポリシーが見えるものです。待合室と一緒になった空間はリビングのよう。中には数々のドライフラワーが飾られており女性らしさを演出していました。
なお今回約束通り開業祝の花を持参したのですが、イメージカラーが分からなかったので苦慮しました。院内に飾った時に悪目立ちしないか?と悩みます。私自身が開業当時に花を贈られてとても嬉しかったので開業祝に花を贈るようにしているのですが、せっかくならばその雰囲気に合うものがいいですよね。
無難に女性らしいピンク系の色にしたのですが、これならばもっと薄い色合いでも良かったかもしれません。もしくは葉の緑が強いものか。中に入って思いましたね。
鍼灸師の視点で気なることは、上床先生は良導絡を行うことがあります。
良導絡とはまた別に機会に詳しく説明しようと思いますが古典的な経絡にもとに、電気抵抗を計測して身体の状態を数値化して治療に役立てる現代的鍼灸のやり方です。創設者は医師の故中谷義雄先生であり、脈診や腹診といった伝統的なそれでいて曖昧で術者の個人差が出てしまう身体の見立て方を、客観的に可視化できるようにしようとしました。
皮膚の電気抵抗を計測し数値をプロットすることで、自律神経の状態をみることができるとされています。その際に使う装置が「ロイヤルエイト」という良導絡の器具。それが置いてあることは同業者として注目してしまいます。
※良導絡については書き出すと膨大になってしまいますのでまた別の機会にしっかりと触れようと思いますが、良導絡は身体の状態を数値化できることで伝統鍼灸と現代鍼灸の懸け橋になるかもしれないもの。伝統鍼灸の大きなネックとなる客観性に乏しい点をカバーできます(できると思われます)。
そして上床先生は不妊に対する鍼灸を行っており、基礎体温表の見方にも長けています。良導絡測定も基礎体温表もどちらも数値化したグラフを読み取る点が共通しており、相性が良い。鍼灸のスタイルとしてうまくできていると思います。
今回上床先生の職場にお邪魔して話をして感じたことはとても楽しそうでやる気に満ちているということ。
昨年のミャンマーチャリティカフェ以外にも、大塚の森空堂で開催された「えみすけ小児鍼セミナー」でも一緒になった上床先生。そのときとは確実に雰囲気が変わっていました。正直な印象として、迷っている・不安だ、という表情を感じていましたが、昨日は「生きることが楽しい!」と顔に書いてありました。
上床先生のポリシー、生き方、今後のキャリアプランなどと関係して理想に近いライフスタイルが実現できていることのようでしょう。
経営テクニックや鍼灸の施術スタイルもさることなら生き方に軸がしっかりとあることが一番の強みであると私は読み取ります。後輩になりますが上床先生のノウハウ面はもちろん、生き方やこだわりにも大いに刺激を受けて参考になりました。
1年前のチャリティカフェ来場のお返しというつもりが当初あったのですが、結果的に良い勉強の時間になったのでした。
甲野 功
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