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6月20日に中小企業庁が発表している「セーフティネット保証5号」というものが更新されました(6月25日に一部訂正)。
これは簡単にいうと業況の悪化している中小企業が利用できる保証制度です。これに載るということは業績悪化が表面化し、中小企業庁が手助けする対象になるということですね。
<中小企業庁 セーフティネット保証制度(5号:業況の悪化している業種(全国的))>より
セーフティネット保証について説明します。1号から8号まであり、以下のような分類です。
1号:連鎖倒産防止
2号:取引先企業のリストラ等の事業活動の制限
3号:突発的災害(事故等)
4号:突発的災害(自然災害等)
5号:業況の悪化している業種(全国的)
6号:取引金融機関の破綻
7号:金融機関の経営の相当程度の合理化に伴う金融取引の調整
8号:金融機関の整理回収機構に対する貸付債権の譲渡
この中のセーフティネット5号を詳しく説明すると以下の通りです。
『
セーフティネット保証5号の概要
1.対象者
業況の悪化している業種に属する事業を行う中小企業者であって、経営の安定に支障が生じていることについて、市区町村長の認定※を受けた中小企業者。
※企業認定基準
指定業種に属する中小企業者であって、以下のいずれかの基準を満たすこと。
イ )最近3か月間の売上高等が前年同期比で5%以上減少している中小企業者。
ロ )製品等原価のうち20%を占める原油等の仕入価格が20%以上上昇しているにもかかわらず製品等価格に転嫁できていない中小企業者。
2.保証限度額、保証割合、保証料率
証限度額:一般保証とは別枠で、無担保保証8千万円、最大で2億8千万円
保証割合:借入額の80%
保証料率:保証協会所定の料率( 0.7~1.0% )
』
話を戻しまして、6月20日に令和元年7月1日~9月30日までのセーフティネット保証5号の指定業種が発表されました。
その一覧に
8359:その他の療術業
が含まれています。
続いて、この番号や意味について先に説明しましょう。
統計を取るために日本における産業を分類して記号、番号を割り振っています。現在のものは平成25年10月改定、平成26年4月1日施行されたものです。
大分類がA~Tまであり、以下の通り。
A:農業、林業
B:漁業
C:鉱業、採石業、砂利採取業
D:建設業
E:製造業
F:電気・ガス・熱供給・水道業
G:情報通信業
H:運輸業、郵便業
I:卸売業、小売業
J:金融業、保険業
K:不動産業、物品賃貸業
L:学術研究、専門・技術サービス業
M:宿泊業、飲食サービス業
N:生活関連サービス業、娯楽業
O:教育、学習支援業
P:医療、福祉
Q:複合サービス事業
R:サービス業(他に分類されないもの)
S:公務(他に分類されるものを除く)
T:分類不能の産業
大分類P:医療、福祉には中分類83:医療業があります。
「この中分類には,医師又は歯科医師等が患者に対して医業又は医業類似行為を行う事業所及びこれに直接関連するサービスを提供する事業所が分類される。」と定義されています。
中分類83の中に更に「835:療術業」があり、その中には8351と8359があります。
●8351:あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師の施術所
あん摩マッサージ指圧師,はり師,きゅう師及び柔道整復師がその業務を行う事業所をいう。これらの者が出張のみによってその業務を行う場合も含む。あん摩業;マッサージ業;指圧業;はり業;きゅう業;柔道整復業
●8359:その他の療術業
温熱療法,光熱療法,電気療法,刺激療法などの医業類似行為を業とする者がその業務を行う事業所をいう。これらの者が出張のみによってその業務を行う場合も含む。太陽光線療法業;温泉療法業;催眠療法業;視力回復センター;カイロプラクティック療法業;ボディケア・ハンドケア・フットケア・ヘッドセラピー・タラソテラピー(医業類似行為のもの);リフレクソロジー
8351は厚生労働省認可資格免許で開業権がある業種の施術所です。私の業種はこの8351に入ります。
対して8359は厚生労働省が管轄しないもの全てが入り、「いわゆる整体」と称されるものです。8351分類の人間がよく用いる無資格者というカテゴリーです。
話を元に戻しましょう。
今回更新された「セーフティネット保証5号」(7月1日~9月30日)の一覧に「8359:その他の療術業」が掲載されました。
つまり何が言いたいかというと整体業界の業績が昨年に比べて顕著に悪化していることが分かるわけです。なお、その前の4月1日~6月30日における一覧にも掲載されています。
少なくとも半年単位で
<最近3か月間の売上高等が前年同期比で5%以上減少している中小企業者>
ということになります。
どういうことでしょうか。
まずこの統計をどのようにとっているのか知らないのではっきりとしたことは言えませんが、マクロの大きな経済視点でみれば業績悪化していることは確かでしょう。確定申告による業績結果から統計を出していると推測できるからです(それ以外に調べようがあるでしょうか?)。市区町村の認定された企業だけが対象なのかはよく分かりません。
そして大手チェーン展開しているリラクゼーションサロンが金額大きいため、そういった企業の業績悪化が大きいのかと予想しています。整体院業界の個人店とチェーン店の比率が分からないのですが、全国展開している大手チェーン店は目立つので私の勝手な予想です。そもそも個人店は企業にほぼあてはまらないので企業と言える経営規模はチェーン展開しているものではないか。
また例え国家資格を持っていても保健所に申請せず、整体師(無資格者)の施術所もしくはサービスとしている業態もここに入るはずです。
厚生労働省認可のあん摩マッサージ指圧師、鍼師、灸師、柔道整復師は開業権が認められていますが保健所の検査や広告制限など運営上の縛りがあります。無資格者ならば保健所の指導が行き届かないですし、医療広告規制にひっかからないので敢えて整体師を名乗って、本来ならば日本標準産業分類8351の業態で行うところを「8359:その他の療術業」で行っている場合もあるのです。
そういった人たちの業績もマクロな視点では業績悪化していると予想されます。
実態はうかがい知れないのですが、中小企業庁という公的機関の発表資料によって、いわゆる整体業界の業績悪化が報告されたと言えるでしょう。なお私の業態8351はリストに入っていません。整体業界よりも業績が安定しているようです。こちらも実態は何とも言えませんが。個々の状況はそれぞれのため。
業界関係者、またこれからこの業界に入ってみようと考えている人たちの参考になれば幸いです。
甲野 功
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