開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
先日、鎌倉方面に行く機会がありました。帰りは江ノ電で藤沢駅から小田急線に乗りました。藤沢に一度行きたい場所がありました。ラクダハウスさんです。
藤沢駅南口で初めての指圧マッサージ・鍼灸という謳い文句。鍼灸マッサージ院ですね。院長の辻先生とは色々なイベントでご一緒させていただいています。一度あじさい鍼灸マッサージ治療院までお越しいただいてイベントを行ったこともあります。どこかのタイミングでこちらの方から伺おうと考えていました。8月のお盆時期にも鎌倉に行ったのですが、猛暑の中歩き回ったところ汗だくになってしまい、ラクダハウス訪問を断念しました。体中が汗まみれでとてもとても。10月に入り、まだ暑いながらもさすがに過ごしやすくなったので、今回行きました。前回のこともあったので本当に訪れるかどうかはその場の状況で決めることにしたのです。ですから完全にアポなし突撃訪問と相成りました。
ラクダハウスは藤沢駅前、商業雑居ビルの6階にあります。ここまで繁華街にあるマッサージ院は久しぶりです。藤沢駅はJR東海道線、小田急電鉄、江ノ島電鉄の3路線があるターミナル駅です。駅前は栄えています。その藤沢駅から徒歩すぐという立地です。それも住宅ではなく商業目的のビルにあります。家賃を考えると凄いことです(ここら辺は開業鍼灸マッサージ師の見方をしてしまいます)。そして平成7年(1995年)創業という。開業後3年が一つの目安と言われ、3年間もたずに閉院することが多いというこの業界。14年間続くというのは相当なものです。これまで私が訪れた院の中でも長い方です。
院内に入るとベッドが4床。この数も多い方です。整骨院だとベッド数が多くなりますが鍼灸マッサージ院でこの数は多い方。まして駅前の繁華街という立地では。スタッフも複数名雇っているとのこと。8月にラクダハウスのスタッフさんと飲みましたが、その日は初対面の方が2名。雇用できるというのは本当に素晴らしいことです。家賃・光熱費に加えて人件費も稼いでまわしていくのですから。同じ開業者として憧れます。
中に入った雰囲気は昔ながらのマッサージ院という感じでした。私にとっては懐かしい。鍼灸マッサージ専門学校に通う前は民間資格のリラクゼーション店で働いていました。今から15年くらい前のことでしょうか。その当時あった店舗の雰囲気を残している。この令和時代にはあまり見かけなくなったスタイルです。それは古いというのではなく、多くが廃業してしまったからであり、14年間に渡り継続しているラクダハウスが持つ地力の結果なのです。
平日の午後、突然訪れたため、辻先生は驚いたようです。だいたいこういうところは予約をしたうえで行きますし。いきなり現れる人は少ないでしょう。自らの経験です。アポなし訪問だったので無理は承知で「今から30分くらいできませんか?」聞いてみました。するとちょうど空いていて指圧マッサージを受けることができました。担当は石川礼先生。8月に開催した樽井先生を囲む会で初めてお会いした先生です。「あはき」と言って、鍼師、灸師、あん摩マッサージ指圧師の3免許を取得しています。あん摩マッサージ指圧師免許を持つ先生の指圧マッサージを受ける機会はあまりありません。きちんと資格免許を持つ先生の指圧マッサージを受けられるので勉強と実益を兼ねて楽しみです。私とは出身学校が違いますから、学校で習ったやり方が異なります。各学校の特色が技術に出るもの。石川先生の母校はどのような感じなのでしょう。技術者として興味があります。なお腰から背中、足がとても疲れていたので自分自身がよい実験台です。
特に気になったのが縦に切る揉み方。専門用語で線状揉捏と言いますが、それがとても印象に残りました。あまり私は使わない手法です。使っている部位も母指(親指)ではなく四指(人差し指から薬指までの4本の指)を用いているようでした。手元が見えないので正確なことは分かりませんが。受けた感触が新鮮でした。また一部皮膚の上から直接手を当てる個所があったのも特徴的。一般に言われるマッサージは我々の世界では按摩(あんま)というものになるのですが、その場合衣服の上から触るのが原則です。石川先生も全体的に衣服とタオルの上から押しているのですが、一部骨の部分を直接押さえて行っていました。他の患者さんもいたので会話をほとんどしなかったので理由がわからなかったのですが、意味のあることなのだと思います。
また組み立てといって、
・時間内(今回の場合30分)
・特に希望する場所(私は腰や足が辛いといったのでそこになります)
・順番(どこから触っていくのか)
・技術を選択する(押す、揉む、叩くなどどの技術を用いるのか)
といったことを総合的に判断して施術を進めていきます。組み合わせは無限にあるので術者の特色が大きく出るところです。施術の起承転結をどうするのかも参考になりました。指圧マッサージは鍼灸のように器材を用いません。そのため器材の差異がありません。器材を準備する時間もないため、ずっと触っていることになります。まして素手が触れているわけです。何が言いたいかというと鍼灸よりもより個性がはっきりします。それはより細かいレベルで。加えてどのような手の使い方をしているのかが鍼灸よりもずっと分かりやすい(視野に入っていなくてもという意味)。手や指の大きさもダイレクトに影響するため情報量が多くなります。
患者として受け手を経験することで多くの気づきがあります。石川先生とは性別も年齢も出身専門学校も全てにおいて私と違います。そのため絶対に今の私にはできないやり方があります。新しい発想を得ることができました。普段は患者さんにする側ですから、受け手の気持ちや感覚が分からなくなってきます。他人の、それも自分と大きくかけ離れたあん摩マッサージ指圧師の手技を受けることは、日常で忘れてしまっていたことを思い出させて、新たな発見が得られるもの。
藤沢に寄り道してラクダハウスに行って良かったです。辻先生、石川先生、ラクダハウスの皆様どうもありがとうございました。
甲野 功
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