開院時間
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私が定期購読して読んでいる本(雑誌)があります。
それがKAMINOGE。
カミノゲとも書き、基本的にプロレス・格闘技を扱った月刊誌です。
中学生時代に週刊プロレスにはまり、当時編集長だったターザン山本時代を思春期で過ごした私。色々あってターザン山本編集長が追放になり、尖った雑誌作りから融和政策に転換した週刊プロレス。その後ターザン山本チルドレンが編集長になりかつての攻めの姿勢が戻った時期もありましたが、段々と離れていきました。
そのときに出会ったのが「紙のプロレス」という月刊誌で、週刊プロレスから消えた刺激をそこに見つけました。そこから「紙のプロレス」を毎月読むようになります。しかし出版不況もあり、「紙のプロレス」は「kamipro」となり結果、廃刊。その後「Dropkick」を経てKAMINOGEにたどり着きました。
KAMINOGEは「紙のプロレス」、「kamipro」のカミと新日本プロレス道場がある地名、上野毛からとっています。創刊号の表紙は現ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロト氏というそれまでのプロレス・格闘技専門誌と一線を画す内容で始まりました。
偶然にも今月号もザ・クロマニヨンズの面々が表紙。
プロレスファンから始まって格闘技にも興味が広がっている私。KAMINOGEにはそれらのジャンル外からも多くの「世間とプロレスをする」人材が掲載されており、知見を広める役割を担っています。
そのKAMINOGE今月号にとても興味深いコラムが掲載されていました。
「アップデートおじさん」とは何か?
これはKAMINOGE94号に掲載されている、プチ鹿島氏による「俺の人生にも、一度くらい幸せなコラムがあってもいい。」の今月のタイトルです。なお、「俺の人生にも、一度くらい幸せな○○があってもよい」というのは(引退した超有名プロレスラー)長州力氏のコメントになぞらえています。
プチ鹿島氏は芸人でありながら政治にも精通しており、人生を豊かにするきっかけを教えてくれるコラムを書くのです(絶賛)。特に今月号は私に刺さりました。
一部抜粋
『
おじさんとしてどう生きればいいのか。最近よく考えるテーマである。
男はおじさんになってからの時間のほうが長い。これ意外な盲点だと思うのです。
』
今はおじさんの時期が長いと鹿島氏はいいます。高齢者が元気になって70歳くらいでも“おじいさん”ではなく“おじさん”。30代最後くらいから数えれば数十年おじさんでいると。そうなると、どのような“おじさん”でいるかは大切なテーマではないのかと問題提起するのです。
『
今の時代に求められているおじさんとは何か?ひとことで言うなら「アップデートできるか否か」だと思う。これに尽きる。
』
先に結論を述べています。
アップデートできるか否か。
これは今の令和時代に求められているおじさんだと。とても重要な意見だと思うのです。
『
「昔はこうだった」「自分の時代はこうだった」「今の世の中は苦しい」・・・・。だいたいこの手の考えが浮かんだら危ない。私はこういう時は、「あー、危ないですよ」と心の中の山本小鉄に叫ばせるようにしている。
』
鹿島氏はこのように自分を律していると言います。
なお山本小鉄とは故人で元プロレスラーであり、鬼軍曹と呼ばれた若手プロレスラーの教官役を担った人物。プロレス中継解説者としても有名で、試合途中に「あー、危ないですよ」とコメントを挟むことがままありました。こういったことはKAMINOGE読者には基本知識としてある前提でコラムを書いています。
『
なら、せめて「今日からは変わろう」と思うしかない。ここで開き直るか、変わろうとするのか。今、おじさんの大事な分岐点なのである。間違いなく。
』
長いおじさん人生、もうしょうがないと開き直るのではなく、変わろうとする=アップデートすることを選択しようと提案しているのです、鹿島氏は。
私も40代に突入し完全なおじさんになったという自覚があります。だからといって変わること、成長をすることを放棄したらその先がありません。アップデートを繰り返していかないとやっていけない。そう思っています。
特に私は自営業であり、個人で経営をしています。(立場的な意味で)誰も仕事のことを注意してくれませんし、部下もいません。日々患者さんや世間と真剣勝負で、必要とされなくなったらそこで経営破綻です。
インスタグラムとかYouTubeとかよく分からないよね、などと言っていられません。世間で何が流行って時代がどのように変化しているのかつぶさにチェックしていないと仕事に支障をきたすわけです。働いている現役世代のライフスタイル、今の子育てママさんの状況や常識を知らないと治療ができません。
法律やルールも変化していて5年前(開業当時)のやり方は通用しない(できなくなる)。今の大学生が私の頃と同じ価値観ということはありえません。様々なことをアップデートしないとついていけなくて、もうおじさんだからと開き直るわけにはいかないのです。
よいしょしてくれる部下もいないですし、律してくれる上司もいません。守ってくれる組織もありません。恐らく満足に動けなくなる(治療ができなくなる)その瞬間まで現役であり続け、アップデートし続けないといけません。かつそのことを望んでいるのですが。
最近放送された人気バラエティ番組「アメトーーク!」を見ました。テーマは「おっさん達」。私より年上の50歳近い芸人たちがトークを繰り広げていました。
「息を吐くように愚痴が出る」
「頑張ったって仕事が変わることはないから爪痕を残そうとも思わない」
など衝撃的なコメントが出ていました。バラエティ番組ですからそのような台本だったのかもしれませんが、個性や才能が求められるまさにテレビタレントがこのような感覚だとは驚きです。世間一般の我々よりはるかに時代を読んで変化しないと生き残れない世界だと思っていたので。相当な気持ちでいないとアップデートは難しいようです。
もうおじさんだから、という言い訳を捨てて、臨床家としても経営者としても人間としても過去の栄光に囚われず新しいことを受け入れ学習しないといけないと思いました。人生経験のアドバンテージが通用しなくなっていく時代です。大概のことはスマホが解答を出してくれます。人生経験を活かせる状態にするためにもアップデートしていこうと、このコラムを読んで決めました。
甲野 功
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