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~ハトマ。というイベント~

ハリトヒト。編集部より ハトマ。集合写真
ハリトヒト。編集部より ハトマ。集合写真

 

 

先日10月27日、千葉県幕張にある関東鍼灸専門学校でハリトヒト。マーケット(通称:ハトマ。)が開催されました。これは、これまでも何度か紹介している鍼灸師に関するWEBメディア「ハリトヒト。」が初めて開催した、オフライン(オンラインの対義語で現実に行うという意味)の集まりです。これまでハリトヒト。のメンバーがこれだと思う鍼灸師に会ってインタビューし、それを記事にしてネット上で公開してきました。その内容をまとめて製本した「ハリトヒト。vol.1」が発売され、今回は第二弾となる「ハリトヒト。vol.2」の完成に合わせて開催されたイベントがこのハトマ。となります。内容はこれまでインタビュー記事に登場した鍼灸師の先生が登壇した講演、対談が3つ。

・鍼灸教員が学校では伝えきれないこと/関東鍼灸専門学校 副校長:内原拓宗先生
・鍼灸師に知ってほしいがんのこと/鍼灸師:赤星未有希先生
・鍼灸業界のジェネレーションギャップ/鍼灸師:横山奨先生&松田博公先生

 

またマーケットという場所としてハリトヒト。に賛同しているメーカーが集まりました。

日進医療器:鍼灸などの用品を製造販売する企業。ユニコブランドを持つ。
I’SSHIN:ディスポーザブル(使い捨て)鍼のメーカー
ダイヤ工業株式会社:サポーターやコルセットの製造、鍼灸用品の通信販売、クラウド型院内業務統合システムの提供を予定

 

更に個人や学術団体のブースもありました。

・東洋医学えほんを販売します!/やわらか東洋医学:かしはらたまみさん
・鍼灸×安産×育児のなんちゃってエッセイギャグ本を販売します♪/こどもはりねずみサロン:こどはりさん
・マンガ『鍼灸幽霊』を販売します/シータオさん
・易ブースも出店します!/関東鍼灸専門学校内原先生
・和ら会、日本伝統鍼灸学会
・ハリトヒト。

 

会場の前面はスクリーンと席。後面は中央に誰でも使用できるベッド、周りに各ブースが囲んでいました。各講演の間に長めの自由時間があります。そこで交流する、ベッドを使って鍼灸をする、商品を買うなどが個々に行動が選べるようにされていました。事前にクラウドファンディングで申し込みをした人はお弁当付きという。講演は(基本的に)全員が聴いて、それ以外は自由に動き回る。静と動があり、メリハリのあるイベントこれがパーティーですと自由度が高くて自ら動き回るのが苦手な人は苦痛ですし、講演だけですとほとんどを受け身で終わってしまいます。セミナー・勉強会はその内容よりもその後の懇親会(飲み会)の方が重要だ!という意見をよく耳にしますが、その本番から懇親会までのデザインを主催者側が提供しているイメージです。


鍼のサンプルを頂いて試し刺しをしたり、絵本やマンガを購入したりと消費行動(マーケット=市場にふさわしい)を行いました。

あじさい鍼灸マッサージ治療院 ハトマ。で購入した物品
ハトマ。で購入した物品

 

 

当然ながら、初めての方へのご挨拶や名刺交換、既知の先生方と意見交換や情報交換も行いました。独立して一人で鍼灸院をしているのでこういう機会は大切です。私は機会を逃してやりませんでしたが、他にも内原先生の易を体験する、和ら会の取穴(ツボを取ること)・温灸体験、ベテラン鍼灸師によるミニ講習会、などが会場で行われました。中核となる講演の内容はまた別の機会に触れます。

 

このハトマ。というイベント自体がまた新しい可能性を示唆するものだと感じました。昨年の3月に場所が同じ関東鍼灸専門学校にて美容鍼セミナーが開催されました。そのイベントが画期的で新時代を感じさせるものだと興奮しました。ここから関東鍼灸専門学校でイベントを行う流れができたと記憶しています。今回のハトマ。は「ハリトヒト。」という各地にいる有志の鍼灸師集団によって開催されました。学校、学会や派閥を抜きにした個人的な繋がりであるもの。そのため登壇する人も参加する人も、賛同する企業・団体・個人、どれも自由です。学校や派閥の垣根を越えてきた関東鍼灸専門学校で行われてきたイベントですが、そこに企業や技術団体・学術団体も巻き込んで開催するところまできました。

 

どこの業界もあるでしょうが、学校間の見栄の張り合い・流派が違うと否定しあう・お抱え企業を優先して競合企業を排除する、などのいわゆる“大人の事情”というのが多々ある鍼灸業界です。それを「ハリトヒト。」というWEBメディアが、言わば鍼灸師の集まりに過ぎない集団が、主催することでしがらみを可能な限りなくし、同じ会場で行うことができました。最近ですと呉竹医学会に出席しました。これは私の母校、東京医療専門学校を運営する呉竹学園が主催する関連校3校(4校舎)合同のイベントです。今年は養老孟司先生に特別講演をお願いしました。他にも外部から著名な講師をお呼びして特別講演をしたり実技セッションがあったり、学生及び教職員の研究発表があったりと大規模なイベントです。しかしどれだけ内容が充実しても、結局は呉竹学園関係者(在校生、職員、卒業生など)のためだけによるクローズの世界です。呉竹学園にいる特権と言えばそうですが、鍼灸師業界にとってはもっとオープンにしたら貢献できると思ってしまいます。

 

ハトマ。は初めての開催ですし、個人集団が運営していることもあるので、規模は呉竹医学会と比べ物になりませんが、誰でも参加できるという、開かれたもの。貴重なものだと考えます。大阪では「鍼灸フェスタ」というオープンなイベントが開催されました。学術団体や流派の壁を取り除き、一般企業から協賛を受けた大きなイベント。残念ながら今年でひとまず終了ということですが、これも個人が開催することでできたもの。東京ではできないのはもったいないと思っていたところにこのハトマ。が決まったと知り嬉しく思いました

 

そして一つの教室(会場)で行ったことで全員が同じ空間を共有できたことが良かったです大きな学術大会となると同時に多くの会場で講演やセッションが開催されてどれに参加するのか選ばないといけません。移動時間もかかるし、聴きたいものが被ったらどれかを諦めないといけません。規模が小さいということもあるのでしょうが、同一会場で完結してくれているおかげで周りを見れば何が起きているのか把握できます。それが助かりました。別の会場ではこんなことしていたんだ!という後悔をしなくて済むという。遠目に大ベテランの先生が手技を行っている姿やイベントブースが盛り上がっている様子を横目に、目の前の方と話すという空間が安心できました。目移りするのだけど納得できる感覚。

 

そしてハトマ。当日にとても素晴らしい出会いがありました「ハリトヒト。」は編集長のさまんささんが鍼灸師になってからのキャリアに悩んだ経験からできたと言います。つまり鍼灸学生や若手鍼灸師のためにできた媒体。本当は私のような中堅よりも学生や資格をとって日が浅い鍼灸師が参加するためのイベントのはず。そのようなやる気のある学生や若い鍼灸師は会場にいるのだろうか。これまで面識のあるいつものメンバーばかりなのでは?そういう予測がありました。

それはいい意味で裏切られました。

会場で一人の鍼灸学生に出会いました。大阪から夜行バスで出てきてたという専門学校2年生。高校からそのまま進学したというので19か20歳の若者です。赤星未有希先生が講演すると知って大阪からわざわざ出てきたのです。身内をがんで亡くしてがん患者さんに対応できる鍼灸師を目指していると言います。私を含めた初対面の先輩鍼灸師にも物怖じせずに質問を重ねてたくさんの“学校で教えてくれない開業鍼灸師の情報”を入手していました。その鍼灸学生さんがいたグループで一緒に昼飯をとり、イベント終了後も6名のグループで幕張駅のファミリーレストランで1時間ほど会話をしました。大阪から一人で訪れた鍼灸学生が初対面の鍼灸師5名と一緒に意見交換をしている。私からすれば年齢が半分の青年が先輩鍼灸師の助言を聞いて目を輝かせている姿は、とにかく尊いものでした


これだけのやる気と行動力がある若者が業界にいるならば未来は明るいし、その若者に無償で手助けをする開業鍼灸師達の姿も微笑ましいのです。

 

他にも、講演における質疑応答の際に、発言をしている鍼灸学生が何人もいてとても頼もしく思いました。きっと〇〇学会だとか△△鍼灸師会講演だとしたらベテラン鍼灸師が意見を述べて終わるのではないでしょうか。本当に大御所と言えるような大ベテラン鍼灸師の先生もいる中で質問や意見を述べられる学生さんは素晴らしいと思います。昨年のイベントで会った学生さんとも再会し、卒業の進路が決まったことを聞きました。私は教員免許を持っているので、臨床鍼灸師よりも学校側の気持ちがいくらか分かります。こういう学生さんがいると専任教員達もやりがいがあるのだろうなと想像できます。

 

各地から集まった鍼灸師集団「ハリトヒト。」が高名な先生を呼び、協賛団体を募り、全国から鍼灸師を集めて開催したイベント、「ハリトヒト。マーケット」。本当の意義は、行動力とやる気のある鍼灸学生の糧になったこそこだと私は思いました。そのためにできた「ハリトヒト。」のはず。私は偉大な先輩鍼灸師や活躍する臨床鍼灸師、裏で我々を支えてくれる鍼灸用品メーカーさんなどと出会えたことも良かったのですが、一番は未来のある学生さんの姿を目にしたことが喜びです。

 

日曜日の休み、ほぼ一日を潰して参加した甲斐がありました。その分、子ども達は一緒に遊べなくて不便をかけました。家族のことを差し引いても実りあるイベントでした。開催して「ハリトヒト。」メンバーならびに会場を貸していただいた関東鍼灸専門学校さん、各関係者の皆様ありがとうございました。

 

甲野 功

 

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