開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
この度、鍼灸マッサージ専門学校生を対象にしたペア割引を導入することになりました。導入の経緯や内容について書いていきます。
まずこの取り組みを始める原点はとも@鍼灸あまし学生ブロガーさん(この名前でブログを執筆しているので、以後ともさんと書かせていただきます)に慶応大学病院で行われた伝統鍼灸セミナーで出会ったことからでした。
昨年6月に行われた伝統鍼灸に関するセミナーに、まだ入学間もない鍼灸専門学校1年生の「ともさん」は参加していました。なお私はキャリア10数年経って初めて伝統系の技術セミナーに参加しという。どれだけ勉強熱心なのでしょう。
積極的に講師に質問し受け手になる姿勢に感心してセミナー終了後に話しかけてしまいました。そこで私の母校ではない鍼灸専門学校の1年生だと知り、本当に驚きました。
ともさんは学生ですがIT技術がありブログを書くことをしています。そして能動的に勉強しており、あん摩マッサージ指圧に関する技術セミナーがないことを不満に思い、その思いを発信します。当院でのあん摩マッサージ指圧師学生向けセミナー開催のきっかけとなりました。
このセミナーでともさんときちんと話をして人柄も知ることになりました。
そのともさんが臨床に出ている鍼灸師の現場の施術を見学してみたいという想いに駆られて行動に移しました。詳しくはともさんが運営しているブログ『つぼパレット』をご覧ください。
つぼパレット
<鍼灸学生の治療院見学!患者として施術体験だけでは勿体ない?!迷惑にならないように行くには>
「ともさん」はTwitterでこのようにつぶきます。
『
施術体験だけなら患者として行けるし業務妨害にもならなそうだけど、
施術見学も、となると軽い気持ちではお願いしづらい。でもHPとかだけで自分のどんな施術してるかは判断しづらそうだし色々軽い気持ちで見に行きたい。
見学受け入れてくれる鍼灸院まとめってないんかな…もはや、まとめる…?
』
そして「鍼灸マッサージ治療室らるく」の飯塚先生がこのような提案します。飯塚先生とは前々から面識があり、先生の鍼灸院に伺ったことも反対にこちらに来ていただいたこともあります。ある症状の患者さんについてはメッセージのやり取りで技術的な参考を頂いたこともあります。
鍼灸専門学校で非常勤講師もやられている飯塚先生が学生向けに提案しました。
『
うちの治療を見学してみたいという鍼灸学生さん、いますかね?一般の患者さんへの治療ではなく、2~3人グループでいらして頂き、それぞれ軽く治療する所を見学する感じで。こちらの空き時間を使って1時間程度であれば無料でいいですよ。興味ある方、フォローの上DMください。
』
「ともさん」は旦那さんと一緒に鍼灸マッサージ治療室らるくを訪れます。このように感想を述べていました。
『
プロの施術体験
「鍼灸マッサージ治療室らるく」
透熱灸、棒灸、鍼の施術体験&見学へ。お灸をこよる、点火するがとにかく速すぎ。速すぎる。失眠10壮1分かからないは本物だった。そして気持ち良い熱さ!
学生は見学・体験無料、ということで、ペイフォワード精神&ジェントルマンシップを感じた!!
』
そして「鍼灸ペア見学割」ということを考えます。
『
「鍼灸ペア見学割」
なんてメニューがいろんな鍼灸院で誕生して、鍼灸師or鍼灸学生を含むペアならOKで、今後見学と施術体験はセットで味わう…が当たり前になってきちゃったりしたらとか、想像したらワクワクワクワク
』
ともさんの感動と希望を知り、うちも検討してみようと思いました。
学生さんが施術見学をしたい。これはずっとある希望だと思います。
2年前にも鍼灸学生さん(当時)の希望で鍼灸師による施術見学会が東京都大塚の森空堂(野村森太郎院長)で開催されました。特別に開催しないといけないくらい臨床に出ている鍼灸師の施術見学を実現するのは難しいのです。
まず院側が見学者を受け入れてよいか。それには患者さんの了承も含まれます。ともさんのブログにもありますが、臨床側からは患者さんのプライバシーもあるので簡単には見学を認められない。そうなると見学のために患者役を用意してくれ、となります。
更に学生だから割引にして、というのも色々と意見があるわけです。在野の鍼灸院は専門学校とは目的が異なります。教育のためだから目をつぶってよ、とはいきません。
私もあれこれ考えて、それならば実際に学生さんの話を聞いてみましょう、と先月の2月23日に当院で検討会をしてみました。学生さんに来てもらって講義、実技体験・見学をしたのち、価格や内容の意見をもらいました。
それらの内容を検討して、今回のような内容に決定しました。
対象者を「鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師養成学校に通う学生」に加えて、「鍼灸マッサージ専門学校に進学予定の方」としました。これは昨年の今頃鍼灸専門学校に入学予定の新規患者さんがいた経験があり、鍼灸師の卵(つまり学生さん)だけでなく、今後この業界に足を踏み入れる段階のプレ学生にも枠を拡げた方が得策と判断しました。過去には鍼灸マッサージ専門学校進学を考えていて、相談にくるひともいました。業界のためにも入り口からサポートする必要性を感じています。
学生の定義も、国家試験合格しても3月末日までは所属学校の生徒と判断して対象と入れています。試験勉強に専念して就職活動や練習ができていない学生さんもいるかと思います。進路相談がてら来てもらえれば幸いです。鍼灸師になっても臨床で使わないで業界を去っていく人が少なからずいますので。
学生ペア割引の内容については、学生さんから60分6000円(一人3000円)が妥当ではという意見を頂きました。価格設定は貴重な意見を採用し、30分の施術に質疑応答など時間をとって45分×2の90分くらいにしました。
臨床に出ている鍼灸師であれば、ある程度見ただけでその技術の意図、仕組み、理屈というものが理解できるはずですし、不明点を質問にすることは容易だと考えます。これが学生の場合は学年によって習う範囲がまちまちですので、そうとう細かく説明しないといけないことが想定されます。時間は長めに取った方がいいと考えました。
施術内容は学生さんが希望するものにします。
本当に体が辛くて実際の治療を受けたい。
リアルな臨床のやり方をみたい。
ペアで同じ内容の施術を受けて体験と見学の両方を行って比較したい。
様々なバリエーションを見たい。
何パターンか考えられます。
当院は<色々なことができる>を売りにしているので内容を学生さんの希望に委ねる形にしました。なお国家資格の学生が習得する範囲である鍼灸、按摩指圧、鍼灸+按摩指圧、オイルマッサージのコースに限定し、一応美容も入れておくことにしました。柔整師ですので外傷処置も見せることができますが、学生の習う資格範囲外のことはあまりやらないようにしようと決めました。
料金は合計で6,000円としました。つまり一人3,000円の計算。ただし内訳は任せますとしています。
これは学生さんによっては鍼灸を受けたくない、見るだけでいいという場合もあるかと思ってです。またクラスメイトを患者役として連れてきただけなので、連れてきた学生さんが全額払うという場合もあるかもしれません。トータルの金額を決めてどう割り勘するかは任せるということです。
それと見学者1名まで認めました。見学者は施術や質疑応答のやり取りを見学するのみで、見学者への施術、指導はしないことにしました。これは見学だけなら行ってみようかな、というひとを想定しています。また鍼灸は受けたくありません、純粋にやっているところを見られればそれでいいです、という人もいるのではないかと思っています(学生時代の私がまさにこのパターンでした)。
見学者込みでも料金を6,000円にしています。もしも見学者も少し払えば一人頭の支払い金額を下げることになるかもしれなくて、そういった意味でも内訳は学生さんに任せるとしています。
予約時には所属学校名、学年、名前を知らせてもらいます。名前はもちろんとして、専門学校と学年を事前に知っておくことでこちらも少し準備ができます。鍼灸学校によって特色があります。1年生と3年生では知識が大きく差がありますから説明内容も変えなければいけません。
当日の様子は動画撮影をOKにし、不特定多数に公開するようなこと(ネットに出すなど)は禁止することにしました。ここは線引きをしておこうと思います。実際に行ってみて不都合があれば変えていくことになるでしょう。急にこの取り組みを中止することもあり得るわけで。
ひとまずともさんが起こした流れを繋げてみようと思っています。また東京医療専門学校齊藤校長の教員養成科卒の院は外部の教育機関である自覚を持てといった趣旨の話を聞いて開業鍼灸マッサージ師としてできる活動を進めていこうと思っています。
甲野 功
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