開院時間
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先週土曜日にちょっと目を疑うニュースと写真が出ました。
毎日新聞 4/25(土) 11:38配信
<宗教も宗派も超え祈る 新型コロナ終息願い 「最後の一人まで救い尽くす」>
『
新型コロナウイルスの感染拡大終息を願い、宗教や宗派を超えて毎日正午に祈りをささげようと、奈良市の東大寺は24日、高野山真言宗やカトリック大阪教区などと大仏殿前で共同会見を開いた。
』
奈良県東大寺に仏教の各宗派を乗り越えて集まった僧たち。更に神道やキリスト教という別の宗教からも神職が集まり、記者会見を行いました。
普段から神社やお寺を巡るのが好きな私には、垣根を越えた集合に感動すら覚えてしまいました。日本には疫病や飢饉、天災に見舞われると元号を変えたり、仏像を建立したりしてその災厄から逃れようとしてきた歴史があります。間違いなく世界史に残るであるこうこの新型コロナウィルスのパンデミック。そこで各宗教、宗派が集まった、しかも奈良の東大寺という場所に。おそらく色々と葛藤や弊害があったと思います。このような緊急事態でなければ実現しなかった、する必要もなかったことだと思いました。その勇気に感謝です。
さて神道からは手向山八幡宮(奈良県)が参加していました。八幡宮。それは日本全国の神社の中でも一番(約4万4千社)多く、八幡神を祀る神社で大分県宇佐市の宇佐神宮を総本社とします。当院の近所にも穴八幡や市谷亀岡八幡宮があります。
その八幡宮ですが、関東で特に有名なところと言えば鎌倉の鶴岡八幡宮でしょう。人気観光地である鎌倉のランドマークたる神社です。その鶴岡八幡宮を紹介しましょう。
八幡宮の総本社は宇佐八幡宮ですが、日本三大八幡宮なる分類があるそうで、それには京都の石清水八幡宮、福岡の筥崎宮八幡宮、そしてこの鶴岡八幡宮と言われています。諸説あり組み合わせが変わることもあるようです。ホームページによれば鶴岡八幡宮は1063年に源頼義が奥州を平定して鎌倉に帰り、源氏の氏神として出陣に際して、ご加護を祈願した京都の石清水八幡宮を由比ヶ浜辺にお祀りしたのが始まりとされています。京都の石清水八幡宮が先のようですね。そして源頼朝が1180年に現在の地にお遷したのこと。
いまや鎌倉観光の外せないメジャー神社です。鶴岡八幡宮で結婚式をするのが夢という人もいることでしょう。初詣にはたくさんの人がお参りに来ます。私も何度か正月にお参りに足を運んだものでした。
紹介すると言ってもあまりにも有名な場所なので特に書くこともないのです。
有名な大銀杏。新芽が育っていて新しい木が延びてきています。
静御前が舞ったという舞台も有名です。
石階段を上り拝殿をお参りし、後ろを振り向くと鎌倉の街並みと海岸が見通せます。
散歩番組でも幾度と取り上げられている場所ですね。
少し気の利いた情報を出そうかと、鶴岡八幡宮境内にある旗上弁財天社について触れておきましょう。
境内に入って右側にある源氏池にあります。鎌倉七福神の弁財天を祀っています。鎌倉七福神巡りをするならば必ず訪れる場所。参道から拝殿までの一本道に目を取られますが、一度横道にそれてみてください。なかなかのロケーションです。池に浮かぶ小島に社殿があります。そこには今では珍しい白い鳩がたくさんいます。白い鳩は目立って襲われやすいので自ずと黒い鳩が生き残りやすいのです。密かなパワースポットとして注目されています。そして旗上弁財天社の裏には政子石と言われる石が隠れるようにあります。もちろん北条政子にちなんだもので、政子が安産を祈っておかれたと言い伝えられています。
あれほどの権力者にまつわるものが、鶴岡八幡宮境内とはこれだけひっそりと目立たずに残っているのかが謎です。しかし噂や口コミで子宝、夫婦円満にご利益があるとされて、知る人ぞ知る石なのです。余談ですが、大学の同級生が不妊で悩んでいるときに、私は勝手に気を利かせてこの政子石まできてお参りをしました。そのことは当人に話していません。その後無事に妊娠し、子どもは生まれました。今でも政子石に祈願したことは話していません。
今回、大した内容も紹介しないのに鶴岡八幡宮を出したのはやはり社会情勢のせいです。冒頭に書いた宗教の枠を乗り越えた疫病蔓延(パンデミック)に対する祈りというニュースを目にして、同じように大変だった東日本大震災のときのことを思い出すのです。あの時は目に見える東北への大災害で、東京でも少ないながらも死者が出ました。電車が運休し、計画停電があり、テレビ番組は震災報道のみになりました。それ以前から人生の節目や困難に遭うと鎌倉に足を運ぶようにしていました。鎌倉の長谷寺と鶴岡八幡宮はよく行っていました。2011年の3月末に湘南新宿ラインが運休で新宿からではなく、東京駅まで迂回して鎌倉を訪れました。普段なら外国人観光客でにぎわっている小町通り商店街も鶴岡八幡宮も閑散としていました。鶴岡八幡宮でお参りをした後にこれからの日本はどうなるのだろうと不安になった記憶があります。その当時は無職で就職活動もままならない時期でもありました。
状況は異なれど2011年の春以来の困難を強いられています。しかも日本だけでなく世界も。今は鎌倉に行くことすらできませんが、乗り越えてまた参拝、観光をしたいものです。
甲野 功
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