開院時間

平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)

: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)

 

休み:日曜祝日

電話:070-6529-3668

mail:kouno.teate@gmail.com

住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202

~コロナの影響で近隣高齢者の新規患者が増えた~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 院の看板とボックス、ポスター
外に設置してある院の看板とボックス、ポスター

 

緊急事態宣言が解除されましたが東京都では新感染者が増加しています。警戒を促すために都庁やレインボーブリッジが赤くライトアップされました。特に感染源の多くが夜の新宿と報道されており、新宿区民としてはまた警戒を強めないといけなくなりそうだ、と感じています。

 

本業のあじさい鍼灸マッサージ治療院運営は今年の3月までと4月以降では全く異なったような外部環境に置かれています。


私や院内設備という内部環境は大きな変化がなく、むしろ器材を充実させて環境は良くなっているのです。反面、とりまく外の環境が激変しました。大型台風や大地震、火災といった目に見える被害がないので違った意味で厄介ですね。

 

このような状況に置かれて手をこまねいて待っているだけでは生き残れません。

経営戦略として<より地域に根付く方針>に舵を切りました

この新宿区で生きていくことは変わらないですし、幸いなことに新宿区は多くの住民を抱えています。当院は繁華街ではなく住宅街に構えているのでテレワークが進んでも影響は少ないと考えています。

 

より具体的な策としては近隣に住む子育てママさんに向けて発信していこうと考えて新たにあじさい鍼灸マッサージ治療院のインスタグラムアカウントを開設しました。

 

また後日触れますが新しいチラシを作成しました。チラシを持って広報活動をしていこうと考えています。

 

新型コロナウィルスにより移動範囲が大幅に制限されるなか
徒歩圏内(公共交通機関を利用せずに来られる範囲)の方々に役立つ存在であること
を目標に集中する意識を持ちました。


すると想定外のことが起きました。

 

感染者拡大が落ち着いてきて緊急事態宣言終了の兆しが見えてきた頃からかつて来院されていて、しばらく来なかった方が再び来院する事例が何件かありました。通勤や娯楽のための外出が減ったこと、一度行ったことがある場所は安心する、などの理由のようで数ヶ月から年単位で空いた方も来ました。このことは想定していたことというかこちらの希望でありましたから良かったと思いました。

 

それとは別に近隣に住む高齢者の新規患者さんが現れたのです。これが想定外のことでした
これまであまり無かった、まさに歩いてすぐの近所に住む高齢者が「初めてなのですが」と電話をかけてくるのです。地域の子育てママさんを想定していたためこのことは意外でした。

 

これらの新規患者さんの話を聞いてみると私の頭になかった現実が判明しました。

 

まず当院をどうして知ったのかというと、散歩中に院の看板を見てということでした。看板が目につき、ご自由にお取りくださいとあるボックスに入った紙のリーフレットを持ち帰って電話したのです。

あじさい鍼灸マッサージ治療院は大通り(大久保通り)に面していない住宅街にあります。前の道は交通量が少なく人通りも少ないです。周りに商業施設が無いので本当に住民しか歩いていない場所にあります。そのため犬の散歩に適しており、これまでに犬の散歩で看板が目について問い合わせてきたという人が数名いました。新型コロナウィルス流行により近隣に住む高齢者が院の前の道を散歩するようになり、看板から興味がわいたということなのです

 

ではなぜ散歩をするようになったかというとスポーツジムが休業しているからなのですね。
健康を維持しようと日常的にスポーツジムに通っていた高齢者にとって、ジムが休業して行くところがなく近所を散歩しているのです。散歩をするのに交通量が少ない道を選ぶわけで、その結果何度も看板の前を歩いていたということのようです。


スポーツジム以外にも県外への移動、カラオケなどの遊戯施設、地域交流などそれまで行っていた場所の多くが行けなくなってしまっています。仕事もリタイアしています。公民館での井戸端会議もスポーツジムでプールに入ることも観光旅行もかないません。残された数少ない選択肢が近所の散歩になるのでした。

 

ではスポーツジムも再開しつつあるので、高齢者はまたスポーツジムに行けばいいですね、と考えそうです。
そこが話を聞くと事情が違うようです


私の考えるスポーツジムはマシントレーニングやフィットネスなど体を動かして鍛えるための場所です。しかし家のお風呂代わりにしている高齢者もいるのです。自宅のお風呂掃除が大変。水道光熱費がもったいない。それならばスポーツジムの施設を利用して、風呂のための水道光熱費が会費に入っていると割り切っているという話がありました。

 

私は、若い頃は特にそうでしたが、他人と一緒にお風呂に入るのは抵抗があります。仲の良い同級生とでも合宿や旅行先で入るのは嫌だなと思います。歳をとってくるとそういう嫌悪感とか見栄みたいなものが消えてくるので気にならなくなってきました。近所の銭湯は高齢者ばかりで若い世代がいることは少ないです。


スポーツジムで体を少し動かして設備のよいお風呂に浸かることが主目的の高齢者もいるのでした。風呂に入るときにマスクをつけることはできません。また温泉施設のように広々とした施設は新宿区では難しいのでどうしても他人との距離が近くなります。すると密になってしまって感染が怖くてスポーツジム自体が再開しても行くのをためらうというのです。

 

またスポーツジムといっても専らプールでの水中ウォーキングしかしない高齢者もいるのでプール施設が再開しないなら意味がないという場合も。例えプールが再会できてもマスクをすることができないから結局行けないというのです。

 

若いスポーツマンならば互いに距離をおいてでもジムで鍛えたいと思うことでしょう。高齢者の場合、基礎疾患を抱えていることが多く(基礎疾患があるから健康のためにジムに行くようになったとも言えますね)、新型コロナウィルスに感染しては大変ですから無理にスポーツジムに行こうとは考えないのです

 

定期的に通っていたスポーツジムに行けなくなった高齢者。

その時間とお金が浮きます

近所を散歩していると当院の看板が見えて、休業していません。

運動不足で体も不調をきたしているのでマッサージ(按摩指圧)を受けてみようかな、という心理が生まれたようです。


スポーツジムによってはマッサージルームやストレッチを手伝ってくれるところもあります。スポーツジムが休業でマッサージを受けられなくなったという方もいました。
歩いてすぐにあるから気軽に行けると電話をする決め手になったようです。

 

ここで興味深いのが、このような新規でいらした高齢者の方々は、

散歩して看板を見る設置していたリーフレットを持ち帰る(人によってはホームページを一応みる)電話を直接かける来院

という流れでほぼアナログなもので来院経路が構成されています。ネット予約、LINE、SNSのダイレクトメッセージ、Eメールといったネットツールはほぼありません。看板やリーフレットといった現実にあるツールから電話という会話手段を用いています。

 

我ながらアナログな部分を残しておいて良かったと思いました。

今新規で来る近所の高齢者達は年代的にホームページを閲覧するのがギリギリでSNSで情報収集するような年齢ではありません。携帯電話、スマートフォンは持っていますが電話がメインです。私はネット環境に力を入れていますが、アナログ面も役立つ効果がありました。

 

もう少し詳しく考察を進めると屋号も有利に働いていると思います。


あじさい鍼灸マッサージ治療院』。

 

「あじさい」と平仮名表記で誰でも知る有名な花、紫陽花の屋号。

「鍼灸マッサージ」と何をするところか明記。

「治療院」とストレートな表記で高齢者に馴染みのある言葉。


もしもカタカナ、横文字の洒落たネーミングだったとすると電話しようにも屋号が読めなくて困ると躊躇したかもしれません。

また「マッサージ」とあることで間違いなくマッサージしてくれるところだと看板で理解できます。(余談ですが開業以来ずっと来てくださる近隣の患者さんは看板に鍼灸とはっきりと書いてあるから来たと話していました。鍼灸を受けたいのにホームページまで見て内容を確認するのは面倒で屋号で分かるところにしたと言いました。)
「サロン」としていたら高齢者には私たちには関係ないところと認識させていたと思います。法律上色々物議を醸していますが「治療院」という言葉を敢えて選んでよかったです。

 

このような経緯でいらした高齢者の新規患者さんは初めてなのに長い時間を選択します
比較的若い新規患者さんは30分の短いコースを選択することが少なくありません。自分に置き換えてもそうですが、もしもはずれだった場合に料金も時間も少なく始めた方が損が少ないと考えます。

高齢者は最初から60分、90分と長いコースを選びます。


このことは当院が信頼されていると良い方に解釈することもできますが、考察を深めると
時間を潰したい
時間をかけてリラックスしたい
運動不足解消になるのでは
といったことが私の頭に浮かびました。

 

リタイアした高齢者は時間があります。自粛で行くところが無くなり時間を持て余している場合もあるでしょう。行くなら長時間滞在した方が良いと思うのではないでしょうか。
そしてポジティブな理由でせっかく来るなら時間をかけてもらった方が効くと考えるのではないでしょうか。
3つ目はそこまで考えていないかもしれませんが、スポーツジムに行けず体が鈍っているのをマッサージ(按摩指圧)を受けることでいくらかは効果があると考えるのではと。

 

私の方針で按摩指圧コースは選択できる時間を30分~120分とかなり幅を持たせています。これは相手に選択肢を与えることと、院でかかる時間の目安を分かりやすくするためです。
病院のように初診で行ったら何時までになるか分かりません(診察、検査、結果待ち、処置など不特定要素が多い)というのは患者さんにとって困ると考えるからです。また30分で終わりますと言っておいて実際には90分かかったらそれはそれで困ります。料金が変わらなくとも時間を奪うことになりかねないからです。

 

60分の内容を30分でしてください、と言われればできなくありません。その分一回の刺激が強くなるか、触る場所が減るかします。長いコースを選択してくれることで一回の刺激量を抑えながら全体をしっかり行うことができるので高齢者にとっては受けやすくなります。こちらは経営面で助かりますが、患者さん側にもメリットがあります。

 

長い時間を選択してくれるので、スポーツジムに行けないという声を考慮し、意図的にストレッチや体を揺らす振戦法を入れます。押す・揉むだけでなく、他動的ですが体を動かしてあげて刺激を与えるようにしています。
高齢者ですからスポーツジムに行っても若い人ほど能動的に運動をすることは困難でしょう。こちらが動かしてあげることが有効だと考えます。(非常に個人的な裏事情ですが、時間を調整するのにこの方法は便利です。)

 

 

この新型コロナウィルスによって6年前に始めたことが活きています。


初期費用もランニングコストも抑えたいから家賃の安い住宅街で始めよう。
人通りが少ないけど人口は密集しているから何とかなるだろう。
住民は高所得者が多いだろうから自費でも大丈夫(保険は一切使わない)。
適度にダサくというコンセプトで「あじさい」と平仮名の屋号にした。
保健所に「あじさい治療院」で提出したらダメだと言われて仕方なく「あじさい鍼灸マッサージ治療院」にした(屋号が長くて面倒だなと当時は思った)。


これらのような苦肉の策に近い施策も今は有利に働いています。

 

看板、ポスター、リーフレットとアナログ面も作っておいてよかったです。リモート、オンラインが全盛の今日において重きを置かない部分。4月からインスタグラムやホームページに力を入れていたのに、別の方向から効果が出ています。

 

実はこの地域の高齢者が来るというのは、開業した当初に希望した形でもありました。「あじさいさん」と地域の高齢者に呼ばれたいという希望。それが全く効果が出なかったので忘れていた患者層。


あじさい鍼灸マッサージ治療院が続けてきた、続いたことで実を結び始めたのかもしれません。

 

甲野 功

 

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