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としまえんのはっきりとした閉園が発表されました。
としまえんホームページ 「としまえん」閉園(8月31日)のお知らせ
今年2月に段階的に閉園するというニュースがありました。遊園地の一部あるいはプールだけをまずは取り壊すのではと予想をしていたのですが、豊島園庭の湯(温泉施設)を除いて全て閉園ということでした。そのことに少なからずショックを受けました。
1926年開園といいますから約100年の歴史に今年8月末に幕を閉じるということです。
昨年8月にプールで小学生女児が死亡する事故が起きました。私の長女と同じ年齢だったのでとてもやるせない気持ちになりました。
そして年が明けての2月に閉園するという報道。
加えて新型コロナウィルス流行により休業を余儀なくされてました。最後の年だというのにゴールデンウイークも営業することができず。
ちょうど営業再開となった矢先に閉園準備はじめました。8.31の文字がホームページに。
最後の思い出を作るはずの夏休みも公立小中学校は大幅な夏休み短縮になります。加えて密集を避けるために混雑する状況が生まれないように配慮しないとならないでしょう。とても厳しい状況です。
東京都新宿区で生まれ育った私にとってとしまえんは後楽園ゆうえんち(現東京ドームシティ)と並ぶ身近な遊園地でした。東京ディズニーランドが開園してからはそこが特別になりましたが、ディズニーランドはテーマパークという表現が正しく、遊園地という響きが似合うのはとしまえんであり後楽園ゆうえんちでした。
これまでに年代ごとに異なった関わり方をしてきたとしまえんとの思い出を書いていきます。
としまえんは大正時代にできた老舗遊園地です。“としま”えんと言いながら豊島区ではなく練馬区にあるという。これは『かつて、この土地を治めていた、豊島左近太夫景村の居城跡にあたることから、名前もそれにちなみ「豊島園」と命名されました。』というホームページの解説から謎が解けます。そもそもオープン当時は練馬区が存在していないのですから、まぎわらしいというのはお門違いでした。
「花と緑の遊園地」というキャッチコピーにあるよう、自然豊かな遊園地。東京23区にありながら広々とした作りで、いわゆる遊園地以外にもプール施設、温泉施設、植物園(あじさい園)も併設しています。
かつては池袋まで出てから乗り換えて豊島園駅に向かっていましたが、都営大江戸線が開通してからは最寄り駅から都庁前駅の乗り換えだけで行ける交通の便が格段に良くなりました。
私の成長に合わせてとしまえんとの向き合い方が変わっていきました。
中学3年生の春。
卒業遠足と称してとしまえんや東京ディズニーランドに平日学年単位でいくイベントが3月頃ありました。当時、バラエティ番組「アメトーーク」でいう“中学イケてないグループ”だった私は、2名の友達とフリーパスを貰っているのに集合時間までとしまえん園内をうろうろしながら時間を潰していました。ジェットコースターの類が一切乗れない私は普通の遊園地は結構苦痛です。ただただその年に発症した花粉症で目が痒かった記憶しかありません。
この頃のとしまえんはいい思い出がありません。
大学1年生の時。
部活の先輩方に夏休みのプールに連れて行ってもらいました。幾つもあるウォータースライダー(ハイドロポリス)を何度も乗りました。ジェットコースターはダメなのにウォータースライダーは平気なのですね。小学校の4年間水泳を習っていた私はプールがとても相性がよく、大学生だった私はそこら辺の子ども達よりも楽しんでいました。としまえんのプールは井戸水を使っていると言われ水が冷たいので有名でした。夕方くらいになると水温が下がって苦行のような状態で泳いでいました。
日本で最初の流れるプールはとしまえんだそうです。
専門学校時代。
私は東京医療専門学校という学校を出ています。この学校は春のゴールデンウイーク直前の金曜日に毎年としまえんの運動場で運動会をします。クラスメイトとの交流を深める意味もあるのでしょう。
なお私は鍼灸マッサージ科(3年間)、柔道整復師科(3年間)、鍼灸マッサージ教員養成科(2年)と計8年も同じ東京医療専門学校に通ったため、8回運動会に参加する機会がありました。国家試験がある3年生の時は参加しないこともありましたが随分ととしまえんで運動会をしたものです。
教員養成科1年生の時は大雨で、としまえん入場口に着いたときに中止が決まりその足で帰宅しました。ちょうど長女が生まれた年で夜に行われる教員養成科懇親会まで育休中だった妻と時間を取ることができたという思い出があります。
なお伝統として運動会の生徒全員で行う準備体操は教員養成科2年生が行うことになっており、その際に扮装をするという暗黙のルールがありました。そして教員養成科には扮装道具が残されているという。私はウルティモ・ドラゴンという知る人ぞ知る一流プロレスラーの覆面がなぜかあったのでそれを被り、体操をしました。
あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師になって。
結婚する前の妻と、としまえんのプールに行く予定でした。8月末の日曜日。雨が少し降っていましたがどうせ濡れるから関係ないだろうと現地に向かったところ、まさかのプール休園でした。遊園地で8月の日曜日に休むことがあるのか?と唖然としました。確かにあの水温では泳げないかな、と変に納得しましたが。
しょうがないので豊島園庭の湯に行きました。当時すでに庭の湯が完成しており、子どもから若者だけでなく、お年寄りもターゲットにしていることがみて取れました。この庭の湯は存続するというのも10年以上前のあの頃では想像すらできませんでした。
数年前。
紫陽花が綺麗だという評判を聞きとしまえんのあじさい園に行ってみることにしました。いつの間にかできていたあじさい園。時代の流れでしょう。こちらも高齢者に向けたものだと感じました。
遊具と紫陽花の対象的な景色を写真に納めました。隠れた紫陽花の名所として面白かったです。あじさい園も無くなると思うと一段と悲しいです。
私に似てプールが好きな娘たち。上の子は泳げるのでウォータースライダーも楽しめるはず。昨年の事故が無ければ昨年の内に連れて行ったかもしれません。
中学生から大人まで。世代ごとに違った関わり方をしたとしまえん。父親として子どもと訪れる機会はあるでしょうか。新型コロナウィルスの状況しだいですが、プールの営業が再開するのならば一度子どもを連れて行ってみたいと願っています。少なくとも庭の湯の水着ゾーンで一緒に軽く泳ぐくらいはしたいです。
今年の8月末に一つの時代が幕を下ろすことになります。
随分前に閉園間際の横浜ドリームランドに行ったことがあります。ドリームランドに行ったのはそのときが最初で最後でした。それでも閉園を惜しむ地元ファンの気持ちを感じたものです。きっと子どもの頃から来ていて結婚して我が子とまた来ているのだろうと思われる家族がたくさんいました。
最後のとしまえんを新型コロナウィルスの影響で入場制限あるいは営業自粛ということにはならないことを願ってやみません。
甲野 功
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