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ついにディズニーリゾートの再開がオリエンタルランドより発表されました。
新型コロナウィルスの影響で休園していましたが、7月より再開しますね。東日本大震災以来の困難に、これからどのように立ち向かうのか注目です。
私にとってディズニーランドは子どもを連れて行く場所であり、本人が楽しむというより子どもを楽しませる場所、そしてビジネスを学ぶ場となっています。
過去に2回子どもをディズニーランドに連れて行ったことを書きましたが、完全に仕事目線になっていました。小学校低学年のときに開園した東京ディズニーランド。小学校、中学校と平日に学校が休みになると毎回のように友達と訪れていたテーマパーク。大人になると親になると学びの場になります。
ディズニーを題材にしたビジネス書籍が多数あります。掃除の大切や接遇について書かれた本があります。
そういったディズニービジネス書籍の中でも、ディズニーに関することを広範囲で研究し実践できる教訓を書いた本がこちらです。
最強のディズニーレッスン
ムーギー・キム&プロジェクトディズニー 著
著者のムーギー・キム氏は「最強の働き方」を読んで知っていてので本書も手に取りました。2年の年月をかけて多くの識者ともに書き上げた、ディズニーの研究書であり、ビジネス書であり、自己啓発本であります。これまでいちゲスト(来場者)に過ぎなかった私が、消費者の側から作り手側のことを知る一冊でした。知らなかったことが多々あり、とても意外な面を知ることができました。学術的にディズニーを学べるもの。
内容を少し紹介します。
世界的にも有名なディズニーランド。アジア圏で最初にできた東京ディズニーランドは35周年を迎え、来る40周年に向けて進んでいます。ディズニーランドホテル、ディズニーシーと規模は拡大しており、東京ディズニーリゾートとなりました。
東京ディズニーリゾートの特徴はオリエンタルランドが運営をしており、本国から独立している点。もちろんキャラクターの版権や世界観は厳守しますが、独自の運営方法を実践していると言います。そのため、世界中のディズニーランドと比べても東京ディズニーリゾートは別物だと感じるひともいるようです。
圧倒的な世界観をテーマに持ちながら日本独自の接客や工夫をしていることがとても興味がわきます。東京ディズニーランド=オリエンタルランドというイメージが確かにあります。
ウォルトディズニーは自然を嫌っていたといいます。
幼少期に過酷な自然環境と戦った経験(あるいはトラウマ)が、テーマパークを建築する際には自然を活かすことはせずに木や林を根こそぎ抜いて一度更地にしてから作り上げるのだとか。自然を活かす日本人には少々理解できないところがあります。
東京ディズニーランドは植物が豊富なことでも有名なのですが、創始者のウォルトディズニーにとって、自然は立ち向かい制圧するものであったと解説しています。
またウォルトディズニーは幾多の困難を乗り越えてディズニーを大きくしていったそうです。資金難で苦しみ、契約で大切なキャラクターの版権を奪われ、這い上がりながら今日の礎を築いたといいます。ディズニーは版権が厳しいことがよく知られており、地方の学生が校庭に描いたミッキーマウスの画を著作権違反として訴えたと書いてあります。契約社会であるアメリカらしいといえばそうですが、ウォルトディズニーの苦い経験から版権、著作権に厳しくなったようです。ミッキー裁判と言われ、著作権が切れそうになると延長できるように裁判を起こしているそうです。
かつては白人至上主義だった。
私が子どもの頃のディズニーランドのプリンセス(お姫様)と言えば白雪姫、シンデレラ、眠れる森の美女といったところです。どれも白人、金髪碧眼の美女。更には白馬に乗った王子様を待つばかりで自分から行動を起こすことはほとんどありません。このように白人による白人のためのエンターテインメントだったと解説しております。
世界規模でディズニーを売り出すにあたり、この白人だけの物語は許されなくなり、今は有色人種のプリンセスもいます。多様な人種をキャラクターとして出演させネイティブアメリカンが悪者、黒人は身分が下、といった内容は無くなりました。
近年大ヒットしたプリンセスと言えば「アナと雪の女王」ですが、プリンセス達が自ら行動し問題を解決するストーリーです。綺麗で清楚な顔立ちで王子様に助けてもらうのを待つというものではありません。強いプリンセス、自立したプリンセスに変化しているといいます。
ウォルトディズニー没後、他のアニメーションを買収して新たな世界観や客層を開拓していきました。
本書ではドラえもんがディズニーに勝てない理由がここだと指摘します。ドラえもんはどこまでいってもドラえもんであり、新たな提携はありません。ドラえもんがスパイダーマンと一緒になることはないのです。ディズニーはプリンセスだけでなく他の会社のキャラクターも取り入れていきます。臨機応変に対応を変えていくのがディズニーの強みだと書いています。
確かにドラえもんはいつまで経ってもジャイアンは暴力で物事を解決し、恐怖で周りを支配しようとしています。スネ夫は清々しいほどの腰ぎんちゃくでズルい。昭和の時代ですら「のび太のくせに生意気だ!」というセリフはあまりにひどい人権侵害だと、私の子ども心にも思ったものでした。ディズニーは時代の変化に合わせてプリンセスもキャラクターも変わってきているのです。
これらのように、あまりディズニーをテーマにしたビジネス書では紹介されない負のエピソードにも取り組んでいるのが特徴でしょう。ダークな面を知ることもビジネスとして見た時に大切なことです。
反対にひとを魅了する世界観を築き上げてきたことにも触れています。
東京ディズニーリゾートでは3代に渡って仕事をしているスタッフ(キャスト)がいるそうです。清掃要員は当初、大手清掃企業に委託していたそう。そこから掃除の大切さを説き、カストーディアルキャストと呼んで清掃を”魔法をかける”レベルに意識を高めたことは特筆です。
幼少期からディズニーランドで楽しみ、いつかここでキャストとして働きたい、というファンを生み出し続ける。更に結婚して子供もディズニーリゾートのファンとなりキャストとして内側になりたいと思わせる。やる気のある人材を自前で育てているようなもので、非常に理想的であることでしょう。東日本大震災のときの対応は逸話となって残っています。
その東京ディズニーリゾートが再開します。たくさんのビジネスに関する学びを提供してきました。100年に一度と言われる世界的な感染問題をどう乗り越えていくのでしょうか。娯楽、エンターテインメントが特に打撃を受けています。大勢のお客さんでごった返すディズニーリゾートは簡単に戻れないことでしょう。休園していた損害も相当なものであるはず。アフターコロナ、ウィズコロナと言われる新生活の時代に何を見せてくれるのか楽しみです。
甲野 功
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