開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
※こちらのお店は閉店しました。
これまでに何度か書いていますが、あじさい鍼灸マッサージ治療院の最寄り駅である都営大江戸線牛込柳町駅周辺には食事ができる場所がとても少ないのです。
牛込柳町駅周辺にある2つの商店街は道路拡張工事のせいでどんどんとお店が退去しました。その後できるのは高層マンションばかり。大通りに面しているため高さ制限が解除されて背の高いマンションが建ち並ぶのです。1階を飲食店にするとマンションの資産価値が下がるそうで1階にはクリニックやクリーニング店、歯医者などに。飲食店は減る一方でマンションが増えるばかりです。あまりに飲食店が少ないので住民が新宿区に文句を言ったという話も耳にしたことがあります。
そのような牛込柳町駅界隈で古くからある大衆中華料理店、いわゆるラーメン屋が「ふくちゃん」です。
外見も内装もお世辞は新しく綺麗とは言えません。令和の時代にお店がやるホームページは見当たらず、SNSも運用していません。本当に昔ながらのザ・ラーメン屋という感じです。むしろ昭和時代を彷彿させます。今では珍しくなったこのふくちゃんを紹介します。
都営大江戸線牛込柳町駅ができる前。このエリアは電車に乗るのには不便でした。東京メトロ東西線神楽坂駅も都営新宿線曙橋駅も、そこまでちょっと歩きます。市谷という地名からJRなどの市ヶ谷駅に近いかと思いきやかなり歩きます。飯田橋駅と同じくらいの距離でしょうか。都バスが重要な交通機関でした。
都営大江戸線牛込柳町駅が開通し、その前後から再開発の流れが活発に。多くのお店が新しくでき、そして消えました。結局道路拡張の影響で無くなるお店の方がずっと多かったのです。ふくちゃんは道路拡張の影響を受けない、大通りから一本奥に入ったところにあります。以前紹介した柳湯の隣です。ふくちゃんがある立地は20世紀の頃はあまり良いとは言えなかったのですが(大江戸線牛込柳町駅がありませんでしたし)、牛込柳町駅ができ、道路拡張が進みどんどん飲食店が無くなっていくことで立地条件が相対的に良くなっていきました。なおふくちゃんの斜め前にはやはりラーメン屋である片山(※現在は焼き肉店)があります。お互いの視界にラーメン屋が同士が入るという状況です。
更に数年前に牛込柳町駅には新しい出口、南東口が完成します。それにより、駅出口から徒歩1分足らずという好立地になったのです。ずっとそこにあるだけで環境が有利になっていったといえますね。
外見は本当に昔ながらのラーメン屋という感じです。暖簾に書いてある屋号が目立たず、キリンの提灯の方が存在感を放っています。長く知っている私でもお店の名前は何だっけ?と思って今回確認したほどです。店内も広くなく、詰めても20名は入らないでしょう。このような古いお店ですが、押さえるところは押さえている感じです。
まずメニューが豊富です。ラーメン、チャーハン、餃子など典型的な大衆中華料理店のメニューをしっかりと網羅しています。そして外には写真入りで紹介しています。ラーメン専門店が増えましたが、ラーメン以外にも食べたい人もいるのでこのラインナップは結構助かります。それでいて一押しは味噌ラーメンだと暖簾で分かりやすくアピールしています。その特徴は“濃厚”“野菜たっぷり”と端的に説明しています。多くのメニューから選ぶ楽しさと、一押しをハッキリ打ち出して「迷ったらとりあえずこれを注文してくださいね」という親切さが伺えます。
料理の内容も良くも悪くも昭和の味という感じでしょうか。凝ったものではないが手を抜いたものでもない。男性が好む味という感じです。工事現場で働く人にはたまらないお店なのではないでしょうか。
私がふくちゃんで食べるのはほぼ麻婆丼です。麻婆豆腐が、麻婆丼が好きなのです。
かつて近所に宝竜という、ふくちゃんと同じような大衆中華料理店がありました。同じように少し通りから入ったところにありました。そこの麻婆丼が大好きで、記憶だと保育園の頃から食べていました。宝竜に行くとその麻婆丼しか頼んだ記憶がないくらいです。幼少期の経験がずっと続いて小学校、中学校、高校、大学とずっと食べていました。大学時代はそのお店でバイトをしようかと思ったほどでした。大学を卒業して社会人になり、給料で宝竜の麻婆丼を食べた時に一人前になったなと感慨に浸った記憶があります。その宝竜は場所が移転、そして移転先でご主人が高齢でお店を続けること(料理を作り続けること)ができず閉店しました。跡地にはココ壱番屋が入り、そのココ壱番屋も道路拡張に伴い撤退してしまったのです。子どもの頃からの習慣で定期的に麻婆丼や麻婆豆腐が食べたくなるのです。色々と食べてきましたが、近隣のお店で一番当時食べた宝竜の味に近い麻婆丼を出すのがふくちゃんです。治療院から一番近い食事処でたまに無性に食べたくなるお店なのです。
時代は令和になりましたが昔ながらの、私が子どもの頃に見た風景を残す飲食店がまだ残っています。そういうお店を大切にしたいです。
甲野 功
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