開院時間
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住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
ここ数日猛烈な暑さが続いています。猛暑は災害と考え、台風や地震と同様に最大限の警戒をしなければなりません。新型コロナウィルスも大変ですが、日中炎天下でマスクをして歩くことによる熱中症も大きな懸念事項です。 こうなると観光地が心配になってしまうわけです。
県外移動を止めろ。
マスクを着用せよ。
三密を避けよ。
毎回のことながら宿泊、観光、飲食に関わる産業が生き残れるのか。せめて屋外で人と密接しない観光資源を紹介して観光地のプラスになればと思います。今回は鎌倉の杉本寺を紹介します。山号寺号を「大藏山杉本寺」。
鎌倉駅から海側を背にして北に進む竹寺として有名な報国寺のあるエリアにあります。これまでに報国寺と鎌倉五山第五位浄妙寺を紹介しました。これら2つのお寺が近くにあるので巡るには良いお寺ではないでしょうか。
杉本寺はなんと鎌倉最古のお寺。
鎌倉で最も古くからあると聞くと驚きます。あの鎌倉五山第一位建長寺よりも古いのかと。
公式サイトの略縁起ではこのようにあります。
『
当山は天平(てんぴょう)6年(734年)聖武天皇の后である光明皇后の御願により、藤原房前(ふじわらのふささき)、行基菩薩(ぎょうきぼさつ)によって建立されました。御本尊は天平6年(734年)行基菩薩御作(ぎょうきぼさつおんさく)、仁寿元年(851年)慈覚大師円仁御作(じかくだいしえんにんおんさく)、寛和(かんわ)2年(986年)恵心僧都源信御作(えしんそうずげんしんおんさく)の三体の十一面観音様です。
鎌倉時代火災がおこった際に御本尊三体自ら庭内の大杉の下に火を避けられたので、それより「杉の本の観音」と呼ばれたという言い伝えがあります。
また、礼を欠き、信心なくして馬で寺の前を通り過ぎる者は落馬するというので、建長寺開山大覚禅師(だいがくぜんじ)が祈願し自らの袈裟で行基菩薩が彫られた十一面観音様のお顔を覆ったところ落馬する者がなくなったといいます。
本堂正面には、源頼朝公寄進の前立本尊十一面観音様が安置されています。
』
西暦734年といえば平安京遷都よりも前。この頃から杉本寺があり、令和の今も続いているのですね。古都鎌倉の歴史そのものかもしれません。
御本尊が十一面観音ということで十一面観音と書かれた「のぼり」がたくさん掲げられています。鎌倉で十一面観音と言えば、私は長谷寺の印象が強いです。お寺が数ある鎌倉でも、一番好きなお寺が長谷寺でここの立位十一面観音像は何度見ても圧倒されます。杉本寺も十一面観音様を祀っているのです。鎌倉のお寺らしく山にあり、境内に向かって登っていきます。この暑さでは登るのが相当苦しいとは思いますが、境内から見える景色は美しいです。特に仁王像が設置された山門から見える苔が生した階段は見応えがあります。高低差を活かして下から見上げるのも上から見下ろすのもどちらも絵になります。両脇に奉納されたのぼりがあることで緑に白と色のコントラストが見事。
杉本寺自体は大きなお寺ではありませんがコンパクトに色々なものが設置されています。鎌倉という有名観光地ですが、そこまで人が押し寄せるところではないと思いますので密集を避けられていいでしょう。境内のはずれには山に入る道があり、この先はどうなっているのだろうかと興味がそそられます(立ち入り禁止)。鎌倉幕府はこの土地が海と三方の山に囲まれた天然の要塞であったために開かれたと言います。山がすぐそばにそびえ、山中への入口を管理するかのようにお寺があるというのが鎌倉でよく見かける風景です。これまで紹介した鎌倉のお寺の多くがこのようなロケーションにあります。
少々マイナーなお寺かもしれませんが、鎌倉最古のお寺として訪れる価値があるところではないでしょうか。
お寺は屋外で密集することがあまりありません。観光地のお寺巡りで少しでも経済を回せたらいいなと思います。
甲野 功
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