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日曜日に運転が再開された箱根登山鉄道に子ども達と一緒に乗ってきました。昨年11月にも同じように子ども達と箱根に訪れたのですが、箱根湯本駅から強羅駅までが不通になっていました。そのため復旧した登山鉄道に乗れたことに安心し感動しました。
昨年の10月。超大型台風、台風19号が日本各地を襲いました。特に箱根は観測史上最大雨量を記録します。箱根登山鉄道は甚大な被害を受けて運休に追いやられます。一時期は廃線も視野に入れたと言われるほどの被害で、復旧の見通しは来年、すなわち2020年今年の秋になると発表されました。それが予定よりも3ヵ月工期を短くし、今年7月23日に運転再開することになりました。
箱根登山鉄道運転再開のニュースを知り早くまた乗ってみたいと願っていましたが、新型コロナウィルスの影響でなかなか行動に移せず10月までかかってしまいました。
この復旧がいかに大変であったかは以下の記事で紹介されています。
東洋経済オンライン
<箱根登山鉄道「3カ月前倒し復旧」なぜ実現した? 西日本豪雨の鉄道復旧ノウハウも生かされた>
この記事によると
『
甚大な被害が発生したのが、大平台駅―仙人台信号場間に位置する「大沢橋梁」と、宮ノ下駅―小涌谷駅間の「蛇骨陸橋」の2カ所だ。
』
とあります。日曜日は小涌園ユネッサンに向かうため、箱根登山鉄道小涌谷駅で降りました。駅に着く直前には、斜面に大きな足場が組まれてクレーン車や重機が並び大規模な工事がまだ終わっていないことが分かる光景が目に入ってきました。これが記事にでてきた「蛇骨陸橋」だとわかりました。これまで幾度と箱根登山鉄道を利用してきましたから風景を記憶しています。細かい部分で補修されているなと分かるところが何か所もありましたが、ここまで大きく景色が変わった場所はありませんでした。登山鉄道は再開したかもしれませんがまだまだ復旧工事の真っ最中ということが伺えました。
箱根登山鉄道はその名前の通り、険しい箱根の山を登っていく鉄道です。その最大こう配は世界第二位とされ、スイスの登山鉄道に次ぐといいます。そのためスイスと姉妹都市になっていて強羅駅にはスイスから送られた鐘が吊り下がっています。山を登るためスイッチバックという先頭を変えてジグザグに進む特徴があります。途中運転手と車掌が位置を交代する珍しい光景が見られます。スイッチバックのために停車し、他の車両と行き交うのを見ると箱根登山鉄道に乗っている実感があるもの。かつては風魔一族という忍者がいたという箱根。関所として江戸に入るための門番の役割を担いました。箱根の山が険しいため、直前で休んで万全の体勢で箱根越えをするための宿場町として小田原が栄えたという歴史的背景。このような厳しい環境で敷いた線路。そこに台風で土砂災害に見舞われたわけです。復旧工事は想像を絶するものだったようです。
私が生まれる前に亡くなった父方の祖父は建築士で駅の建設にも携わったそう。父は仕事の関係で建築、土木を社会人になってから勉強し大規模な施設の設計に携わりました。姉は建築士で地方の施設の設計をしたことがあります。このように私の家系は建築に関して繋がりが深い人が身近にいるため建築、建設に興味があるのです。急斜面に作られた現場は圧巻でした。重機を入れるだけも大仕事だったはずです。小涌谷駅の改札を出ると写真入りで工事の資料が貼り出してありました。日本の土木建築業の底力を見ました。
またこれだけ工期が短くできたのは暖冬で積雪が少なかったことが言われています。自然災害により被害を受けて自然の恩恵を受けて復旧が早まったという。先に挙げた記事にはこのように書かれています。
『
今回、被害の甚大さに比して復旧工事が迅速に進捗した理由は、暖冬により降雪の影響を免れたことや、地元の理解が得られ、夜間作業を支障なく行えたことなどもあるが、箱根登山鉄道の担当者は、「国(国交省)が迅速に、復旧に向けた音頭取りをしてくださったことが大きい」と話す。箱根登山鉄道が被災状況に関する情報をウェブで発信した翌日には、関東運輸局の担当官が状況把握のために現地視察に訪れた。
』
近年、自然災害が多発する日本。辛いことですがその対応ノウハウが蓄積されているわけです。中部地方における土砂災害の経験も活かされたと。また地元住民の期待も大きかったわけです。私のような県外の人間からすれば観光地のアトラクションという意味合いが強いのですが、箱根で生活する方々には重要な公共交通機関であります。相当な不便を強いられたことでしょう。騒音が生じる夜間作業を認めたのもやむにやまれぬ事情もあったと思います。
登山鉄道は箱根のシンボルとして機能していると考えられます。登山鉄道、ケーブルカー、ロープウェイ、遊覧船、海賊船。交通機関であり観光客を楽しませるツールであり。復旧してまた乗ることができて良かったです。 長女は紫陽花が線路脇に咲くことを知り、紫陽花の季節にまた乗ってみたいと話しています。来年は「あじさい電車」の異名を持つ紫陽花の咲く中を走る箱根登山鉄道に乗せてあげようと思っています。
甲野 功
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