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~虎ノ門金刀比羅宮~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 金比羅宮本殿
金比羅宮本殿。高層ビルを背後に。

 

 

今週は所用で東京の虎ノ門に行きました。開業当初はお願いしている税理士さんが虎ノ門だったので確定申告の時期は行く場所でした。厚生労働省の広告検討委員会を公聴したときにも訪れました。官庁がある大都会という感じの場所。最近は虎ノ門ヒルズができて再開発も進んでいる最先端の街でしょうか。その高層ビル群の中にある神社が金刀比羅宮です。

 

虎ノ門・金刀比羅宮

超高層ビルに囲まれながら立派な社殿を構えています。都心の一等地にありながらビルと共存している様は日本橋の福徳神社にも通じるものがあります。わざわざ神社を残すの?という疑問もあります。この金刀比羅宮からもほど近い港区の愛宕神社。ここは愛宕山の頂上にあり、出世で有名である石階段を上った先に社殿があります。愛宕山は自然の山では東京23区で一番高い山(人工の山を含めると1位は新宿区の箱根山になります)。愛宕山はその地形もあるでしょうがビル開発を免れ愛宕神社の境内もかなり残されています。金刀比羅宮はビルの中に強引にあるという印象を受けます。境内は半分ビルの下にあります。鳥居の先に進むとビルの天井があります。このような状態の神社を私は初めて見ました。地価も相当でしょうから、今でも社殿を残しておくというのはなかなか贅沢なことかもしれません。

 

 

私のような自営業には神社好きが結構います。政治家、芸能人、スポーツ選手など自分の力量が直接ものをいう職業の人も神社やお寺が好きです。どこか神頼みに頼りたくなるのでしょう。経営者や完全歩合で仕事をする人も同様で、安定した給料ではない世界で働いている人々は、もちろん努力を怠りませんが、業績は天運による面があるのでお参りを欠かさないのでしょう。虎ノ門や日本橋といった経済の中心地にも神社が残るのはお参りする人、守る企業があるからなのだと思います
この金刀比羅宮もサラリーマン、経営者、官庁関係者などに慕われる神社なのではないでしょうか。ホームページによると金刀比羅宮は万治三年(1660年)に讃岐国(香川県)丸亀藩主京極高和が金刀比羅宮本宮の御分霊を当時藩邸があった芝・三田の地に勧請しました。そして延宝七年(1679年)京極高豊の代に現在の虎ノ門に移したそうです。虎ノ門金刀比羅宮はこんぴらさんで有名な香川県の金毘羅大権現が元であるわけですね。かつては神仏習合で仏教と神道が一緒になっていることもありましたが明治に入り神仏分離が起きて明治二十二年(1889年)に社号を現在のものになったと。

個人的に興味深いのはこの金刀比羅宮がある場所は江戸城の裏鬼門にあたるというもの。鬼門とは北東の方角を指し、不吉なものや悪いもの、鬼が訪れるのはこの方角だとされています。そのため江戸城も京都御所も鬼門にあたる方向に守りの神社やお寺、結界などを置くようにしています。そして反対側の南西を裏鬼門と称し、裏鬼門にも守りを置くことがあります。江戸城の裏鬼門にあたる場所に金刀比羅宮を置いたことはとても意味深いと思いました。鬼門、裏鬼門は陰陽道の考え方になるかと思いますが、金刀比羅宮本殿前の銅鳥居にはもう一つ興味深いものが。鳥居には四獣があるのです。
四獣とは東の青龍(青色)、西の白虎(白色)、南の朱雀(赤色)、北の玄武(黒色)です。東西南北を守る霊獣で中央が黄龍(黄色)。この四獣が鳥居に飾られているのです。東洋医学では五行色体表を覚えるのが絶対なのです。色体というくらいなので色がありますが、各方角に相当する色が東:青、西:白、南:赤、北:黒、そして中央が黄となるのです。霊獣もこの色に対応しています。この点も個人的に興味があるのです。

 

境内には二つの社があり、一つは縁結びの結神社。もう一つは喜代住稲荷神社。その奥には高層ビル群とは思えない道。ここだけが時間が巻戻るような。再開発が進む虎ノ門を守る大事な神社。今でも残してあるところに日本の良さを感じてしまいます。

 

甲野 功

 

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