開院時間
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本日午前中に、母校である東京医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成科(以下、教員養成科と表記)で2年生を対象に特別授業をしてきました。母校の教員養成科は2年制をしており来春に卒業する最高学年が対象。今年で4回目となります。
関東鍼灸専門学校副校長であり教員養成科の先輩である内原拓宗先生と二人で行い、内原先生は鍼灸専門学校専任教員の立場から、私は開業鍼灸師の立場から話をします。
日程は昨年から決定していたのですが、新型コロナウィルスの影響で今年は無しになるか、できてもリモート授業だろうなと春は諦めていたのですが、対面での授業を行うことができました。ちょうど第3波が来たという報道もあり実現できて運が良かったと思います。対面授業でないと言えないこともありますので。
今年の内原先生があげた授業テーマがこちら。
鍼灸師または鍼灸教員の生き残り戦略 ~SNSの活用とその先にあるもの~
事前にテーマをどうしましょうかというメールのやり取りがあり、私は個人的に「戦略が必要だと思います」という意見を出しました。その意向を組んでくれたのでしょう戦略という言葉がありました。そして少々驚いたのが生き残りという言葉。これは何もしなければ生き残れない状況を示唆するもの。これから鍼灸専門学校の教員になるであろう生徒(全員が教員になりません)を前に「鍼灸教員の生き残り」というワードを使うことに色々なことを考えさせられました。
私は内容をだいたい決めていたのですが内原先生のテーマに合わせて微調整をし
鍼灸師のSNS生き残り戦略 ~開業鍼灸師の視点から~
というテーマにしました。
私が話すことはほぼ開業鍼灸師のSNSマーケティングになります。どのようにSNSを活用して経営に結び付けているのか。また関係法規では習わない広告規制の現状と実態、何が世間で起きているかも伝えることもあります。法整備されるには時間がかかるため専門学校で習うのは昭和30年代の法律。令和の現代では法制化されていなくともガイドラインや景品表示法といった通称あはき法(あん摩マッサージ指圧師、鍼灸師に関係する法律)とは別の面から規制がかかることがあるのです。年々変わる状況を説明することもあります。
感覚的には1年間の活動の集大成を発表するようなもの。昨年11月から今年までに起きた出来事、自ら試したこと、これから変わっていくであろうことを確認してプレゼン資料に組み込む作業となります。時間の制約があるので何を採用して何を削るかも考えます。SNSを通して起きている鍼灸業界のリアルを紹介できればと考えて資料作成に励んでいます。
内原先生とはこれまでに何度もご一緒させて頂いておりますが、初対面は3年前の教員養成科職員室でのことでした。Twitter上でのやり取りから教員養成科で1コマもらい二人で話をしていいよ、という機会をいただいたときに会ったのです。この事実だけでも時代の変化を感じています。
内原先生が鍼灸専門学校の専任教員でかつ副校長という肩書を持ちながらクラウドファンディングに挑戦し、当時はここまで知られていなかったキングコング西野亮廣氏の著書「革命のファンファーレ」を生徒に配るという取り組みをしました。そこに同じ教員免許を持ちある程度教員側の世界を知る私に衝撃を与えました。そんなことができるのか?!と。今以上に閉鎖的で保守的だった伝統校の教員が何という大それたことをしたのかと驚きました。更に教員の卵である教員養成科2年生にも著書を渡した方がいいと母校に行くという。その行動にまた驚いたのでした。
あれから3年。今という状況を、SNSを通してどのように見ていくかがテーマになった感じです。
特に今年に入り新型コロナウィルスという大きな出来事があり世界が対応に追われました。専門学校側も臨床現場の開業鍼灸師も。SNSに参加する鍼灸師、鍼灸専門学生が増えZOOMを筆頭にしたリモート会議が一般化しました。SNSに力を入れる専門学校も増えたように感じています。
この特別授業、最初の年は関東鍼灸専門学校副校長が来訪されるのでクラウドファンディングについてお話してもらいましょうという感じでした。花を持たせるではないですが、珍しい取り組みをしたので教員養成科学生に知ってもらいましょうというか。
それが回数を重ねるにつれて内容がより現実的なことになり、今回は「生き残り」というワードが出ました。当然現状に危機感を持ち、専門学校も開業鍼灸師もコロナ禍での生存競争に目を向けざるをえないことでしょう。
当日は例年と異なり4階の柔道整復師科の教室で行いました。私は柔道整復師科も卒業しているのでかつて学んだ教室で懐かしかったです。本来教員養成科は2階を使用しておりますが柔道整復師科の教室の方が広く、密を避けるためです。
最初に内原先生の講義で二番目に私が話します。よって前半は私も講義を受ける生徒側になります。
内原先生の講義は年を追うごとに変化があります。専任教員という立場といち鍼灸師としての立場、個人の立場といくつものペルソナ(人格)を持ちそれを組み合わせています。本人もおっしゃっていましたが、SNSをするようになり家庭と職場の往復だけだったことから活動の幅が大きく広がったと。
私のようなフリーの開業鍼灸師からみると専門学校という組織の管理職を担うサラリーマンですが、驚くほど他分野で活躍している印象です。そしてその内容が年々濃くなっているといいますか。
内原先生は自ら紹介で兼業主夫と称します(以前は専業主夫だっと語っていました)。家事育児を率先して行うことを前面に出すのですが、回を追うごとにその比率が下がっていて個人での学外活動が活発になっています。社会的地位と年齢を考えると驚くほど変化と挑戦をしている姿がありました。今年も生徒側でみた内原先生の講義でテーマを絞って後日書いてみたいと思います。
私の講義はより具体的な経営の話となります。給料が出るものではない開業鍼灸師は経営者でもあります。仕事は与えられるものではなく自ら作るもの。開業当初から生き残る手段としてSNSを利用してきましたのでかなり現実的な内容になりました。
今年4月には新型コロナウィルスで前年比50%を割る結果となり持続化給付金を申請しました。また再流行となれば影響を受けるのです。何もしなければ院を閉めることになります。
一応教員養成科で話せる範囲でできる限りのことを話しました。これから開業する生徒さんにどれだけ伝わったかは分かりませんが、例年と違って質問があったので良かったです。
私の講義で影響を受けているのはむしろ学校側かもしれません。今年は事務の広報担当者が聴きに来ていました。私は東京医療専門学校の鍼灸マッサージ科、柔道整復師科、教員養成科と全て卒業しています。それだけ長く学生をしていまし、教員養成科卒業後も毎年卒業論文発表会を公聴しているので学校の変化も見えてきます。
ここ数年の代々木校舎柔道整復師科の広報活動は大きく舵を切っていると感じています。また別の機会で書きますが老舗専門学校でありながら危機感を持って広報行動に力を入れているのが東京医療専門学校代々木校舎です。それを大いに感じました。
講義を受け持つという立場でありますが、私個人としては情報収集の場でもあるのです。母校の教員養成科は生徒数が多く、今年の春に全国で教員免許を取った人数の半分を占めます。つまり専門学校教育の要と言えるでしょう。その教員養成科で何が起きているのか。専門学校業界で何が起きているのか。内原先生と教員養成科学科長と話をすることで多くのことが見えてきます。そこから少し先の未来を見据えて現在の学生さんやこれから進学予定の方々へのアドバイスを見つけています。
これから1年間何が起きるのか。何をするのか。何を起こすのか。
一つの節目としてまた試行錯誤をしていきます。学科長とも内原先生とも全く同じことを言われました。この1年は早かったし変化が激しかった。この特別授業を機にお会いした関係者の皆様とも情報交換ができました。生き残る戦略を考えて実行していきます。
甲野 功
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