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~地域散策 アウンコーヒー~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 アウンコーヒー看板
牛込柳町駅すぐにオープンしたアウンコーヒー

 

 

皆さんはコーヒーの趣味はありますか?私はコーヒーも紅茶も興味が無かったのですが、母親や妻がコーヒーが好きであることと臨床に出てから患者さんとの会話に必要だと感じ、コーヒー紅茶を気にするようになりました地元にはコーヒーや紅茶を扱う名店があります。はっきり言って自分では良し悪しが判断しづらいところがありますが、世間の評判と実際に飲んでみて確かに美味しいかなと思う感じです。最近も関西から学生さんが当院まで来てくれた際に東京初進出というThe tee YOKYOの紅茶を出したところ、これは違いますねという感想を得て(そうか、やっぱり高品質なのか)と内心納得したものでした。

 

今日は近所にオープンしたミャンマーコーヒー専門店についてです。まずミャンマーという国をご存知でしょうか。私が子どもの頃は国名をビルマといい、映画「ビルマの竪琴」がヒットしていました。現国名はミャンマーです。そのミャンマーは近年コーヒーの品質が向上しており注目されていると言われていますコーヒーベルトという言葉あり、コーヒーを栽培できる地域はある特定の緯度に限られていると言われています。このコーヒーベルト外の地域ではコーヒーを生産することは非常に難しいのです(現時点では)。日本産のコーヒーも生産量は少ないですが沖縄や小笠原諸島で生産されています。ただコーヒー生産に適した緯度ではないのでコーヒー生産国はコーヒーベルトに国土を持つ国が上位を占めます。かつてはコーヒーと言えばブラジル、コロンビア、エチオピアという感じでした(コーヒーに興味がなかった私の感覚では)。今はコーヒーベルトに位置する多くの国で生産が盛んになり、ベトナムやインドネシアといったアジア圏の国も上位に入っています。そのアジアで近年注目されているのがミャンマーだと言います。ミャンマーは近年軍政から民主化を果たし、アジア最後のフロンティアと言われるほど成長著しい国です。民主化に伴いコーヒーを飲む文化があったミャンマー(イギリスに統治されていた)のコーヒーのレベルは向上し注目されるようになったといいます。

 

コーヒー同様、ミャンマーという国にも興味がなかったのですが、結婚を機にその状況が一変しました。妻がミャンマーとの関りが非常に深いからです。ミャンマーの孤児院を支援するNGOを立ち上げておりますし、ミャンマーについて研究もしています。結婚後もミャンマーに渡って取材することがあり、自然とミャンマーのことが分かるようになりました。

また私が生まれ育った東京都新宿区は非常にミャンマー人が多いのです。民主化前からその傾向があり、特に高田馬場はリトルヤンゴンと称されるほど(ヤンゴンとはミャンマーの大都市)。新宿区にとってミャンマーは歴史的に繋がりが深いと言えます

更にミャンマーにはラウェイという“地上最も過激な格闘技”という異名を誇る国技があります。立ち技格闘技(寝技、投げ技無しのボクシングやムエタイのような打撃のみ)なのですがグローブ無し、頭突き有り、故意でなければ金的有りという常軌を逸したと言えるルールなのです。このルールに極真空手が挑戦した経験があり、ミャンマー国外の選手が勝つこと自体が難しいと言われています(そもそもこのルールに挑戦しようとしない)。近年日本人初のミャンマー国内チャンピオンが生まれました。金子大樹選手といい現在はK-1やKrushといった国内キックに挑戦しております。格闘技が好きな私はかなり前からラウェイのことを知っていて、ミャンマーに対するイメージの大部分はラウェイでした

これらのように人生においてミャンマーとの関りができたのでした。

 

総合格闘技ではアウンラ・ンサンという偉大な選手が誕生。ONEチャンピオンシップという大手総合格闘技団体の世界チャンピオン(ミャンマー人初)になり「ミャンマーの英雄」と言われています。芸能界では乃木坂46の人気メンバー齋藤飛鳥さんは日本とミャンマーのハーフ(ダブル)であります。期待の新人俳優として日本アカデミー賞新人賞を受賞しハリウッドデビューも果たしている森崎ウィン氏はミャンマー人。日本で一般的な知名度がある有名人の中にミャンマー人が現れてきています。また大成建設のCMには『ミャンマー編』があり、日本企業の進出が進んでいる状況もあります。このようにじわじわと存在感を増しているミャンマーという国。ミャンマー産のコーヒー豆に注目している企業があります。

 

AUNG COFFEE(アウンコーヒー)です。

ホームページから引用すると

AUNGはミャンマー語(ビルマ語)で、”成功する・勝つ”という意味です。

地域ごとに特徴のあるミャンマーコーヒーを中心に、世界の特徴的なコーヒー、スペシャリティーコーヒーを集め焙煎するコーヒーロースターです。アウンコーヒーは、現地のコーヒー豆(生豆)を仕入れ、自家焙煎にてより新鮮なコーヒーを提供します。

とあります。

コーヒーロースターとはコーヒーを生豆の状態で仕入れ、焙煎して卸売りまたは小売りをする業者のことを指します。敢えてミャンマーに目を付けて買い付けをしているのがアウンコーヒー。そのアウンコーヒーが最近、当院の近所でカフェ&直営店をオープンしました。

 

AUNG COFFEE  MYANMAR COFFEE LAB 牛込柳町店 

 

ミャンマーコーヒー専門店であり、店内で飲食できてテイクアウトも可能。その場でコーヒー豆を購入することもできます。あまりありそうでなかったミャンマーコーヒーの専門店。近所には多くのコーヒーショップがありますが産地を限定したところはほとんどなく、ましてまだまだ知名度の低いミャンマーに注目したお店はありません。新宿区という土地柄を考えると敢えて出店したのかなと思いました。場所は都営大江戸線牛込柳町駅西口出口から徒歩1分ほど。大久保通り沿いにある路面店です。これまでに何度か触れてきましたが大久保通りと外苑東通りの道路拡張計画のため近隣の飲食店や商店が軒並み閉店してきました駅前なのに食事ができるところが少なすぎるという不満が住民にはあります。もともと寂れていて無かったというのならば納得しますが、かつてはしっかりとした商店街が存在しカフェも商店もたくさんあって栄えていたのです。大通り沿いのお店は道路拡張で立ち退きになり、代わりに高層マンションばかりが建築されてきました。住人が増えるのに店舗が消えていくという状況ですミャンマーコーヒー以前に、カフェが新しくできたことは朗報に他なりません。何せ遠方からの患者さんに「駅の側でお茶できるところはありませんか?」と聞かれても「サイゼリヤかセブンイレブンのイートインスペースくらいです、もう少し歩いて神楽坂方面に行けばありますけど」と答えないといけませんでしたので。アウンコーヒーの出店は選択肢が増えるのです

 

ミャンマーコーヒー専門という独自性も注目です。主に高田馬場エリアが中心ですがミャンマー人が多く住む新宿区。ミャンマーコミュニティがあります。何より妻がミャンマーとの関りが深くオープン当初から頻繁に行っています。私も行きました。今年は新型コロナで開催を見送りましたが開業月の5月にはミャンマーチャリティカフェとしてイベントを開催しております。来年はアウンコーヒーの品を用意しようかなと考えています(来年春の状況がどうなっているでしょうか)。店内は販売カウンターと椅子席、2階にも席が設けてあります。2階には階段でのぼります。窓際の席では大久保通りの様子を見ながらコーヒーを楽しめます。コーヒー好きには注目のトルコからやってきた焙煎機。今のところ日本ではここにしかないのだとか。肝心のコーヒーについては、私では他との違いをきちんと説明できないので、行ってみて確かめてください。コーヒーにレモンを入れる文化があるそうです。

 

カフェが無かったエリアにミャンマーコーヒー専門という独自性がある。しかも新宿区という土地柄。面白いお店ができました。

 

甲野 功

 

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