開院時間
平日: 10:00 - 20:00(最終受付19:00)
土: 9:00 - 18:00(最終受付17:00)
休み:日曜、祝日
電話:070-6529-3668
mail:kouno.teate@gmail.com
住所:東京都新宿区市谷甲良町2-6エクセル市ヶ谷B202
緊急事態宣言が発令されました。今日は仕事で新宿駅を通ったのですが乗り換えの地下道は普段と変わらない混雑でした。昨年4月のときとはかなり雰囲気が異なるなと思っています。
前回のブログでこのコロナ禍において「鬼滅の刃 無限列車編」が大ヒットしている事例を用いて、『人は確認作業でしかお金を払わない』という内容を書きました。元ネタはキングコング西野亮廣氏で、現在公開中の映画「えんとつ町のプペル」を制作し、ヒットさせるために数年間に渡り試行錯誤してきた結論になります。
約3年前にこの考えを知った私は自分の仕事に置き換えて検証してきましたが、映画「鬼滅の刃 無限列車編」大ヒットをみるにつれて確かそうだと思っています。しかし、『人は確認作業でしかお金を払わない』というのは端的に分かりやすく表現しており、考察や指摘を加えないと自分事に落とし込めないとも。
そこで細かく分析してどのように行動したらよいか熟考してみましょう。
まず『確認作業』について。
事前に情報を受け取っていることが前提の話です。既に知っているから(再度)確認するのです。つまり存在を認知してもらわないといけません。
あじさい鍼灸マッサージ治療院や甲野功個人をまず知ってもらう。情報があった上で、実際のところはどうなのだろうという『確認作業』が生まれるのです。結局ここがスタートであり重要なポイント。広報や宣伝になります。全く知らないのであれば何も始まりません。
大企業から個人まで、全て宣伝や広報活動を通じてその存在を認知してもらうことが大切です。ですから企業は莫大な資金をテレビ番組制作に出してテレビCMをうちます。個人であれば看板、チラシ、ホームページ、SNSなどを使います。
西野亮廣氏も自分が制作した作品(絵本や映画)が世に知られなければ、それは存在しないも同然であるとある時期から考えて、人に知ってもらう、手に取ってもらえる、買ってもらえる、ようにする努力をするようになりました。それは製作段階から視野に入れており、流通や広告まで考えた上で制作活動を進めています。
あじさい鍼灸マッサージ治療院を開院した当初は誰も知らない状態でした。以前の職場で慕ってくれたたくさんの患者さんが来ることもありません。新しい場所で開拓することからのスタート。開院する前に2年間出張専門でやっていましたが、学業と家事育児を優先させたこともありほとんど目に見えた成果はありませんでした。人に知ってもらうために必死になってやったことがFacebookでページを作り、そこに日々投稿することだったわけです。そこからホームページを作り、看板を作り、外にポスターを貼り、といった地道な活動を続けています。有料でサイト登録したりアプリケーションを契約したりしましたが全く効果がありません。認知してもらうことがどれだけ大変だったかは身に染みています。
しかし西野亮廣氏の著書「ゴミ人間」を読むと本当に甘いことを痛感します。あっという間に人気芸人になりながら、地道にファン一人一人に連絡し、コンタクトを取り、手売りでチケットや作品を売っていきました。単純な努力量が違います。
ここ数年は年月も味方をしてそれなりに認知されてきたと思っていましたが、昨年の新型コロナウィルスによる環境の変化。数字が乱高下して精神面がかなり揺さぶれました。なまじ軌道に乗っていたので不安が押し寄せてきました。開院当初はもっと状況が悪かったのですが、一度良くなっていた分きつかったわけです。
そこで今年のテーマを自分の持っている価値(技術や知識など)をしっかり届ける努力をしようと決めました。まず知ってもらわないと始まらない。「ゴミ人間」を読み、映画「えんとつ町のプペル」を観て考えを強くしました。まだまだ知ってもらうための行動が足りないと。知ってもらって、その次に確認という段階になるのだと。
知ってもらった次は、『良さそうだと知ってもらう』ということになります。
<良さそうね→本当にそうなのか一度行ってみようかしら>
この行動心理にならないといけません。
ネガティブな事でもそれは確認作業になるのでそれはそれでお金を払うかもしれませんが、真っ当な商売としては長続きしません。
<あの店、本当に不味いらしいぞ→よし話のネタに食べて確かめてみよう>
このような飲食店があったとして、一時は話題になり売上があるかもしれませんがそもそも不味い料理に人はお金を払わなくなります。リピートはしないでしょう。炎上商法のように悪いことで大きく注目を集めて、実はいい人というやり方はできるかもしれませんが、長い目で見たら悪手だと思います。
つまり私自身の価値が高くないといけないのです。
西野亮廣氏の凄いところは作品の質を他が寄せ付けないくらい高くしていることです。絵本「えんとつ町のプペル」も映画「えんとつ町のプペル」も絵と映像のレベルがとても高いのです。絵本は質を高めるために分業制にして制作に数年間かけています。それを実現するためにクラウドファンディングを行ってきました。一般的な絵本のレベルを遥かに超えた絵を作りあげたのです。映画にしても一流アニメーション制作会社で妥協なく制作しています。あ、これは素晴らしいなと思わせる質があった上での広報・宣伝をしているのです。
私の本業は臨床に関しては職人の世界だと考えています。資格免許で縛られているため、患者として来院される一般の方よりも卓越した専門技術と専門知識がなければならないのです。言うなれば素人が真似できないこと・知らないことをできることが最低限。その上で効果を出せる技能があること。プロである以上そこが求められます。
鍼灸師の業界では開業権があるため、技術か経営か、という議論が常にあります。
技術がなければ流行らない。経営力(宣伝、集客など)がなければ意味がない。
このような相反する意見の対立がよくあるのですが、結論はシンプルでどちらも大事です。技術も経営も必要で片方だけで済むことではありません。力を入れる割合がタイミングで変わることがあるかもしれませんが、常に両方を高めることをしないと生き残れないです。
外に発信してあじさい鍼灸マッサージ治療院や甲野功個人を知ってもらうのに、良さそうという期待を持たれないと、確認作業までいかないのです。良さそうという期待を持たれるためには本当に質を高めておかないといけないわけです。
今年のテーマである『届ける』という行為は、
①高いレベルにある知識技術を
②しっかりと周知させる
という2段階あります。
①は技術で、②が経営の範疇になるでしょう。
その結果、
③良さそうだから一度行って確認してみましょう
という確認作業に繋がり料金をいただくということなります。
①は私自身の課題ですので日々、練習・勉強を繰り返すしかありません。
②の高めた知識や技術を広めるための行動を強化していきます。それには他の人にしてもらうこともできます。昨年の新規患者さんは例年以上に紹介が多くて嬉しかったです。来てもらった方が紹介するような行動を強化します。
その成果が③になります。
これはほとんど机上の空論、願望でしかありません。結果を直接コントロールすることはできませんが、自分の行動は自分で決定できます。確認作業までしてもらうための行動を強化する1年にしていきます。
甲野 功
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