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~吸玉の話 計器付きのハンドポンプ~

あじさい鍼灸マッサージ治療院 計器付きのハンドポンプ
吸玉療法に用いる計器付きのハンドポンプ

 

 

当院では多くないのですが、吸玉療法を希望する患者さんがいます。

吸玉療法は吸角ともいいます。最近はカッピングという名称で一部YouTubeにおいて存在が知られるようになってきているようです。シリコン製のソフトカッピングというものも登場しており、少々ひとりり歩きしているような印象もあります。

 

以前、ブログ~吸玉の話 概要~で紹介しましたが、吸玉療法はガラス製あるいはプラスチック製のカップを皮膚の上に直接置き、陰圧にして皮膚を吸い上げてるもの。皮膚や筋肉が吸い上がることで血も集まり充血し、カップを外すことで集まった血が一気に解き放たれ、血流改善が期待できます。以前から中国ではポピュラーなもので中医学派の鍼灸師では鍼灸分野の一つと考えている方もいます。

 

機能面で考えると陰圧にすることが大きな特徴で、鍼灸師やあん摩マッサージ指圧師が身体に与える物理刺激はほぼ陽圧、つまり圧を外から加えるものです。陰圧、すなわち引っ張りあげる刺激はほとんどありません。指圧に吸圧法というものがありますが、吸玉ほど引っ張る刺激にはなりません。

 

当然のことですが、強く陰圧にすれば(強く引っ張れば)刺激も強くなるものです。古典的な吸玉ではカップ内に火をかざして酸素を消費させて陰圧状態を作ります。他にはポンプを使ってカップ内の空気を抜くやり方があります。

 

私が東京医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成科で吸玉療法を習ったときは火を用いた手法を習いました。これが結構難しいです。技術的に圧を安定させることが難しいのと、火を使うこと(お灸の線香のような小さな火力ではなく炎が上がるくらいの大きさ)の危険さから当院ではポンプ式を採用しております。こちらの方が安全で安定した刺激量を得ることができます。

 

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 吸玉療法の様子
ハンドポンプを用いて吸玉療法を行う

 

 

吸玉療法の実験研究がいくつもあります。母校の東京医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成科では吸玉を用いた研究が複数存在し、私も同級生が研究した実験の被験者になった経験があります。実験研究の場合、どれくらいの圧で吸い上げたか数値を記録することが重要になるのです。養成科の授業では簡単に外れないくらいの圧で吸い上げるという指示でしたが、研究となると値が必要。そうなると計器付きのポンプを使うことが求められます。研究では計器付きのハンドポンプを用いて陰圧にする数値が分かるようにすることが一般的。

 

また吸玉療法では溢血斑といって内出血の跡ができることが多々あります。むしろ跡をつけることが目的になることも。

体の状態が悪ければ溢血斑は濃くでます。そのため視覚的に状態を確認することができて、鍼灸分野では数少ない客観的なデータになり得るのです。その場合もどれくらの圧で引っ張っているかが分からないと基準が曖昧になります。計器が付いていれば何kPaで引っ張っているか分かるので便利です。

 

今回あじさい鍼灸マッサージ治療院では数値が分かるように計器付きのハンドポンプを購入しました。これによってどれくらいの圧で引っ張るかはっきりと分かるようになります。

 

 

あじさい鍼灸マッサージ治療院 計器付きのハンドポンプ
アナログですが数値が分かる計器が付いています

 

 

これまでは計器がないハンドポンプを使用していたのでポンプで吸い上げる回数と皮膚の状態をみて判断していました。これからは絶対的な数字で区別できるので便利になります。

なぜ最初から計器付きのものを使わなかったかと言えば、高価だから。私が想像している以上に値段が張るので敬遠していました。そこまで重要さを感じていなかったので安いものにしていたのでした。

 

元々私は皮膚に跡が残る吸玉療法は好きになれず、開業する際に導入を避けた技術でした。

あじさい鍼灸マッサージ治療院を始めて数年が経過し、母校の教員養成科卒業論文発表会で、ある内容で吸玉に効果が認められる報告があったことを知り導入を決意。開業当初には無かったものなのでいまでもオプションのみにしています。吸玉療法単独のコースにしていません。

余談ですが開業するにあたり治療内容(コース)はかなり考えて決めています。吸玉オプション以外に開業してから増えたものも減ったものもありません。吸玉療法を加えることは自分にとって決断でした。

 

今回器材を良くしてより患者さんのためになるよう期待しています。他に比べて希望者の数が極端に少ない吸玉療法。個人的に苦手意識もありました。新しい計器付きのハンドポンプでより高い質の吸玉療法ができると考えています。

 

甲野 功

 

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