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昨日、小池百合子東京都知事は都が独自設置する新型コロナのワクチン大規模接種会場での接種対象に64歳以下の消防団員や柔道整復師、鍼灸師、獣医師らを加える方針があると都議会本会議で答弁しました。
都の大規模接種、消防団員らも対象に 小池知事(2021年6月2日)
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東京都の小池知事は都が行う新型コロナワクチンの大規模接種の対象を消防団員や鍼灸(しんきゅう)師などにも広げる考えを明らかにしました。
東京都・小池百合子知事:「警視庁職員、東京消防庁職員に加えて、64歳以下の消防団員や柔道整復師、鍼灸師などの医業類似行為に従事する方、獣医師を予定しています」
東京都は8日から築地市場の跡地で警視庁や東京消防庁の職員らにワクチンの集団接種を始める予定です。
小池知事は2日の都議会で集団接種の対象を消防団員や鍼灸師などにも広げる考えを明らかにしました。
打ち手の医療従事者については都立・公社病院の医師の他に歯科医師や資格を持ちながら職を離れている潜在看護師にも協力を求めるということです。
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私は東京都民であり、64歳以下であり、鍼灸師であり、柔道整復師であるためこれに該当します。
この文章を書いている時点で、東京オリンピック・パラリンピックが開催できるのかと新型コロナウィルスワクチン接種が世間の大きな話題になっています。
ワクチン接種に関しては加速して進行している実感があります。
朝日新聞デジタル 59歳以下の集団接種、20~30代優先 新宿区長方針
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東京都新宿区の吉住健一区長は2日の記者会見で、59歳以下への新型コロナワクチンの集団接種では、20~~30代の若者の予約を優先する方針を示した。症状が出にくく行動範囲も広いとされる若者に接種することで、他の世代への感染も防ごうという狙いだ。
区は現在75歳以上への集団接種を実施しており、3日からは65~74歳、15日からは60~64歳の予約受付が始まる。59歳以下には17日に接種券を配布し、接種は7月以降になる見通しだ。
区長は「若者は保育や介護、窓口業務などエッセンシャルワーカーとして人と接する機会も多い。専門家からも『まず若年層を抑えないといけない』と指摘された」と、若者の予約を優先する理由を説明した。個別接種が始まっても、かかりつけ医が無いなどの理由で若者の利用は少ないとみて、40代以上とで接種方法の分散を図った。
19歳以下への集団接種については「副反応について分かっていない部分もある。念のため、私たち大人から先に打つべきだ」と語った。基礎疾患がある人、20~30代、40~50代、19歳以下の順で段階的に接種を進める考えを示した。
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私が住む東京都新宿区では区長が若い世代すなわち20~30代へ優先してワクチン接種をする方針を昨日示しました。歌舞伎町がある新宿区は散々「夜の街」の象徴として、感染拡大をしてきたイメージがついていました。敢えて高齢者の次は感染者が多い世代を優先させるという手を打つようです。なお19歳以下の比較的若年層は副反応の恐れもあり様子をみるという考えのようです。
少し前はワクチンは本当に大丈夫なのかと恐れ、他国がワクチン接種が進むとなぜ日本はこれだけ遅れているのかとなり、ここに来て具体的方針が示されてきた印象です。何だかんだで事態は進みつつある印象があり、年末にはワクチン接種でイライラしていたことが嘘のようだと振り返るような気が個人的にします。昨年のトイレットペーパー買占め騒動のように。
さてこの東京都知事の会見で私が気になったのは『柔道整復師、鍼灸師などの医業類似行為に従事する方』という部分です。
細かいことですが、柔道整復師、鍼灸師と具体的な対象者をのべつつも“などの”と繋げて『医業類似行為に従事する方』と範囲をぼやかした文言になっていると感じました。映像をみたときも都知事は“医業類似行為”という単語を話し慣れていないような印象を受けました。元キャスターで会見の百戦錬磨の都知事なのでちょっと詰まっただけでしょうと流せませんでした。原稿もそれなりに練って作るものだと考えられるので、敢えて『医業類似行為に従事する方』という文言が入れたように感じました。
なぜ細かく突っ込むのかというと、『医業類似行為に従事する方』の範囲がどこになるかで少々問題になると思うからです。
以前書きましたが医業類似行為の定義には曖昧な部分があります。狭義ではあん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師の行う業で、広義にはそれら以外の療術行為で人体に危害を及ぼすおそれのあるものと厚生労働省は解釈しています。
会見でははり師・きゅう師をまとめて通称である鍼灸師とし、柔道整復師とともに具体名を出しました。しかしあん摩マッサージ指圧師は抜けています。そして『医業類似行為に従事する方』という言葉により柔道整復師、鍼灸師以外の資格はどこまで含まれるのか曖昧になります。
国家資格を持たない整体師は入るのか。整体師を名乗る理学療法士や作業療法士は入るのか。そのような話になることでしょう。
厚生労働省は2月21日の時点でワクチン接種を優先させる医療従事者の範囲を以下のように設定しました。
○ 病院、診療所において、新型コロナウイルス感染症患者(疑い患者(注)を含む。以下同じ。)に頻繁に接する機会のある医師、その他の職員
○ 薬局において、新型コロナウイルス感染症患者に頻繁に接する機会のある薬剤師その他の職員(登録販売者を含む。)
○ 新型コロナウイルス感染症患者を搬送する救急隊員等、海上保安庁職員、自衛隊職員
○ 自治体等の新型コロナウイルス感染症対策業務において、新型コロナウイルス感染症患者に頻繁に接する業務を行う者
東京都は『医業類似行為に従事する方』という表現を使いました。具体的にどの職種が該当するのかはこの文章を書いている時点で調べても出てきていません。昨年の休業要請対象外施設のときと同様にどのような判断をされるのか注目しています。
単純にあん摩マッサージ指圧師、鍼灸師、柔道整復師免許を持ち臨床現場に従事している人のみを対象にするのでしょうか。これらの免許を持っていてもリタイア、育児などの理由で現場に出ていない人も対象にするのか。あるいはあん摩マッサージ指圧師・鍼灸師・柔道整復師以外の国家資格免許を持つ者まで含めるのか。国家資格免許のない者まで含めるのか。
どの範囲にするにしても判別はどのように行うのか。保健所で管理する施術所一覧からなのか。厚生労働省の名簿なのか。総務省統計局の職種分類なのか。
現場レベルではどのように対象者を集めて接種するかは簡単なことではないでしょう。どのような判断を出すのか注目しています。
甲野 功
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