開院時間
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鎌倉五山を過去に紹介しました。
鎌倉五山とは第一位から順に、建長寺、円覚寺、寿福寺、浄智寺、浄妙寺の5つのお寺で、これらは臨済宗の禅寺です。寺社を訪れるのが好きなので、鎌倉五山のように三大〇〇、五大△△、七つの✕✕、とかと聞くと網羅してみたいと思うわけです。これは鎌倉検定1級を持つ叔父の影響があるかもしれません。鎌倉の知識を問う鎌倉検定。持っていても自己満足に過ぎないと叔父は言っていました。そのために下の級から受験し膨大な知識を勉強して取得するのは一種のカッコ良さを感じます。
さて鎌倉五山は京都五山と混ざった時期がありました。京都と鎌倉の禅寺から5つ選出していたと(諸説あるようですが)。そうなると京都五山はどこになるのでしょうか。
現在の京都五山は第一位から順に、天龍寺、相国寺、建仁寺、東福寺、万寿寺となっています。第一位の天龍寺は過去に訪れたことがあるのですが他の禅寺はありません。京都は地理的に遠いのでなかなか行けませんが、いつか京都五山も制覇したいものです。
さて鎌倉五山と京都五山の違いとして、京都五山には別格という五山よりも上の格式があるのです。それが南禅寺です。南禅寺は禅寺の最高位とされ、鎌倉五山も含めて最上位の格式とされています。室町時代(1386年)、足利義満将軍が南禅寺を別格として「五山之上」としました。
その南禅寺ですが、もう10年以上前に一度行ったことがありました。その時は桜の季節で素晴らしい桜を見ることができました。妻の家族と一緒に歩き、よい思い出です。その時の記憶が残っていてまた改めて行ってみたいと願っていました。そこで今年の4月に単身、再び南禅寺を訪れたのでした。
もう桜が終わっている時期でしたが、新緑が美しい荘厳な佇まいをしていました。同じ場所ですが違った風景に見えました。
南禅寺は正応4年(1291年)に亀山法皇が無関普門禅師を開山に迎えて開創されました。亀山法皇とは後嵯峨上皇の皇子として生まれ、わずか10歳にして第90代亀山天皇に即位したのです。その後仏門に入り法皇となります。つまり南禅寺は天皇(法皇)が開いたお寺なのです。そこからも格式の高さを感じます。
境内は広く、建物が点在しています。規模は鎌倉五山第一位建長寺に近いでしょうか。山を背にした格好です。
重要文化財の勅使門をくぐるとまず目を見張るのが三門です。三門も重要文化財であり、その大きさに圧倒されます。
三門とは、仏道修行で透過しなければならない三つの関門を表す空・無相・無作の三解脱門を略した呼称。寺院を代表する正門であり、禅宗七堂伽藍の中の一つになります。
南禅寺の三門は日本三大門の一つに数えられるほど。門の上層を五鳳楼といい、入館料を払うと上に登れてその周りを歩くことができます。そこから見た景色は素晴らしく、京都の街並みを見ることができます。歌舞伎演目において石川五右衛門が「絶景かな」と叫んだとされていますね。
五鳳楼は非公開なのですが中には仏像と共に徳川家康像も祀られています。つい最近特別に内部が公開されたテレビ番組を視て興奮しました。
三門の先には国宝である方丈があります。大きな建物で中は広く、たくさんの部屋と屏風画がみることができます。狩野派の貴重な画が残っており、現存することが奇跡だとも言われます。
また大方丈庭園、小方丈庭園、六道庭と趣向を凝らした庭園があります。
そして今や南禅寺の象徴と言える疎水。アーチ状の巨大水路があり、禅寺の境内に明治の近代建築があるという光景。若い人にはSNS映えスポットとして非常に有名です。琵琶湖の水を京都に運ぶために建築された水路。このことについてはまた別の機会に触れたいと思います。
水路に上る道の脇にあるのが目立たないですがとても重要な南禅院。ここが南禅寺発祥の場所になります。自然の地形を活かした庭園があり、目立ちませんがとても厳かな雰囲気があります。4月に訪れたときは知らなかったのですが、のちにテレビ番組で南禅寺発祥の地であり重要であることを知り、写真を見直しながら感慨にふけりました。
禅寺最高位の南禅寺。見どころは他にもたくさんあり、ここでは紹介しきれません。知識が入ると印象が変わります。もっと学を深めたら違った景色に映ることでしょう。季節も同様で、桜の時期であれば風景は一変します。紅葉の季節も大変美しいことでしょう。
名所だらけの京都においても上位にくるところのはず。再び南禅寺を訪れることができて良かったです。
甲野 功
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