～花園稲荷神社～

京都の伏見稲荷大社は数多くの鳥居が並び鳥居のトンネルができています。千本鳥居とも言いますね。朱色の無数の鳥居が立ち並ぶ光景は非常に神秘的で写真撮影にもってこい。あの景色が見たくて伏見稲荷大社を目指す人はたくさんいることでしょう。世界的に有名な観光地京都において常に上位に来る観光地です。伏見稲荷大社の名物と言える鳥居のトンネルですが、東京でも規模が小さいながら見ることができる場所があります。幾つかあるのですが、一つは赤坂山王にある日枝神社。正確には日枝神社横の山王稲荷神社になりますが。

千本鳥居があるのは稲荷神社が多いのです（稲荷とは神社の種類。他には八幡宮や大神宮などあります。）。そして今回紹介する上野恩賜公園にある花園稲荷神社もやはり稲荷神社です。こちらにも短いながら鳥居のトンネルがあります。

新宿にある伊勢丹本店から道路を挟んでほぼ向かい側に花園神社がありますが、上野にあるのは花園稲荷神社です。ネット情報によるとかつては「忍岡稲荷」だったとか。

花園稲荷神社公式のホームページが見当たりませんので特集サイトのＵＲＬを載せておきます。

花園稲荷神社 / 東京都台東区 | 御朱印・神社メモ

花園稲荷神社は上野恩賜公園の中、不忍池に近い位置にあります。上から行く道と下から行く道があります。上の道は上野恩賜公園さくら通りから上野東照宮方面に曲がっていくと見えてきます。短いながら鳥居のトンネルがあり、下っていくと本堂があります。下の道は不忍池のほとり、動物園通りから坂を登っていくと坂の途中に石の鳥居が現れます。少々ややこしいのですが花園稲荷神社のすぐ横に五條天神社があります。五條天神社の神職瀬川家が花園稲荷神社の神職を兼務することとなり、五條天神社の兼務社となっていきました。ただしし神社としては独立しています。本堂は隣にある五條天神社に比べると小さな建物であまり目立つものではありません。

更に本堂とは別に忍岡稲荷（穴稲荷）があります。こちらは稲荷の象徴である白狐が置かれています。ここを通り抜けると動物園通りに繋がる坂の途中に出ます。かなり目立たない神社で気を付けていないと見過ごしてしまうかもしれません。もしくは五條天神社の末社かと勘違いしてしまうかも。

上野恩賜公園の高台から不忍池までの高低差にある小さな神社。鳥居のトンネルがあることで新型コロナが流行る前は外国人観光客がよく写真を撮っている場所でした。上野恩賜公園は元々寛永寺の境内であり、寛永寺の存在が大きいわけです。その中で上野東照宮、花園稲荷神社、五條天神社が固まって鎮座しています。上野動物園に東京国立博物館、国立西洋美術館、国立科学博物館、東京都美術館といった近代の名所が目白押しの上野恩賜公園。その中にある知る人ぞ知る神社が花園稲荷神社（忍岡稲荷）です。なかなかマニアックかもしれませんが上野散策の際にはちょっと通りかかるといい場所ではないでしょうか。

甲野　功

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