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昨日は東京オリンピック体操女子種目別ゆかで村上茉愛選手が銅メダルを獲得しました。テレビの前でリアルタイム視聴していたのですが、感動しました。
<日刊スポーツ 個人は村上茉愛が史上初! 体操女子五輪でメダルは64年東京の団体以来>
この快挙で何より強調されるのが、体操女子のメダル獲得は前回東京オリンピック(1964年)以来の57年ぶりということと女子体操個人種目として初のメダルとなったということ。
史上初というのはどの種目でも素晴らしいことです。0から1を生み出したことです。それとは別になんと57年ぶりにメダル獲得という事実に驚きます。もう57年も前なら実質初めてことのような気がします。
村上茉愛選手本人はもちろん、コーチやスタッフも皆さん当時のことを知らないでしょう(当然生まれていない)。だいたい65歳以上でないと前回東京オリンピックの記憶はないでしょうから、当時の体操事情は記録に残っていても体験した記憶として残している人は相当限られているのではないでしょうか。
半世紀以上前の記録でも記録は記録として残り、“57年ぶりのメダル獲得”という表現になるわけです。
同じく昨日の東京オリンピックの陸上競技、男子走り幅跳びで橋岡優輝(22歳)選手が37年ぶりの6位入賞を果たしました。もしもメダルを取っていれば85年ぶりの快挙でした。競技終了後に橋岡選手がインタビューで
37年ぶりの入賞はどのようにお考えですか?と聞かれ
生まれる前のことでピンとこない、
と答えていました。
それはそうだろうなと私は思いました。1984年のロサンゼルス大会の出来事と比較されてもという。しかしオリンピック陸上競技が続き、選手が競技会にエントリーし続ける以上、過去の記録との比較はずっと続くのです。
東京オリンピック中継を観ているとこのような過去の記録と比較される選手の姿をずっと目にします。反対に今回新種目となったスケートボード種目で金メダルを獲得した男女日本人選手は“原初の記録”となったわけです。3年後のパリ大会以降、“2021年東京大会に続く”という形容詞がついてまわるのです。
10年、20年くらいであれば記録は記憶として残っていて印象が強いでしょうが、30年、50年と空けばそれはもう“記録に残っているもの”だと思います。そのようなほぼ歴史上の出来事とも戦わないといけない(比較される)選手は日本代表を背負うことの一つなのかもしれません。
私も開業して7年が経ち、常に過去の記録との戦いをしている感じです。数字という客観的なものを記録し続けています。開業当初は伸びていくだけで日々記録更新。売上とか単価といった基本の数字だけでなく、一度に使った経費の最大金額とか前年比、月の広報活動回数など多岐に渡ります。
一度何かよい数字を出せばそれが記録となり、過去の成果を超えるためにずっと気にします。反対に非常に悪い結果を残せば、今後それを下回りたくないと戦々恐々とします。比較することに大して意味が無いと思いつつも、記録(過去の数字)からは逃れられず意識し続けます。それがモチベーション向上に繋がることもあるので。
今回の東京オリンピックでは柔道が素晴らしい成績を残し個人で多くの金メダルを獲得しました。しかし最終日の男女混合団体は決勝でフランスに敗れて銀メダルに終わります。
フランスは今や日本を遥かにしのぐ柔道競技人口を誇る強豪国です。個人戦では日本ほどの成績を残せず団体戦に気合を入れてきました。予想通り決勝で対戦し、フランスの4勝1敗で完勝という感じでした。
奇しくも前回の東京オリンピックでも、柔道最終競技で日本武道館の畳上で勝ち名乗りをあげたのはオランダのアントン・ヘーシンク選手(男子無差別級)でした。日本の神永昭夫選手を破ってのこと。2021年の東京オリンピックでも日本武道館の畳で最後に日本を下し勝ち名乗りをあげたのは日本選手ではなかったということに。57年前の悪夢が蘇る形。日本柔道チームが3年後のパリ大会では日本柔道チームが開催国でフランスを倒すことを誓ったことでしょう。
例えどれだけ昔のことであろうとも、継続していく以上過去に出した記録とたたかうことは避けられません。記録を乗り越えたときに新しい時代が生まれますし、なぜ記録を更新できなかったのかを考えることは進歩に繋がります。
私もかつての記録に捕らわれず、しかし更新できるように毎日の仕事をしていこうとオリンピック観戦をしながら思いました。
甲野 功
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